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「啓発録」を読んで志高く持つことの大切さを感じる

      2016/11/14

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いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ。『啓発録』とは幕末の1834年に生まれ、25歳にして「安政の大獄」により幕府に処刑された橋本左内の代表作。15歳の時自らの大志を忘れぬように残し、それを若い武士たちに向けて発信したもので、たった数十ページの短い書物だが、現代人が忘れてしまっている大切なものがここにある。

大志を掲げることで人は自然に成長していく

「我こそは、武芸の腕を鍛え抜き、学問を究め、過去の聖人君子や英雄豪傑のようになって我が君主のために働き、天下国家の役に立って武家の名をも高めよう。

酔ったように生き、夢のように死ぬ者にだけはならないぞ!」

このような志を私たちはどのように立てたらよいのか。まず書物に影響を受け、そこから閃くということがある。それから師の講義や友の意見を聞き、自分も啓発されることがある。志がない者は、魂のない虫のような者だが、一度志を立ててしまえば、そこから私たちは日夜ずっと、成長し続けることができるのだ。世の中の多くの人は大した成果もなく、その一生を終える。それは全て、太く逞しい志を持っていないからなのだ。

実践を伴った「本物の勉強」をする

その人物に負けず劣らずの忠義孝行ができるよう、真剣にその優れた行動を模倣してみよう!・・・・実はそれこそが「学」の第一義だ。

最近では、読み書きの間違いを正し、詩文を書いたり読書したりすることが「学問」と認識されているようだが、それはちゃんちゃらおかしなことだ。詩文や読書というのは、学問においては「道具」に当たるものなのだろう。あるいは刀の鞘や、二階に上る梯子のようなものだ。

だから詩文や読書を学問のすべてと思っている人間は、柄や鞘を刀と心得たり、梯子を二階だと考えていることになる。

よく読書をし己の才知を明晰にし、精神力を鍛え、自らを強くしていくことが必要だ。勉強というのは継続していかなければ結果は出ない。長い時間を積み重ね、何度も試行錯誤を重ねることで、やっと成功への道が見えてくる。

馴れ合いにならない、本当の「友」を選ぶ

残念ながらこの世の中には、愚俗なものが多いと左内は嘆く。だからどんな学問も、なかなか有益で実益のあるものになっていない。せっかく学んでも驕慢な心が起こったり、浮かれ調子になったり、あるいは「名を揚げたい」「富を得たい」という欲望に駆られたり、自分を才気煥発だと勘違いしてしまったりする。こういったことを自分自身で抑えられればいいが、そうでないなら道から逸れた時、指摘してくれる友がいればそれ以上心強いものはないという。赤の他人では諌めてくれることはないだろう。

一緒に飲んで、食べて、大騒ぎしたり。山や川へ遊びに行って、魚を釣ったり・・・・。そんな馴れ合いは楽しいけれどもそればかりでは、本当の友ではない。大変だから助けてくれと願っても、遊んでいるだけの友だちはあなたの危機に駆けつけてはくれない。ではどのような見分け方をすれば良いか?

  • その人が正直で剛直であること。
  • 誠実で、温かい心の持ち主であること。
  • 豪壮で、英知を持った人物であること。
  • 行動が早く、決断力を持ってること。
  • 小さなことにこだわらず、寛大な心を持っていること。

これらを満たす人はどうしても「気軽に付き合える人」ではなくなってしまうのだが、遊ぶだけの人とは別にこういった人を探すのもいいかもしれない。

この他にも『啓発録』の原文や「学制に関する意見文書」「為政大要」なども収録されています。『啓発録』を全文読みやすくした現代語訳部分だけでも価値ある書籍だが興味のある方は原文やその他の部分も読んでみるといいだろう。

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