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仮想通貨バブル。取引量がピーク時の1/4!混乱と熱狂の果て

      2018/05/05

 

日経の取材記者による迫真のルポ!580億円もの不正流出事件に見舞われたコインチェック。投機マネーに煽られ、わずか3年で100倍に急騰したビットコイン。相次ぐ分裂を主導する中国の「採掘者」たち。玉石混交のICO。いち早くルール整備に動いた日本……仮想通貨をめぐる混乱と熱狂、その真相に迫る!

コインチェックのNEM流出事件

コインチェックがNEMを流出させた原因の一つが、ネットワークに常時接続しているホットウォレットでの管理だった。ネットから隔離したコールドウォレットで管理していれば不正アクセスを防げたが「技術的な難しさと人材不足から対応できていなかった」(和田晃一良社長)と説明した。コインチェックは別のシステム上の管理体制も怠っていた。仮想通貨には「秘密鍵」と呼ばれる英数字をランダムに並べた暗証コードがあるが、これだけでは外部のハッキングで破られる恐れがある。このため取引所は「マルチシグ(複数署名)」と呼ぶ仕組みを取り入れており、秘密鍵を複数に分割して別々に管理している。これでハッキングの難易度を高め、盗難の可能性を減らすようにしている。しかしコインチェックはNEMでその仕組みを採用していなかった。

お金を扱う業者にしてはあまりにもずさんな管理。技術者が足りないなんて言い訳にもならない。しかし、仮想通貨を買おうとする人々に問題がなかったかというと疑問も残る。新しい技術を使った仮想通貨、ビットコインの高騰をみてから、後発で儲かりそうな仮想通貨を物色して投機に走った人達の末路がこれだ。コインチェックのNEM流出事件を受けて、他の業者も規制が強くなると感じたのか、セキュリティーが甘かったり、技術者不足だったりで廃業する業者も。

隣の芝生は青く見える

デフレ経済の中で育ってきた20〜30歳代の人たちにとって17年の仮想通貨の高騰は初めて経験するバブル。一方でバブル崩壊の経験もなく隣の芝生が青く見えてしまう。「技術的なことはよく分からないが、周りがもうかっているのがうらやましくなって」。

50万円を投じてビットコインの取引に乗り出した20代の会社員の女性は朝起きたら10万増えてたという体験をし、「スリルがたまらない。スマホゲームよりも断然面白い」という。稼いだ利益で欧州旅行に行くのが目標だ。別の30代の女性会社員はこれまでやってきたFX取引を一切やめて、仮想通貨に300万円投じた。信用取引を駆使して2ヵ月で500万円近い利益を上げた。おお、みんなきてるね!信用取引!!僕の感覚からは理解できないほどのリスクをとって仮想通貨に熱狂する人達。バブル弾けたら一気に退場だよ信用取引なんかしていたら。ある日価格が急落して、自動的に強制ロスカットさせられ損失額は元手を大きく超え、証拠金も現物もパー。SNSで投資ビジネス(もちろん怪しいやつ)を持ちかけてくる輩も、FX→バイナリーオプションときて最近では仮想通貨で一緒に稼ぎませんか的な人間がうじゃうじゃ。警鐘を鳴らすように、SNSのプロフィールの投資、副業お断りと書いている人も多いので、今更引っかかる人はいないだろうが、金もった高齢者でスマホ初心者とかが引っかかるのだろうか?

仮想通貨に熱狂しているのはバブルを経験していない「デフレの申し子たち」とも言えるだろう。価格が高騰し始める前にビットコインを購入したIT系の技術者は、足元のブームを意外と冷ややかに見ている。30代の男性会社員は800万円で買ったビットコインが10億円に値上がりしている。それでも今のブームは「迷惑」だという。仮想通貨はブロックチェーンという基幹技術を使い、送金や決済の手数料の低さがメリットだがブームで取引が急増し、取引の認証スピードが遅くなっているのが気に入らないのだそう。最近で3月に取引量がピーク時の1/4にまで減ったことが報道されるなど沈静化に向かっているようだが。

規制に踏み出した日本

いち早く動いたのが日本だった。マウントゴックスの破綻に多くの利用者が巻き込まれた日本では、消費者保護の観点でも法整備が求められたからだ。17年4月に施行された改正資金決済法では、仮想通貨を「モノやサービスを購入する際の決済手段」と位置づけた。また仮想通貨の売買を仲介したり、仮想通貨と法定通貨を交換したりする仮想通貨交換業者には登録制を導入し、顧客の本人確認を義務づけた。交換業者には顧客の資産と自社の資産を区別して管理する「分別管理」を求め、顧客資産の保護にも乗り出した。

17年9月金融庁が仮想通貨交換業者として11社を登録。施行前から交換業者を運営していた企業は金融庁に登録を申請していれば登録前でも「みなし業者」として事業を継続できる特例措置が設けられた。このみなし業者が悲劇の始まりだった。コインチェックが登録から漏れ、みなし業者としても営業できなければ、NEM流出は回避できたはず。

仮想通貨の熱狂の渦の中、よくわからないまま友達や同僚がもうかっているからという理由で飛びつくのは浅はか。もうかっている人は価格が高騰する前から所有していた先見性のある人たちで、決して飛び乗った人たちではないということを理解する必要がある。これから「仮想通貨を持とう」「でも技術的なことはよくわからない」というレベルならば、読んでおいた方が良い書籍。光と闇が描かれています。

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