「なぜ人間にストレスがあるのか?」という根本から紐解きつつ、日常生活との関わり合いをみていきます。単にストレス軽減だけでなく、ストレスの力をうまく利用して成長を促したりすれば、幸せを見出しやすくなるはず。ストレスとは近寄り難いが話してみると案外いいやつみたいな存在なのです。
ストレスは「武器」になる
私たちの体内で、私たちのために働こうとするストレスをなくすことはできません。ストレス反応は、生物、人類にとっての自然摂理の一部だからです。
しかし、目に見えないストレスに私たちは不安を覚え、煙たがります。それも生物として自然の反応でしょう。私たちは太古の昔から、よくわからないものには警戒していくことで生存確率を高めてきたからです。
とはいえ、科学技術の発展に伴い、このストレスは必ずしも目に見えないものではなくなりました。 神経科学という自然科学が、このストレスのしくみを細胞や分子のレベルにまで目を向け、ひも解いています。
本書では、そもそもなぜ生物、人類にストレスという反応が備わり、そしてどんな意義や役割があるのかということを、なるべくわかりやすく神経科学や心理学などの知見からひも解きつつ、日常生活との橋渡しをしていきたいと思います。
ストレスというものを、科学的な観点から知ることで、「あっ、ストレスさんも、私たちのために頑張ってくれているんだな」と、少し親近感をもっていただき、「ストレスさんとうまくつき合ってみようかな」と前向きになっていただけたらと思い、本書を書き上げました。
こうしていくことで、単にストレスが減り、気持ちが楽になるというだけではなく、ストレスの力を借りて私たちの成長を促すことも、幸せを見出すこともできるはずです。
ストレスは、ちょっと柄の悪い地元の〝あんちゃん〟のように、近寄り難いけれども、でも少し話してみると案外いいやつ、そんな感じの存在です。確かに、 深く心通わすまでは少し時間がかかるけれど、それでもストレスと心を通わし、自分の最高のバディにすることができたなら、とっても頼もしい心強い存在となるのです。
ストレスというとネガティブな側面がクローズアップされがち。ストレスによるメリットは意外と知られていないのでさまざまな側面からストレスの理解を深めていけるのがこの本の本領。
心から抱きしめる──オキシトシンの効果
ストレス反応を示すと、オキシトシンが放出されるという反応は、人間が社会的な動物と呼ばれるいい例といえるでしょう。つまり、社会的な結びつきを形成するために不可欠な化学物質なのです。
このオキシトシンの分泌を、ダークストレスを感じたときにうまく活用できるようになると、ダークストレスの緩和に役立ちます。
何かつらいことがあったとき、ただ誰かに抱きしめられることで癒やされた経験はないでしょうか? 愛ある抱擁は、オキシトシンの放出を促進し、心を和らげてくれるのです。ときに、訳など聞かず、解決策を示すでもなく、ただただ包み込むような温かい抱擁が、どんな言葉や問題解決策よりも効果的になることもあるのです。
抱きしめることは、抱きしめられている人にだけ作用するのではありません。抱きしめている人も、オキシトシンが放出されますから、まさに自分のためにもなっているのです。
親が子の世話を献身的に行うことができるのも、このオキシトシンの効果が非常に大きいでしょう。愛する存在が目の前にいれば、それだけでオキシトシンが出ます。子育てはつねに予測不能なことが起こる。うまくいかないことばかり。当然、自然と脳や身体はストレス反応を示します。しかし、それでも苦にならないように感じられるのは、まさにオキシトシンの放出によるところでしょう。
子育ては大変です。ストレス反応が勝ってしまうこともあると思います。けれど、そんなときふと我に返り、心からお子さんを抱きしめてみてください。本当にストレス反応が和らぐはずです。
ポイントは、心から「いま」に集中して、その対象を抱きしめることです。ストレス反応が過剰になっているときはたいてい、過去の嫌なことか、これからの不安、すなわち過去と未来に囚われていることがほとんどです。ですから、そんな自分に気づいたなら、ありがたく抱きしめさせてもらいましょう。そうすることで、自己の内側にあるダークストレスがきっと緩和されるはずです。
外国ではハグの文化があるがこれでもいいのか?一応抱きしめるに近いスキンシップだが習慣でやっている国も多いのはそれなりのストレス緩和の効果が認められるからなのだろう。喜びやなんかを分かち合うのにも有効。お子さんがいる方にはぜひ意識して抱きしめてあげてほしい。男の子だと一定の年齢になると嫌がるかもしれないがそれまでは。自己が受容されている感覚を覚えるので人格形成に役立ちます。
ストレスを武器にする。忌み嫌われがちなストレスを自分のコントロール下に置いていくことで日々の生活や仕事がうまく回り出します。
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