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宇宙ビジネス「第三の波」の豊富な事例を解説。

      2018/06/30

宇宙ビジネスに新しい企業が次々と参入し、連日ニュースを賑わせている現在の状況をNewSpaceと呼ぶ。米ソの開発競争、宇宙ステーションを軸とした国際協調という2つの波を越えて、NewSpaceは「第三の波」である。豊富な事例をビジネスモデルの切り口から解説し、読み解く一冊。

圧倒的な国家予算を有する米国

米国、ロシア、中国、欧州、日本、カナダ、インドの宇宙先進国の宇宙予算を比べると、米国の宇宙予算は、世界の宇宙先進国に比べて桁違いに大きいのが特徴です。米国の宇宙予算は、年変動はあるものの約5兆円の規模です。次ぐ欧州、ロシアの宇宙予算規模は、6000億円から7000億円と言われ、大きな隔たりがあることがわかります。米国は、膨大な宇宙予算により、官需を中心とした宇宙ビジネスが活性化され、その規模に応じた宇宙ビジネスの機会が創出されています。その機会の分だけ、宇宙ビジネスに携わる人材が存在しますし、人工衛星やロケットなどの開発、製造コスト競争力が発達するなど、メリットがあります。その効果を活用し、民間ビジネスの機会も多く創出されています。

規模の経済と同様の効果が見られるアメリカの宇宙開発。それに比べ日本の3000億円から4000億円程度にとどまっています。しかし、宇宙予算の規模と技術の関係を見て見ると、予算の割には高い技術を持っている日本の現状が見て取れるでしょう。予算の割には善戦しているのです。

惑星資源探査事業の法整備を進める先駆国ルクセンブルクと米国

ルクセンブルクは、欧州にある人口59万人(2017年1月時点)、面積は2586㎢と日本の面積の1%にも満たない小国です。そのルクセンブルクが、世界を代表する宇宙ビジネス国であることをご存知でしょうか。1984年に政府の支援により衛生通信事業者SES社が設立されました。40機以上の静止衛星を静止軌道に配備し、グローバルに衛星通信事業を展開している世界を代表する衛生通信事業者です。2005年にルクセンブルクは欧州宇宙機関(ESA)の加盟国となっています。

小国ながら惑星資源探査事業に注力するルクセンブルク。2017年7月には宇宙資源の探査と利用に関する法案を可決し、民間企業が宇宙で採掘した資源の権利を持つことができる法律を策定。これにより一番乗りで惑星資源探査事業に係る法律を施行しました。宇宙にはまだ見ぬ資源がたくさんありそうという期待、惑星資源探査はこれからの宇宙開発で重要なポジションを占めるだろう。地球の資源が枯渇する前にこうした宇宙開発による惑星資源探査を成功させる必要がある。もちろん、今ある資源が枯渇しないよう、地球の資源を守る活動も同時に進行させなければならないが。

NewSpaceを動かすプレイヤーたち

イーロン・マスク氏は、SpaceX社というロケットのロンチ(打上げ)サービスを提供する企業のCEOです。ロケットのロンチサービスは、人工衛星の重量などに依存し、数トンの重量を有する人工衛星であれば、100億円程度の打上げ費用が相場です。SpaceX社は、その価格の半分程度まで価格破壊を起こしているといわれており、老舗企業を圧倒しています。イーロン・マスク氏は、PayPalの創業者であり、電気自動車ベンチャーのTesla社や再生可能エネルギーベンチャーSolarCity社のCEOでもあります。次世代輸送システム「ハイパーループ」と呼ばれる、真空チューブ内の中空を時速1200kmで走行するアイデアを発案した人物でもあります。

宇宙旅行やロケットロンチサービスを計画する会社には他にもBlue Origin社という会社がある。CEOは皆さんご存知Amazon社のCEOでもあるジェフ・ベゾス氏だ。その他にもStratolaunch Systems社という宇宙ベンチャー企業がある。航空機からロケットを空中発射するロンチサービスを提供する会社だ。この企業のCEOはMicrosoft社の元CEOポール・アレン氏です。ポール・アレン氏はビル・ゲイツとともにMicrosoft社を創業した人物として有名。こうしてすでにIT企業で大成功している人たちによる宇宙開発が激化していて、様々なサービスが近い将来現実のものとなっていくでしょう。

NewSpaceの花形、小型衛星ビジネス

世界にはO3b(Other 3 billion)といって、通信インフラが未整備であり、その環境を利用できない人たちが世界には30億人いるといわれています。世界の人口は現在70億人強といわれており、4割強の人たちが通信環境を利用していないのです。通信環境が整備されることで、多くの人が多くの情報を手にすることができ、様々なビジネスが生み出されるでしょう。

小型衛星は大量生産の時代に突入していて、約4000機打上げ、大規模コンステレーションを構築する計画なんかも。

宇宙ビジネスに熱心な成功者たちが増えたおかげで、宇宙開発は一気に加速しています。第三の波とも言えるNewSpaceを読み解く鍵がこの一冊に!

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