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Xデイ到来 資産はこう守れ!|藤巻 健史|この先、日本経済はどのように崩壊していくのか?

インフレになってもなお金利を上げられない日銀のせいもあって、これから日本ではさらなる円安や物価上昇が起こるかも?かねてから日本経済の大混乱を予測、警告しXデーは近いとしてきた著者。それでは個人ではどのように備えるべきか?知っておくべき知識、情報が詰まった書籍。

円安はどこまで進むのか

2022年4月 29 日朝日新聞経済欄に私の為替見通しを載せていただきました。「日銀の債務超過危惧 1ドル500円、国債投げ売りも 藤巻健史さんが語る『悲観論』」というタイトルでした。

現状とかけ離れた予想をするたびに、私のSNSに「あまり非現実的なことは言わないほうがいい。1ドル=500円なんて5年以内に実現する可能性はゼロ」というような投稿が舞い込んできます。私は次のような返信をしています。「皆さんが、そう思いたい気持ちはよくわかります。しかし残念ながら希望と現実はきちんと区別して考えねばなりません。黒田日銀総裁が、昔の日銀総裁が聞いたら腰を抜かすような過激なことをやってきてしまったのですから、私の結論が過激になるのは致し方がないのです。こうなっては自身で自分を防衛するしかありません」

2013年に黒田日銀は異次元緩和(=財政ファイナンス)を開始することによって、財政破綻を先送りすることにしました。日本は不足する歳入の代わりに、紙幣を刷って賄うことにしたのです。

MMT論者の主張のように、円は日本の自国通貨ですから、確かにいくらでも刷れます。しかし、信用ある紙幣をいつまでも刷れるとは限らないのです。「いくらでも紙幣を刷れること」は「いつまでも信用ある紙幣を刷れること」とは違うのです。日銀は世界の中央銀行の中でも、断トツの数の紙幣を刷りまくりました。円の価値が世界で一番、下落してもおかしくないのです。

不足する歳入の代わりに紙幣を刷ってきた日銀。異次元緩和の行き着く先を悲観的な目で見るとこのような答えが。実際に起こりうる最悪のシナリオでそれが起こらないと楽観視したくなる人々に警鐘を鳴らす。

保有国債の評価損が発生する日は近い

次の表を見ていただくとわかるのですが、2021年度上半期の保有長期国債の平均利回りは0・226%です。保有国債の平均年数は7年前後と聞きますから、 10 年国債ですと0・25%前後と思われます。

年を追うごとに平均利回りは低下(=購入簿価は上昇)していっているのです。

これが、日銀が2022年3月下旬から必死になって新発 10 年国債の0・25%での指値オペを継続している理由なのは明らかです。これ以上、金利が上昇すると、評価損が発生してしまうからです。

3月末は、連続の指値オペで評価損は避けられたと思いますが、決算報告が出る前に、3月末よりも長期金利が上昇していると、評価損発生が明確になります。したがって0・25%での指値オペを日銀は断固として行ったのです。

私が参議院議員のときに、金利が全期間で均等に上昇したら日銀の保有国債にどのくらい評価損が出るかを日銀に聞いたことがあります。2017年3月末で国債の評価益は9・6兆円あったのですが、そこから1%の上昇で 24・6兆円、2%上昇で 44・6兆円、5%上昇で 88・3兆円、 11%上昇で140兆円減少するとの答えでした。1%の上昇で9・6兆円− 24・6兆円= 15・0兆円の評価損の発生です。1年間の国の税収約 60 兆円と比べるといかに大きいかがわかります。1997年に417・7兆円だった保有国債が526兆円に増え、保有利回りは低下しているのですから、評価損はもっと大きくなるはずです。

国債の評価損の発生→投げ売りが投げ売りを呼ぶという最悪のシナリオ。正直それも仕方ないのかなと思ったりもする。国債が安全と言っても所詮は投資、リスクはあります。それを知った上での国債購入であるべき。無理に評価損を避けるようなオペレーションを行い続けるとしわ寄せはより大きなマイナスを産みかねないと思うのは僕が素人だからか。

物価上昇が止まらない昨今。円安による弊害で疲弊する日本。「日銀の債務超過危惧 1ドル500円、国債投げ売りも 藤巻健史さんが語る『悲観論』」という記事は悲観論と退けるにはリアルすぎる。

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