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「資本主義の終焉と歴史の危機」で成長戦略の怪しさを学ぶ

      2016/11/14

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資本主義は中心と周辺=フロンティアからなり、フロンティアを広げることで中心が利潤率を高めていくシステムで、現在、資本主義は死期が近づいているという見解を元に構成されている。

資本主義の延命策

利潤を得て資本を自己増殖させるのが資本主義の基本なので、金利が極端に低いということは、もはや資本主義は機能していないという兆候だという。では、こうした兆候はいつ頃から始まったのか。著者は1970年代半ばから先進国では利潤率=利子率の下落が始まったとしている。フロンティアがなくなり、ものづくりやサービスなど実物経済で利潤を生み出すことができなくなってきたので、「電子・金融空間」をつくりレバレッジを高めることによる利潤の最大化を目指すようになった。

バブルの生成過程で富が上位一%の人に集中し、バブル崩壊の過程で国家が公的資金を注入し、巨大金融機関が救済される一方で、負担はバブル崩壊でリストラにあうなどのかたちで中間層に向けられ、彼らが貧困層に転落することになります。

こうしたことからさらに二極化が進み、格差社会となっていく。アメリカでは貧困層に学費を補助してプログラミングを学ばせたりして就学の援助をする一方、こういった中間層には何の援助もなく、貧困層に転落していくのである。

途上国が成長し、新興国に転じれば、新たな「周辺」を作る必要があります。それが、アメリカで言えば、サブプライム層であり、日本で言えば、非正規社員であり、EUで言えば、ギリシャやキプロスなのです。

これは強者の姿勢だと思う。自分(富裕層)に隷属してくれる相手を探し搾取することで、利益を上げ、自分たちには有利な税制を敷いたりする。日本は累進課税だがそれでも上位1%の優位さは保たれているし、最近では相続税の改正などもありたいした持ち家でなくても(これはまさしく中間層からの搾取だ)、大変高い相続税を支払わなくてはならなくなっている。中間層が没落した先進国では消費ブームが戻ってくるはずもない。というがそのとうりだと思う。

構造改革や積極財政では近代の危機は乗り越えられない

量的緩和は資産価格を上昇させバブルをもたらすだけで、公共投資は過剰設備を維持するための固定資本の擦り減りを膨らます。このどちらも雇用者の賃金を犠牲にするもので、バブルが崩壊すれば急激な賃金引き下げや大量失業を招く。

最後に地球上にもはやフロンティアはなく無理やりそれを求めれば、中間層を没落させ、民主主義の土壌を腐敗させる原因にしかならない資本主義は、終末期に入ってもらうべき。として締めくくっている。

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