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みんなにお金を配ったら|アニー・ローリー

   

「想像してみてほしい。銀行口座への入金で、毎月お金が届けられる。それで生活は維持できるが、あくまでぎりぎりという金額だ…[この]シンプルで、ラディカルで、エレガントな提案には名前がある。ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)だ。…ここ数年ほどは、[この提案は]驚くほどの存在感をもち始め、一部ではほぼ現実の話として語られるようになった…わたしはUBIについて知れば知るほど、夢中になる気持ちを抑えられなくなった。UBIは現代の経済と政治について実に興味深い問いを投げかけるからだ。

賃金支払いの条件は‥‥

想像してみてほしい。あなたの家の郵便受けに配達される小切手という形で、もしくは銀行口座への入金という形で、毎月お金が届けられる。それで生活は維持できるが、あくまでぎりぎりという金額だ。シェアハウスなら家賃を払い、食費とバス代くらいはまかなえるかもしれない。刑務所から出所したばかりだとか、DVをはたらくパートナーから逃げなければならなかったとか、どうしても仕事が見つからないとか、そうした状態にあるとしたら、このお金で極貧状態には陥らずに済むだろう。何不自由なく暮らせるというほどではない。だが、使い道は自由だ。条件や制約はついていない。光熱費などの支払いに充ててもいいし、学費にしてもいい。家を買う頭金として貯めてもいい。煙草や酒に使ってしまってもかまわないし、なんなら、実家であてがわれた地下室で一日中アプリゲームやネットにふける暮らしに使ってもかまわない。仕事を辞めて芸術家になる、慈善活動に専念する、病児のケアにかかりきりになるといった使い道を選んでも問題ない。しかも、そのお金をもらうために何かをする必要は一切ない。ただ、毎月必ず、生きている限り受け取り続ける。年齢制限もない。子持ちかどうかは関係ない。住宅所有の有無も、犯罪歴の有無も関係ない。あなたはそのお金を 受け取る。近所に住む人たちもみな同じようにお金を受け取る。シンプルで、ラディカルで、そしてエレガントなこの提案には、名前がある。ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI) だ。ユニバーサル(普遍的、全員一律) と呼ぶのは、コミュニティまたは国家の住民全員が皆同じように受け取ることを指している。ベーシック(基礎的) と呼ぶのは、最低限の生活が実現する金額であることを指している。そしてこのお金はインカム(所得) という位置づけであることを指している。

生活保護などと違いベーシックインカムは皆に平等に配られるものなので、もらっているからといって後ろめたい気分をしなくて済むので僕は賛成。ミニマリストなんかだったら、働かなくてもその配られるわずかなお金で生活して行けるだろう。使い方は自由というと、ギャンブルなどにつぎ込んでしまう人が現れるかもしれないが、それも良しとするのだ。

トラックが無人で走る世界

サンフランシスコのベイエリア、主にシリコンバレーと呼ばれる一帯は、近年ではUBIのメッカとなっている。この地で発展してきたテクノロジー産業の大物たち、たとえばイーロン・マスクやビル・ゲイツらが、UBIを「 21 世紀のソーシャルワクチン」「 21 世紀の経済的権利」「人々のためのベンチャーキャピタル」などと呼び、この方針への関心を表明しているからだ。関心は具体的な活動へつながっている。「ベーシックインカム・クリエイト・ア・ソン」というイベントもその一例だ。プログラマーが集まってソフトウェア開発に取り組むイベント「ハッカソン」の要領で、テクノロジー分野の専門家が集合してUBIについて、そして貧困をハックする方法について議論する。また、仮想通貨を推進する層は、ビットコインを使ったベーシックインカム運用の可能性を検討している。それから、IT系の起業で成功した若き富豪たちの資金提供を受けて、世界で最も貧しい国ケニアでベーシックインカムのパイロットプログラムも実施されている。スタートアップ を養成・支援する企業「Yコンビネータ」も研究プロジェクトの一環として、いくつかの州で、条件や制限のない現金給付の実験を始めた。フェイスブック共同創設者のクリス・ヒューズは、UBIおよび関連政策の実現性を探る活動に1000万ドルを投資している。ヒューズはその活動を「エコノミック・セキュリティ・プロジェクト」と呼ぶ。わたしが取材した際、彼は「今この瞬間にもUBIコミュニティは進化している」と語った。「かつては、ごく少数の人間が「これをやろう!」と言う程度だったが、今では、大勢が「もしかしたらこれはいいんじゃないか」と口に出すレベルになってきた」

過去にもベーシックインカムが議論されたことはあるが、AIで仕事が奪われる未来(例えば自動運転のトラックやタクシー)では、その意義が再度注目されているわけだ。過去の議論と比べても現在はそれを上回る熱を帯びているのだ。

みんなにお金を配るベーシックインカム。これが実現したらどのような世界になるのか、実際に実験的に導入した事例なども踏まえベーシックインカムのこれからを考える。その上で大事なことは何かがわかる書籍。

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