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世界で通用する「恋をさせる」マーケティングとは?

      2017/11/23

日本の製品はずば抜けているのに、消費者との心の繋がりを作リ出すブランド価値の構築という点でまだまだ改善の余地がある。この状況はマーケティングにおいて極めて不利なことです。今日の世界で競争を勝ち抜くためには、優れたブランドが欠かせない。圧倒的なブランドは良い製品だけでは構築することができない。製品の改良には大きな努力が必要だが、たいていの場合、現代のマーケティング技術を用いればそれ以上の効果が期待できます。ブランディングの世界を覗いていこう。

どうしても欲しいと思わせるマーケティングの力

どうしても欲しいものがあった。レッドタブのついたボタンフライのリーバイス501だ。1978年のこと、私は一年かけて4500ペセタの貯金をし、40ドルに両替した。スペインに住む十五歳の少年にとってはかなりの金額だった。私はその金をニューヨークへ旅行に行く友人に託し、二週間待ってようやくジーンズを手に入れた。サイズはウエスト30インチ、レングス32インチ。洗濯すると2インチくらい縮んだ。馬鹿なことをしているという意識も心の片隅にあった。値段は高いし、簡単に買えるものでもない。でもとにかく欲しかった。それは本物だった。反抗、クールさ、自由のシンボル。はいていれば幸せだった。

現在では、欲しいものがどこの国にいても手軽に手に入る。現地に行かないと買えなかった、1978年のリーバイス501同様、BUYMAなどを通じてバイヤーに買い付けてもらえば手数料を加え、ニッポン未発売のブランド品だって手に入る。優れた商品は、セレブやInstagramをうまく使ったマーケティングでよりみんなが欲しがる商品へと変わって行く。以前のようにショップに足を運び店員と仲良くなり最新情報を得るなんてやり方はもう古くなっているのかも。多くのブランドでは公式のオンラインショップを持っているので、ショップで値札を恐る恐る見るなんて行為をしなくても、ネットで一発で値段がわかる。煩わしい店員の目を気にする必要もないのだ。逆の実店舗のメリットは何?といった感じ。素材の感触やなんかは実際商品を手にとって見ないとわからないがそれもネットショッピングの達人には関係ない。商品の詳細に載っている素材の名前を見れば想像がつくからだ。

共感したがっている感情脳に寄り添う

マーケティングとは人々に、ブランドを創造することで製品やサービスに恋してもらうプロセスだ。つまり、マーケティングとは誘惑なのだ。我々は理性脳に働きかけるのにエネルギーを使いすぎ、感情脳のことを忘れがちだ。感情脳はとても繊細で、無視されることを嫌う。共感してもらえなければ、すぐにそっぽを向く。するとどんなに努力しても、もう会話にも説得にも耳を貸さなくなってしまう。

ブランドが創造する価値に惚れ込むことは昔と比べ少なくなってきているようにも感じる。どこかでヒット商品が生まれればその商品の有する価値をコピーした商品が雨後の筍のように出てくる。当然最初にその商品やサービスを生み出したブランドはアドバンテージを得るわけだが、ここでブランディングがちゃんとできていない会社だとすぐに後から出てきたものに抜き去られてしまう。感情脳に訴えかけ誘惑する商品やサービスは生き残ることができる。

誰に語りかけるか

繰り返すが、人は恋をするのと同じように、ブランドにも恋をする。ほとんどの場合、選ばれるのはひとつのカテゴリーにつきひとつのブランドだけだ。そしてそのとき、感情脳は自分が選んだブランドとその他のブランドの差は実際以上に大きいと思っている。また、およそ80パーセントの人が十八歳までに好みのソフトドリンクブランンドを決めてしまう。この傾向は他のカテゴリーでも同様だ。

僕は洋服のブランドにしろソフトドリンクにしろ浮気性だ。十代二十代で好んで買っていたブランドはすでに一軍から落ちてしまっている。そう考えると僕は20%の少数派に入る。買う雑誌も年齢とともに変わっているし(最近ではdマガジンなどのサブスクリプションのおかげで懐かしの雑誌を読むこともあるが)それ以外もそう。最近テレビで、購入する雑誌は昔買っていたものを惰性や習慣で継続して買い続ける傾向が強いなどというデータがあることを指摘していたが。僕には当てはまらない。

非ユーザーに語りかけよう

例として、1990年代後半のグッチを挙げておこう。このブランドは1960年代に大きな成功を収めて、ヨーロッパ中の女性が身につけたがっていた。エレガンスとモダニティの象徴だった。ところが彼らは忠実な顧客、つまりすでにブランドに恋している人々にのみ頑なに意識を向けていた。1990年の初めには、顧客の平均年齢は六十歳に達した。そして顧客とともに、グッチそのものもマーケットから消え去ろうとしていた。ところが、トム・フォードがデザインの責任者になり、ドメニコ・デソーレが実務を担当すると風向きが変わった。フォードはイメージとデザインを大幅に変更し、モデルにはケイト・モスを起用した。

20代30代の支持を集めることに成功したグッチは破産寸前から自己資本40億ドルにまでV字回復。意識的な戦略変更とデザインの刷新、大胆マーケット戦術の成果だ。

自分の会社でブランドのマーケティングを担当している人はもちろん、SNSが隆盛を誇る今、それ以外の人にも活用できそうなブランディングが学べる書籍となっております。著者が語る経験に裏付けられたモノの売り方は必見。

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