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10年後、20年後人口減少日本であなたに起きることとは?

      2018/07/13

本書は、『未来の年表』の続編である。ベストセラーの続編というのは大抵、前著の余勢を駆った「二匹目のどじょう狙い」である。しかし、本書は決して二番煎じをしようというものではない。「人口減少カレンダー」だけでは、少子高齢化という巨大なモンスターの全貌をとらえるには限界があった。だから今回は、全く違うアプローチで迫る。少子高齢化や人口減少で起きることを、家庭、職場、地域社会といったトピックスに分けてカタログ化すれば、さまざまなシーンを「あなた自身の問題」として具体的に置き換えることができる。そしてそれは、10年後、20年後の日本でうまく立ち回っていくための指針となる。

どこかズレている

2017年10月の総選挙に際して行った記者会見で、少子高齢化を「国難とも呼ぶべき事態」と位置づけ、突如として、増税される消費税の使徒変更を宣言した。国の舵取り役たる総理大臣の言葉は重い。首相の発言を耳にした私は、「ようやく、少子高齢化への対応に本腰で取り組むことにしたのか」と期待を抱かずにはいられなかった。だが、それが全くの「ぬか喜び」であったことを思い知らされるのに、多くの時間を要しなかった。安倍首相の口から続けて飛び出した対策が、幼児教育、保育、高等学校教育の無償化だったからである。「国難」と大上段に構えた割には、スケールがあまりに小さい。スケールの大小だけでなく、「どこかズレている」と感じた人も多かったのではないだろうか。

子育て世代が抱える不安の解消につながるので、全く無意味だとはいえないが、このままでは勤労世代が大きく減少し、社会システムが機能不全に陥る。それが「国難」なのだから、対応にはもっとダイナミックな社会の作り変えが不可欠だ。人口が激減する中にあって、人々が豊かさを感じられるための方策が求められており、国民の反発が起こるであろう増税に真正面から理解を求めていく、理解が得られる政策が必要なのだ。

伴侶に先立たれると、自宅が凶器と化す

少子高齢化に伴って、あなたの身の回りで起きることに「不慮の事故」がある。高齢者になると事故死が増えるというのはイメージしやすいだろう。高齢者の事故死といえば、真っ先に思い浮かぶのが交通事故だ。踏切を渡りきれなかったり、車の接近に気がつかなかったりして、悲劇に巻き込まれるケースが後をたたない。最近は、高速道路の逆走など、高齢ドライバーが加害者となった死亡事故も目立つ。ところが、高齢者の事故発生場所としては、一般道路は6.9%に過ぎない。ではどこで事故に遭っているかといえば、家の中なのである。交通事故よりも、家庭内における「不慮の事故」の方がはるかに多いのだ。

つい最近も90際の高齢女性ドライバーが免許更新ができてしまったために、4人が死傷する事故が起こった。90歳にもなって逮捕されるなんて悲しすぎる。僕は病気(統合失調症)で免許取り消しになって不便な生活を強いられているので、高齢者で免許返納しないで事故を起こす人たちに納得がいかない。地域サービスとして、乗り合いのタクシー的なものを運営している団体もあるようだが、便利な都心部ではあまりそういった話を聞かないように思う(実際はあるのだろうけれども)。買い物が困難なら、Amazonの使い方をお年寄りに教えるといった取り組みをすれば、買い物難民にならなくて済むし不慮の事故も減るのではと思う。

大都市圏に巣食う空き家問題

なぜ大都市圏で、こうも空き家が増えたのだろうか?それは都市部での高齢化が進み始めたことと大きな関係がある。以前ならば単身世帯は結婚前の若者が大半であったが、現在は高齢者の独り暮らしが増えてきている。とりわけ高齢者の絶多数が増えるのが東京圏である。高度経済成長期以降、進学や就職で上京した〝かつての若者〟たちは、東京圏で結婚した。子供を育てるために広い居住スペースを求めて、通勤に1時間半以上もかかるような郊外に住宅を求めた。その代表格が団塊世代だが、その多くは定年退職後も郊外のマイホームに住み続けている。ところが、その子供世代のライフスタイルは彼らとは大きく異なる。通勤に便利な実家近くでの生活には見向きもせず、オフィスに近い地域や、郊外であっても駅周辺の利便性の良いところに立地するマンションを求めた。

夫婦共働きが多くなったこの世代の若者は、時間に対する考え方もシビアで、通勤時間に1時間以上かけるという選択を嫌う傾向にある。自己啓発書やビジネス関係の本を読んでも世相が反映されていて、オフィス近くに家を持つことで無駄な時間を省いていこうという趣旨のことが書かれた書籍も多い。リノベーションされた綺麗な物件を求める若者も多く、鉄筋コンクリート造の賃貸マンションでも空き家は増えているそうだ。

人口減少で起こり得る様々な弊害や問題を予想。10年後、20年後を考えるとゾッとするが、あなたに降りかかる様々な問題を知っているだけで対策を取れそうな事案も多数。これから直面するであろう問題と向き合うためにも読んでおいたほうが良い書籍と言えるだろう。

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