人間の育った環境によって能力を規定する事実を最新科学によって紐解く経済理論。どうすれば生産性が最も高まる環境を自ら作れるかまで掘り下げた書籍。
無意識に「望まないこと」をしてしまう
車の運転など何かを初めて学ぶとき、自分の行動に意識を集中してかなり努力をする必要がある。「アクセルペダルをどれくらいの強さで踏み込むか」といった具合に、ちょっとした行動の一つひとつを考えなければいけない。しかし、何度も繰り返せば、最終的には無意識に行動できるようになる。心理学で「カチッサー効果」 と呼ばれるプロセスだ。
カチッサー効果はストレスなく生きること、そして学習したことを定着させるうえで必要不可欠ではあるが、難点もある。 ほとんどの人は、自分が達成したい目標とは相反するような環境に自分の行動を託してしまっている のだ。新年の誓いや目標設定がほとんどうまくいかないのはそのためだ。ある人が禁煙したいと思っても、たばこを吸いたくなるようなトリガーを、その人がいる環境が無作為かつ突然に引いてしまう。意志力を無駄に使って消耗し、その人は結局、負け犬のような気分になってしまう。
しかし、目標に向かって「強化された環境」(あなたが高いレベルでパフォーマンスせざるを得なくなる場所。後に9章で詳述)の力を借りて行動すると、望ましい行動が自動的かつ無意識に取れるようになる。カチッサー効果が有利に働くのだ。
いったんこういった状態になると、脳の作業メモリ(ワーキングメモリ)に空きができるので、そこで深く考えを巡らせることができれば、何か他のものに挑戦するべく新たな計画を(実現可能性を落とすことなく)立てることもできるようになる。
何も考えずにほぼフルオート的に物事をこなせるようになるまで熟練するにはなかなか時間がかかるが、そうなるよう習慣付けるには時間さえあれば成し遂げられる。一旦習慣化して仕舞えば頭を使わず手が動くようになりより毎日の行動を起こしやすい。カチッサー効果、懐かしい某書籍で初めて出会った言葉(笑)
朝を「ルーティン」で固める
「朝のルーティン」 を行う一番の目的は、朝に自分を至高状態に持っていくことだ。そうすれば、その日1日をその状態で進めることができる。何かに依存して、受身で、無意識な状態で朝を過ごすより、儀式的な方法で積極的に自分を至高状態に持っていくほうがずっと良い。
朝の儀式、すなわちルーティンは絶対に必要だ。 なぜだろうか?
それは、「〝いつもの行動を取ってしまう自分〟を超越した状態」をトリガーする必要があるからだ。今とは違う人生を生きたいなら、今とは違う自分にならなくてはいけない。
朝の儀式は、至高状態をトリガーするためのものだ。その状態は、自分は何者になりたいのか、どんな行動を取りたいのかを思い出させてくれる。そしてその日はそれ以降ずっと、その状態で、なりたい自分として行動できる。
人生の軌道を変える環境として最適なのは、次の2つだ。
・強力で儀式的な朝のルーティンを終えた「朝」
・いつも自分がいる環境とはまったく異なる、学び、成長、つながり、休息、リカバリーにもっとも合うように作られた環境( 11 章等参照)
今よりもっと高いレベルで生きようと決意するとき、それを実行するには自然とたくさんの抵抗がある。自分の周りの環境は、「今の生き方」に合わせて作ってきたからだ。
メンタルモデルも、今の人生に合っている。そうでなければ、あなたの人生は違うものになっていたはずだ。
そのため、違う生き方をしようと固く決意したなら、その決意に至った経験を再現し続ける必要がある。その経験、そしてそれに伴う考え方が、これからのあなたの「新しい標準」になるように、だ。
朝は脳の働きが良いことはよく知られているが、なかなか朝にこなすルーティンを実行できない人は多いだろう。僕は比較的朝は弱めなので最初は曜日を決めてその曜日だけは早起きするといった方法で朝活を始めました。それからは朝のルーティンが身につき午前中に全てのタスクをこなせるように。朝やるべきことを終わらせることで、午後からはゆっくりできるようになりました。
生産性を高めて仕事やタスクの消化効率を上げたい人に向けた書籍。よくいわれる方法から目から鱗の環境構築まで幅広く紹介。
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