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『定年をどう生きるか』岸見 一郎

      2019/06/08

人生の後半に向けて自分を見つめ直すために

会社員ならいつかは経験する定年。お金や健康といった不安は、もちろんあるが、その問題の本質は対人関係の変化にある。慣れ親しんだ職場を離れ、自分と仕事や家族、社会との関係を再定義し、いかに貢献感を持ち、新たな人生を充実させるか。アドラーをはじめ、プラトン、マルクス・アウレリウス、三木清……哲学者が教える幸福で「ある」ために必要なこととは。

予定は未定

身体のこともお金のことと同様、定年後の人生にとって大きな問題になります。若い時でも健康であればこそ思い描けた計画が、病気になってたちまち瓦解したという経験をした人もいるかもしれません。私の母は子どもたちが大きくなったら父と二人で旅行すると話していました。しかし、四十九歳の時に脳梗塞で倒れてしまい、その計画を実現することはできませんでした。

現役時代にはできなかったことを定年後にやろうと計画していたとします。しかし、人生100年時代と言われる今、老後は貯蓄を切り崩すこととなり、年金だけでは赤字という人が多いのではなかろうか。定年後の計画は、実際に定年になって赤字が続くと絵空事だったことがわかります。お金の面だけでなく、身体面でも不調が続けば旅行だってままなりません。旅行の類は定年後の楽しみにとって置かず、現役時代に有給でもとっていっておくのがいいでしょう。人は「今ここ」を生きているのであり、未来のことをあれこれ計画してもその通りいくとは限りません。「定年に準備は必要か?」という時の準備とは、未来に向けてではなく、「今のための」準備です。

所有の心理学

アドラー心理学は「使用の心理学」と呼ばれることがあります。何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかが大切だとアドラーはいっています。それに対して、何が与えられているかに重点を置く心理学は「所有の心理学」といわれます。今の話で言えば、いいカメラを所有すれば、それだけですぐにいい写真が撮れるわけではなく、それをどう使用するかが大切だということです。たとえ高性能ではないカメラであっても、それをうまく使いこなせばいい写真が撮れるのであって、いい(高い)カメラを所有していれば、ただちにいい写真が撮れるわけではありません。同じことは本書で問題にしている定年についてもいえます。定年になったことが問題なのではなく、定年という与えられた現実をどう受け止め、その後の人生をどう生きるかを、自分で決まればいいのです。

僕は趣味にお金をかける方なのでよりハイスペックなものを買い揃える傾向にあります。自分のスキルに見合わないものであっても、所有欲を満たしてくれる趣味の道具は僕にとって欠かせないものとなっている。ブログ執筆と、簡単なフォトレタッチ程度の使用用途ならMacBookAirで十分なのですが、やはりMacBookProを選んでしまう。デザインが僕好みだという点もあったのだが、買えるだけの財力があるうちは、高性能なものを求め続けるだろう。

料理男子!

私は母が亡くなる前は料理を作ったことがありませんでした。私は父の言葉を「お前が作れ」という意味だろうと理解したのですが、どこからどうやって料理を作っていいものかがわからなかったので、本屋に行って、行き当たりばったりに、何冊か料理の本を買い込みました。

将来、独り身になって困らないように、早いうちから料理を勉強しておくことをお勧めします。とりあえず自分の好物から始めると良いでしょう。ネットで検索すればレシピなんていくらでも出てきますが、奥さんの作る料理のうちで特に自分好みのものを教わっておくなんていうのもいいでしょう。僕の場合、母親から教わったレシピが20種類程度あり自分でも材料さえあれば作れるようにしています。うちでは父親も料理ができるので、母が1週間ぐらい家を空けても全然平気。結婚している方は奥さんに得意料理を伝授してもらえば奥さんの自由度が増し、代わりに作ることで喜ばれることでしょう。男の料理的なレシピ本もいいですが、調味料とか凝りすぎて材料費がかさむことがあるので、普段の家庭料理から始めることをお勧めします。

定年後の読書

定年に関する本を読んでいても、意外と読書を勧める人が少ないことに驚きます。若い頃であれば、受験や資格取得といった勉強のための読書をしてきた人でも、定年後はそれとはまったく違う読書ができます。読まなければならない本などありませんし、書かれている内容を知るために速読をする必要もありません。どんな本であれ、読んでいるときに楽しいと思えたらいいのです。

読書は他の趣味と比べてコストパフォーマンスは最強です。Kindle Unlimitedや図書館を使えばコストほぼゼロでいくらでも時間が潰せます。お金をかければさらに選書の幅は広がります。僕はアラフォーですが、定年後の年金暮らしみたいな生活を送っているので、読書には助けられています。ブログを開設してGoogleAdSenseやAmazonアソシエイトの広告を貼れば書籍代の一部が返ってきます。

これから定年を迎える人、すでに定年を迎えて年金生活に入っている人、僕のように現役世代なのにすでにリタイアしている人は参考になるのではないでしょうか。「これからは好きなことができる」と思えたのは最初の1ヵ月だけだったなんてことにならないための指南書です。

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