87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし｜多良 美智子｜読書や裁縫、映画鑑賞…ひとりでできる趣味がたくさん

僕は人間関係を構築するのが苦手なので、一人で過ごすのは逆に楽でいい。読書のサブスク『Kindle Unlimited』や動画の『Amazon Prime Video』←めっちゃAmazon経済圏（笑）一人で楽しめるコンテンツが溢れかえっている今。リア友ゼロの僕でもそれなりに楽しく過ごせています。一人で寂しいときは配信アプリで見つけた面白い子と時間を過ごしたり、自分の身の回りにはいない感じの人との交流も簡単にできる世の中。狭義の世界からネットの大海原に出ればいくらでも自分の居場所が。

生きているうち、お金は使っておこうと思うように

夫も亡くなり、ひとりの暮らしです。お金は節約しなくちゃと思い、年金の中で生活するようにしてきました。貯金には手を出しませんでした。

でも 80 代も半ばを過ぎ、近頃はむしろ「お金を使わなくちゃ」と思うようになりました。あの世にお金を持っていくことはできません。きっちり使って死にたい。生きているうちに、もっと楽しまなければ。残すのは葬式代だけで十分。そんなふうに考えるようになっています。

死んでから「ありがとう」と言われるよりも、生きているうちに子どもや孫たちを喜ばせたい。生前贈与のつもりで、孫にクリスマスや入学祝いでまとまったお金を渡したりしています。

今、２週間に１回くらい週末に、次男とわが家に来てくれています。車で買い物に連れて行ってくれるので、ひとりでは持てない重いものが買えて助かっています。

次男の家からここまで車で１時間半ほどかかるし、週末の貴重な時間を使ってもらっているので、ガソリン代と手間賃として毎回２万円渡しています。この方が、私にとっても気が楽なのです。

孫にはＹｏｕＴｕｂｅ動画を作ってくれているお礼に、時々２、３０００円ほど渡します。

次男親子が家に来たときの食事は、いつもより良い食材を買いにデパートに行きます。自分だけの食事は近所のスーパーの安いものですが、このときだけは贅沢に。

彼らが家にいる間、昼食など１回は外食もします。ひとりで外食することはないので、私にとっても貴重な機会です。

こういう出費があると年金だけでは足りずに、貯金を崩すことにはなりますが、自分も一緒に楽しみたいし、納得してお金を使っています。