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「妊娠したら、ひとりで死ななくていいと思った」

      2017/11/27

「漂流女子」と聞いて、みなさんはどんなことを想像するだろう。行くあてのない女子、住む家のない女子、孤立している女子‥‥。ここでは、思いがけず妊娠し、相談先を探しながら孤立している女子のことを「漂流女子」と呼ぶ。ひとことで思いがけない妊娠といっても、10代の妊娠、未婚での妊娠、不倫での妊娠、想定外の妊娠‥‥。そこにはさまざまな背景や理由がある。

DVによる妊娠の可能性

一緒に暮らしている人からDVを受けているのであれば特別な対応で国保に入れるかもしれないという情報もあった。子ども家庭支援センターや、男女平等参画の相談窓口で、彼からのDVを訴えてみてはというアドバイスだった。難しいケースなのだが、彼は結婚する意思もなく、あやさんの同意もなく、避妊せず性行為を行なっている。これはDVにあたるのではないかと。しかし、結局は特別な対応は認められることはなかった。あやさん自身も、何とかできないかを一生懸命調べていた。未成年でも使えるクレジットカードをネットで探してみたり。審査の厳しくないカードはあったが、これも結局「保護者の同意が必要」という壁があった。

未成年で妊娠したらちょっと困るという相手と、避妊なしの性行為を行うような男性とはすぐにでも別れた方が良い。それができなければ性交後72時間以内にピルを服用するとか。しかし処方には時間がかかり、服用し続けるにはお金もかかるというデメリットも。お互いを尊重しあえる仲なら避妊なしの性行為は嫌としっかり主張し、彼にやめてもらうことも可能だろう。それを拒むということは男性のあなたに対する気持ちも大したことないことになる。いわゆる〝踏み絵〟に使って男性を選別する材料にすれば良い。

少女が持ち続けた強さ

19歳で2人目を妊娠し、中絶する。その事実だけ見れば、眉をひそめる大人もいるかもしれない。けれどその人生を振り返ってみると、彼女の何が悪かったのかと思わずにはいられない。実母からはネグレクト、義父からは暴力。家に居場所がなくて、助けてと声をあげても、助けてくれるはずの大人が助けてくれない。お金もない。Tさんに出会う前は頼れる人が誰もいないという状況だったのではないだろうか。たまたまそういう環境に生まれてしまっただけ。それだけで彼女はずっと困難を1人で抱え込んで今まで生きてきたのだ。

このケースでは結局、2人目は中絶し。1人目で乳児院に預けられている子と面会し続け、時折外泊許可まで降りるようになった。彼女の希望は子どもを引き取っていつか2人で暮らすこと。その夢に向かって働きながらコツコツと勉強し高卒認定試験の勉強を続けている。これだけ不幸な環境においてもめげずに頑張る姿は勇気を与えてくれる。1人で抱え込まず、然るべき団体(にんしんSOS東京)とコンタクトを試みることで「思いがけない妊娠」で苦しむ人が減れば良いと思う。

電話の向こうで泣きじゃくる声

一昔前に流行った出会い系サイトは今、出会い系SNSに移行しつつある。学生向けを謳ったSNSに、ごく平然と社会人男性が紛れ込んでいることは多い。彼らの狙いは、女子中高生(ときには小学生)と交流を持つこと。出会い系SNSだけではない。例えばTwitterで、プロフィールに「病み垢」「メンヘラ」「セックス依存」などと書く若い女性のアカウントがある。「病み垢」とは、気持ちが病んでいるアカウント」、「メンヘラ」はメンタルヘルスに問題がある自分を自虐的に称する言葉だ。リストカットした様子を写真に撮ってアップしている子もいる。彼女たちのツイートを覗くと、そこには不特定多数の男性からのリプライが飛んでいることがわかる。「どしたー?」「話聞こうか?」「DM(ダイレクトメッセージ)でやり取りできる?」

一見優しそうに見える彼らの言葉は、10代の女の子と繋がるためのもので、言葉巧みに誘い、搾取することが目的だ。出会い系SNSで出会った男性の子供を妊娠してしまい、親父が誰かわからないなんてケースも。男性の方も妊娠を疑い、「今まで外だしで妊娠させたことがない」と責任回避するものや、中絶費用を出し渋る輩。自分の子だと証明できないのならお金を払わないという子供のような大人まで。安易に出会い系SNSで知り合った男性と関係を持つと痛いしっぺ返しを食うことに。

しかし、こうした少女たちの中には「殺されてもいいと思っている」などという子も。名前も知らない人と会って、ホテルで殺されてもいいと‥‥。死にたいけど自分じゃ死ねないから、誰かに殺してほしいとまでいう。SNSで出会った男性と会うことは彼女にとって自傷行為の一つであり、リストカットやOD(オーバードーズ)の延長線上であることを教えてくれた。妊娠してもいいと思っているのか?という質問に対して、妊娠したときは本当に死ぬしかないと思ったが、「これで1人で死ななくてすむって思ったんだよね」と語ってくれた。

予想外、想定外の妊娠で悩んでいる人やまだ妊娠したくないのに彼氏が生でやりたがるといった人にはにんしんSOS東京とコンタクトを試みてほしい。しかし、本当にこの本を読んでほしいのは男性陣だ。安易な避妊なしの性行為がどのように女性を傷つけるかがわかる書籍となっております。

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