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ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略|高橋 俊介

      2019/09/14

日本企業の雇用の質が、著しく劣化してきている。ピラミッド型組織におけるタテ型OJTは崩壊し、ローテーション人事はもはや通用しない。人を育てず使い捨てにする会社は「ブラック企業」と批判され、仕事にやりがいを見出せない若者は3年で退職してしまう…。そんななかでも、20代が辞めずに生き生きと働く企業はたしかに存在する。スターバックスジャパン、サイバーエージェント、ベネッセ―いったい何が違うのか。人事・組織論の第一人者が、現代の日本企業が抱える問題点と、その対策を解き明かす。難しい時代に対応した人事モデルを提供する、人づくりの教科書。

ブラック企業VSホワイト企業

ブラック企業が人を使い捨てにする企業とすれば、ホワイト企業とは初期キャリアにおいて若者を成長させる企業、働きがいのある企業、さらには社会における雇用の質を向上させる企業といえるでしょう。ホワイト企業を、たんに離職率が低い企業、働きやすい企業と考えるのは、大きな誤りなのです。なぜならそういう企業には、のちに詳しく述べますが、人材滞留企業が少なからず含まれるからです。こうした企業は、いまはよくても大きな変化には耐えられません。企業が崩壊したのち、社員が社会に放り出されると、じつは生きていく力がついていなかったという恐ろしい状態になりかねません。とくにキャリア初期の二十代においては、働きやすさ以上に働きがいが重要なのです。働きやすさは、企業の人事制度や離職率など客観的情報で測りやすいため、世の中にはこちらに偏ったランキングが出やすいのですが、ほんとうの意味での働きがいはそういう外形的基準では測れません。真のホワイト企業とは、若者を成長させ、変化の激しい時代において雇用の質を向上させる企業であり、そのような企業が、組織としてどんなことに取り組んでいるのか、それを重視しなければ浮かび上がってはこないのです。

人材育成に力を入れている企業は多いが、一方で若い労働力を多く必要として1年経たずに辞めていく若者が多い企業もある。こうした企業では若者を労働力としてしか考えておらず、厳しい勤務体系で常時中途採用の広告が出ている。ホワイト企業の中にも2〜3年で会社をさっていく人間が多い会社もあるが、そこはブラック企業とは違い、成長した若者がより高待遇の職を求めて転職したのが理由だ。

人材育成力を高める取り組み

スターバックスコーヒージャパンは、非正規のアルバイトが二万人で、学生アルバイトが多い企業です。アルバイトの離職率は、なんと年間三五パーセント。つまり平均三年程度、学生アルバイトの場合、多くの人が卒業まで働きつづけるということでしょう。ちなみに日本の典型的な小売などのアルバイト・パートの離職率は、年間一〇〇パーセント程度といわれていますから、この離職率の低さは驚異的です。スターバックスでは、この三年のあいだに四段階のステップで成長させています。ショート、トール、グランデ、ベンティの順です。グランデ以上は、アルバイトがアルバイトを指導できるようになります。毎年三〇〇〇人程度が大学卒業を理由に退職し、そのうち、約三分の一が新卒での入社を希望します。大卒の新卒正社員は数十人しか採用しませんから、大変狭き門です。スターバックスで三年間、アルバイトをしてきた人は、ほかの会社で面接を受けても、考え方がしっかりしているといわれています。スターバックスでのアルバイト経験は、就職に有利だという都市伝説まで生まれつつあるそうです。ある意味、これはアルバイトを通じた一種のキャリア教育ともいえるでしょう。アルバイトの離職率が低いうえに、成長することで仕事のレベルが上がり、育成など正社員業務の一部までやってくれるので、生産性も上がるという人材育成モデルです。ここで重要なのは、離職率が低いことは当然ですが、アルバイトでも生産性を上げられるということ。非正規も含めて雇用の質、成長を提供することで、事業の発展にも寄与することがわかります。

アルバイトの離職率が低いのはサービス業にとって大きなアドバンテージとなる。スターバックスの場合大学生が在学中4年間ずっと働くことが多く、卒業時には仕事に対する考え方がしっかりした人材が育て上がることで、就職にも影響が出るという。成長したアルバイトは新入りのアルバイトに指導する役割も担っていてそこでサービス業のあれこれを叩き込まれる。マニュアルがないのも自発的に何をすればいいか考えて動くいわゆる指示待ちではない人間が育つのだ。一時期スタバは非正規の正社員化を行なったことで話題になりましたが、それはアルバイトでもきちんとした人材が育つよう教育されているからできることなのだ。

うちの会社では20代が育たないと嘆いている人事担当者や管理職の人たちに読んでほしい書籍。特にサービス業については細かく言及しているので参考になるのではと思います。

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