子供に身につけて欲しい能力やはどうすれば養われるのか?学校や受験のための勉強はもちろん、社会に出てからも役立つ人生を切り開くための能力を培うための勉強法。それを子供に伝えるために親が知っておくべき事柄を総まとめ。
〝時間〟管理は〝自己〟管理
勉強と時間には、非常に密接な関係があります。
学校には時間割がありますが、何時何分から何時何分というような細かい時間意識を日本人が身につけたのは、明治時代に学校制度が導入されてからのことです。
学校が時間割で動くことになったのを受けて、家庭のほうがむしろ「何時何分から学校が始まるから、何時には子どもを起こして学校に行かせなければいけない」という意識が芽生えました。
勉強する大きな目的のひとつに、この時間管理能力を身につけることがある、と言っても過言ではありません。
何時になればやるとか、何時までに何々を仕上げるとか、何時から何時はこれをやり、何時から何時はこれをやる……という習慣を学校時代にしっかり身につけると、 社会に出て会社など組織に入ったときにも慣れやすい ということがあります。
これができずに学校を中退してしまった場合などには、たとえ一旦、会社に所属したとしても、その時間管理がきつく感じられてしまい、耐えられなくなってしまうということもよくあります。
学校で時間を縛られるということには、確かに「自由を失くす」ように感じられる面はあるのですが、これを完全に嫌がってしまうと、その後の仕事に影響が出てしまうんですね。
仕事とはある意味、拘束されること、つまり「拘束=仕事」みたいなところがあるのは事実です。私は大学で教える仕事のほかに、テレビの仕事などもしていますが、大学はもちろん時間の拘束がありますし、テレビなども「何時から何時までの拘束時間」という言い方で労働時間を表します。
「拘束時間」という言葉は何だかきつく聞こえますし、事実、拘束されると思えばきついわけですが、それが現代社会の大きなシステムだということです。すべてがそうした時間割で回っているので、仕事をする際にもまずはこの時間割に合わせることが求められます。
そして私たちは、この拘束された時間においては、家でダラダラしているときとは違う集中力を出さなければいけない。
そう考えますと、学生時代から、たとえば自分で時間割を組んで集中すべきときには集中し、休むときには休むというメリハリをつける習慣が身についていると、その後、仕事に就いたときも非常にスムーズに移行できるのです。
東大法学部時代の私の友達というのは、みんなすごく勉強ができたわけですが、それよりも、その人たちの大きな特徴は「ちゃんとしている」ということでした。頭がいいということよりも、とにかくちゃんとしている。
忘れ物をしない、時間を守る、言われたことはきちんと取り組む。それが、かなり目立った特徴でした。そうした、人間的にもとても信頼できる人たちだったのです。
こういう能力や性質は、会社でも求められるものです。きちんと自己管理できるということがひとつのベースになると、それが全方向によい影響を及ぼしていきます。
時間管理ができると物事を進めるときの万能薬として役立ちます。社会に出ても時間に拘束されることが多く、それをうまくこなせる人間ができる人間といった一般的な大人の常識が付き纏います。最近ではリモートワークなどが普及して家で仕事する機会も増え、ますます時間管理が重要視されるように。ダラダラできる環境でいかに自分を律するか?
やるべきことを、きっちりやる
もちろん、自分が好きなこと、得意なことを伸ばして、社会で活躍できる人になることは、とてもいいことです。
しかし、たとえば、好きなことだけをやる人が集まっている企業であるAppleでさえ、スティーブ・ジョブズというカリスマが発想したことを、みんなで形にするということをやっていたわけです。
1万人の従業員がいたとして、その 1万人全員がスティーブ・ジョブズだったら、これは会社として機能しません。ひとりのスティーブ・ジョブズに対して他の9999人がその言うことを聞くわけです。それで成り立っていたんですね。
その人たちが自主的に何かを生み出すことは、もちろん細かくはあるのだけれども、大きな方針については、ジョブズが変えたら、それに従うしかない。ジョブズがこうしろと言ったらこうなる。そうでなければクビと言われるわけです。
そういう社会が実際にある以上、 自主性とか積極性と言っても、それは与えられた範囲の仕事における自主性、積極性ということ なのです。
ですから、 あまり「自分の好きなことをやろう」ということだけを主張していても、実際の社会には適合しない ということになります。
興味や関心を特定のものに対して持つことはいいことですが、その仕事ばかりに就けるとは限らないのです。
学生を見ていても、就職活動が難航する人は少なくありません。マスコミを志望していたけれども、決まった先はメーカーだったという人だって、たくさんいるわけです。
しかし、マスコミは受からなかったわけですから、そうなると、いつまでもそんなことを言っていてもしょうがない。メーカーだったらメーカーでの楽しみを見つけることに活路を見出したほうが建設的なわけです。
マスコミ人と言ったって、実はやっている仕事は地味だったり、華やかに見えるアナウンサーでも会社員としての仕事をしたりしています。そう考えると、仕事というものは、およそ全部同じであるという考え方もできます。
そして、そう考えると、勉強と似ていて、勉強というものもおよそ全部同じ、不得意科目を放り投げていては建設的ではないのです。ちゃんと真正面から向き合ってやっていく姿勢が大切です。
たとえば、営業という仕事がストレスになってしまう人と、ならない人がいます。けれども、新しい仕事を与えられたときに、得意だ苦手だと言っている人というのは、組織ではなかなかうまくいかないのです。「本当の自分を発見する」とか、「仕事で自己実現をする」と言っている人から辞めていきますから。そういうふうに言っている人ほど、社会的には追い込まれていってしまうんですね。
好きなことを仕事にするにはそれなりに突き抜けた能力が必要となるので、なかなか普通に生きてきた人には難しいかと思います。ただ好きなことを仕事にするということはそういうことかと思います。人より優れた何かがないなら組織に属して時間に拘束されて働く方が幸せだったりします。自分の置かれた場所で楽しみや生きがいを見つけて楽しむのも一つの能力かと思います。
どんなステージでも基本となる勉強法を確立していればその時々に応じた能力を獲得できます。社会に出て役立つ勉強法を学ぶことは早いうちからの方が良い。なのでお子さんを持つ親御さんに読んで欲しい一冊です。
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