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「UXの時代 IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか」共有型経済のビジネスモデルとは?

あらゆるものがインターネットで繋がる「IoT(Internet of Things)」や、「AI(人工知能)」が自分で学び人知を越すシンギュラリティなど、テクノロジーの進化により人類が経験したことのない現象が起きようとしている。高機能・高付加価値の商品が生まれては低価格化が進む。そんな中、消費とは全く違う「シェアリング」というスタイルが生まれ急速に広がりを見せている。これからは、UX(ユーザーエクスペリエンス)ビジネスを創造する企業だけが生き残る。モノ・空間・仕事・輸送の4大リソースを解放する共有型経済のビジネスモデルを考える書籍。

製品やサービスがタダ同然で手に入る時代

シェアリングエコノミーと並んでもうひとつ、経済のあり方を大きく変える可能性を秘めているのはフリー・エコノミーだ。プロモーションのために製品を無料で配るといったビジネスの手法はかなり前から存在する。ソフトウェア・ベンダーが自社の主力商品を売るために、付属的なソフトを無料でユーザーに配る、あるいは広告収入などで運営されるサイトが情報を無料で配信するといったIT業界のフリー・サービスはすでに常態化している。、ニュースなどの情報が無料で配信されるようになって、海外では新聞社・通信社が次々と経営危機に追い込まれた。

現在注目されているのは太陽光発電。生み出される電気は、普及によりシステムのコストが劇的に下がり、IoTなどのテクノロジーによって、社会で効率的に融通しあう仕組みが構築されようとしている。こういった仕組みの普及と発電コストの低下を突き詰めていくと、完全にタダとはいかないまでも、値段が気にならない程度まで安価な電気が供給される社会が実現するかもしれない。

起こりうる存亡の危機

ネット通販が書店や家電量販店などの小売業に与えた打撃を見れば、新しいビジネスがいかに従来の常識を超えたスピードで成長し、既存の業界を飲み込んでいくかがわかる。ウーバーの急速な普及が、あっという間にハイヤー・タクシー業界を飲み込んでしまう可能性は高いと言える。実際、ウーバーの出現によってサンフランシスコ最大のタクシー会社、イエローキャブが破産に追い込まれた。

スマホのアプリで乗りたい場所から一番近くにいる車両を呼ぶことができ、運転手のサービスをレーティングするシステムなので、態度の悪い運転手は自然淘汰される。さらにはカーシェアリングの普及は車の売れ行きを鈍化させる。郊外から都心のオフィス近くの物件に引っ越すのがトレンドとなり休日も車を使う必要がない。そうするとますます車離れが進むだろう。これからの車を所有する価値は、乗るための便利さやドライブの喜びから、次第にスポーツやビンテージカーのように、それ自体に特別な価値がある車を所有し、磨いてピカピカにしていつも眺めていたい、といった欲求を満たすものへとシフトしていくだろう。

アマゾンの成功

90年代からこれまでに生まれた多くの「ネット通販」「eコマース」企業の中で、アマゾンが突出して大きな成功をおさめることができたのは、優秀なエンジニアを集め、ICT(情報・通信に関する技術)を駆使してユーザーに新しい便利さを提供し続けてきたから、言い換えればUXを最大化してきたからだ。たとえば、翌日配達から即日配達、1時間配達など、配達の高速化や、今注文した商品がどこにあるかまでわかる仕組み、電子書籍とその端末「キンドル」の開発など、アマゾンは常にユーザーが驚きや喜びを感じるレベルで新しいUXを開発・提供し続けている。

僕の家の近くにもアマゾンの拠点が新たにできて買える商品の種類は限られているが、Prime会員なら1時間で商品が届く。Prime会員というのはなかなかのシステムで年会費3,900円で即日配達と送料無料(一部出品者からの購入は送料がかかります)がついてきて、食品・日用品が安いAmazonパントリー(地味だけど使える)やビデオや音楽が視聴し放題となる。これで他のネット通販(楽天やYahoo!ショッピング)はほとんど用なし。ユーザーを囲い込むのが上手いのがアマゾンの特徴。あとサイトの使い勝手も他と比べて使いやすい。

高くても売れるiPhone

アイフォーンはPC並みに高価格だが、世界の市場で高いシェアを維持しているのは、ユーザーが納得できるだけの価値を提供しているからだ。日本製より低価格な新興国製品が多いアジア市場でも、アイフォーンは価格競争とは別次元で支持されている。

誰でも便利なアプリのお世話になったことがあるだろう。こうしたアプリの開発にオープンなプラットフォームを用意したのも成功の秘密だろう。開発したアプリはアップルの審査を受け、これにパスすればApp Storeで販売が開始される。

デジタル系ビジネスは短期間に巨大化し独占を生みやすいが、その後そのビジネスモデルに追従する企業も現れやすくその独占もすぐに崩壊する。新しいUXを創造し、正しい方法で提供すればビジネスは成功する。これからは、UX(ユーザーエクスペリエンス)ビジネスを創造する企業だけが生き残る。それが新たな市場原理となっていく。

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