Book

逆説の日本史|井沢元彦|1 古代黎明編/封印された「倭」の謎 タブーに近い空白の古代史の謎を推理

宮内庁が天皇陵の学術調査を拒み続けるのはなぜか?タブーに近い空白の古代史の謎を推理しながら解明。歴史の教科書を覆す日本史の常識、日本人の「わ」の精神のルーツとは?

「 倭」という国号にまつわる四種の説

日本、この国はその歴史の初めには「倭」と呼ばれていた。それが 大和 になり日本になった。

日本史、それは日本の国の歴史のことである。何をあたり前のことを、と言われるかもしれないが、最も古い時代の、この国の歴史を「日本」史と呼んでいいのか疑問はある。

というのは、当時は「日本」ではなく「倭」であり、その「倭」がすんなりと日本になったのかと言えば、そこにも疑問があるからだ。

そこで、まず「倭」から始めたい。

つまり、なぜ、この国はかつて「倭」と呼ばれたのか、その国号の意味は何か、ということである。

国号については、いろいろな種類がある。  まず、地名。これが最も古いタイプの国号だろう。たとえばアメリカ、あるいはロシアなど、地名がそのまま国号になったものである。

次に「理念」を表わす国号がある。たとえば、もうなくなってしまったがソビエト社会主義共和国連邦というのがそうだし、中国というのもそうだ。ソビエトという名はマルキシズムに基づき、中華人民共和国という名は中華思想に基づいている。アメリカも、「アメリカ」自体は地名だが、そこに合衆国という「理念」がくっついて、U・S・A(ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)となるならば、それは理念に基づく国号になる。

国号を理念に基づくものとするなら「倭」という国号にはどんな理念が織り込まれているのだろう。そんな疑問を解決すべく4種の説を具に見ていきます。日本史の原点ともいうべき「倭」の生い立ちを調べていくと「邪馬台国」というもう一つのワードも気になりますよね。

「邪馬台国」に対するもうひとつのアプローチ

この章を書く直前に、松本清張氏の訃報に接した。

推理作家として、あるいは歴史研究家として、優れた先達の死に、深い哀悼の意をささげたいと思う。

さて、これまでに、日本の怨霊信仰はオオクニヌシまでさかのぼる、ということを立証した。

私はオオクニヌシは実在したと思う。

少なくとも、その有力なモデルとなった人物はいたはずだ。

それは大和朝廷に抵抗した先住民族の王であり、大和朝廷はこれを滅ぼしたために、この人物の怨霊を、あるいはもっと正確に言えば祭祀を絶やすことによって怨霊化することを恐れた。

それゆえ、天皇の宮殿「御所」よりも国教の神殿「東大寺」よりも、「大きな」建物にオオクニヌシを丁重に 祀り込めた のだと思う。

しかし、こう反論する人もいるだろう。

オオクニヌシの話が載っている『古事記』『日本書紀』いわゆる「記紀」は、八世紀に成立したものだ。だから八世紀の大和朝廷によるデッチ上げであり、オオクニヌシの実在性はあやしい、という反論だ。

その考え方にも一理はある。

私は、これまでも述べた通り、これらの歴史書を「正史」と呼ぶのは反対である。この「正史」という言葉は「正しい歴史」という意味ではない。しかし、そう誤解している人が大勢いるのも事実である。これはむしろ「大本営発表」である。

しかし、「根も葉もない真っ赤なウソ」とは思わない。

自己の体制に都合よく事実を曲げたとしても、その核になる事実はあったはずだ。

その「脚色」の部分を引きはがしていけば、必ず真実を突き止められる。

オオクニヌシについて言えば、もしこれがデッチ上げだとして、そんなことをして大和朝廷側に、どんな利益があるというのか。「記紀」に言う、オオクニヌシとのとの「国譲り交渉」──これが、もし本当はなかったとしたら、なぜ、大和朝廷の建物や神殿よりも「大きな」出雲大社を認める必要があるのか?

言うまでもなく、国内に王者の宮殿や国教の神殿よりも「大きな」神殿があるということは、本来許されるべきことではない。そんなものが、もしもあったら、中国でもエジプトでもメソポタミアでも、ギリシアでもローマでも必ず破却される。

そんなものの存在を認めたら、王や国教の権威が丸つぶれだからだ。

にもかかわらず、日本には出雲大社があり、それは日本一「大きな」建物なのである。

もはや伝承で神とも言える「オオクニヌシ」という人物。日本創世の人物(神)とされその存在はフィクションであるとも言われており謎おおきキーパーソン。実際のところどうなのだろう?興味は尽きない。

封印された「倭」の謎を追いながら、逆説の日本史と題して古代日本の生い立ちを見ていく書籍。馴染み深い神の名前も出てきたりと日本創世の原点には謎が多いこともわかる書籍。

※この書籍はKindle Unlimited読み放題書籍です。月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスが初回30日間無料となっております。PCの方はサイドバーのリンクより、スマホの方は下の方へスクロールしていただければリンクが貼ってありますので興味のある方はどうぞ。なお一部の書籍はキャンペーンなどで無料になっていて現在は有料となっている場合もありますのでその場合はあしからず。

【サブスク】 Kindle Unlimited

Kindle Unlimitedの詳細はこちら

僕が利用している読書コミュニティサイト

【本が好き】https://www.honzuki.jp/

-Book
-, , , , , ,

© 2025 51Blog Powered by AFFINGER5