人間の脳と人工知能をつなげて人間の能力を拡張できるのかという夢のある世界を!計り知れない可能性を持った脳と物理的な身体二つの研究分野の最先端で起こりつつある人類の限界に対する挑戦を見よ!
脳とAIの融合の「過去」
ここまで、「脳と脳とをコンピューターでつなぐ」という研究や、「脳にコンピューターを埋め込む」という研究を紹介してきました。過去の脳研究として最後に紹介するのは、「脳とコンピューターをつなぐ」 という研究です。このような研究は「脳と機械をつなぐ」という意味で「BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)」 と呼ばれたり、「脳とコンピューターをつなぐ」という意味で「BCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)」 と呼ばれたりします。BMIを用いた研究で代表的なのは、「念じるだけでロボットをあやつる」というものです。なんだか、SFのように聞こえますね。 実は、BMIの研究は 50 年以上も前から行われています。そして近年では、BMI研究は、交通事故などで手足を損傷して動かせなくなったものの脳は無事な人たちのために、車椅子やロボットアームを脳活動だけで動かせるようにしよう、という目的で行われることが増えてきています。では、どうすればそんな魔法のようなことができるようになるのでしょうか?
たとえば、「サッカーをしているところ」を想像してみてください。このとき、みなさんの脳は何かしらの活動をしています。次は、「映画を見ているところ」を想像してみてください。このとき、みなさんの脳はサッカーを想像しているときとは違う活動をしています。これと同じように、「右手でコップをつかんでいることを想像しているとき」と「左手を机の上に置いていることを想像しているとき」の脳活動も異なります。
BMIでは、「異なることを想像しているときには、異なる脳活動が生じている」という事実を利用しています。すなわち、「右手でコップをつかんでいることを想像しているとき」にはロボットの右腕がコップをつかむように事前にプログラムし、「左手を机の上に置いていることを想像しているとき」にはロボットの左腕を机の上に置くように決めておくのです。このようにして、体が動かなくなってしまった患者さんでも脳活動だけでロボットをあやつることができるようになります。
50年以上前に始まったBMIの研究は、まずマウスやラットから始まり、徐々にサルへと進んでいきました。その後、安全性に十分に配慮しながら着実に研究は進んでおり、2012年の時点では人間の患者さんにおいて、念じるだけでロボットアームを動かし、ペットボトルの水を飲むことに成功しています。遠からず、手足が動かなくなった患者さんが念じるだけで車椅子やロボットを操作することが当たり前になる日が来るかもしれません。
脳とロボットを繋いで念じるだけでロボットアームを動かすことには成功しているがその先はまだ未知数。AIの弱点は手足がないことそこで人間の体との融合が研究分野として注目されているのだが、それと同時に人間の手足と一緒の動きができるロボットの研究もされているがいまいち実用レベルにはない。
脳と人工知能研究の進歩で科学はどう変わるのか
脳が人工知能とともに進歩できれば、人間が持つ「脳の限界」自体がどんどんとアップデートされていくかもしれません。 脳の限界がアップデートされた人類は、1000個の変数が含まれる方程式をシンプルだと感じ、100万次元の空間を容易に想像できるようになるかもしれません。そうなれば、科学は加速度的に発展するでしょう。そして、そうやって進歩したサイエンスやテクノロジーと再び共進化することによって、脳はますますアップデートされていきます。
人間の脳の構造そのものは、この先1000年、2000年経っても物理的にはほとんど変わらないでしょう。しかし、機能的にはまだまだ進化しうるポテンシャルが残されていると思うのです。
脳という、私たち誰もが持っていながらどこか神秘的なこの存在について、多くの研究者が必死に研究を積み重ねてきました。それでも、脳が持つ潜在能力の限界はまだまだ見えません。脳の研究を通じて、「脳の限界はどこにあるのか」「新たなテクノロジーによりその限界をどこまで拡張できるのか」を問い続けていくこと。それが私たちの使命であると同時に、心からワクワクするライフワークでもあるのです。
こうやってみると人間の脳がいかに高度な仕組みを採用しているかがわかる。新たなテクノロジーでAIと人間がどこまで融合できるのか?体にチップなどを埋め込みクレジットカードなど個人情報を紐づけたりするのは既に一部で使われていたりするがまだ普及まではいっていない。ARなど拡張現実などと共にこれから楽しみな分野ではある。
SFの世界だけだったAIと人間の融合。人類の能力を拡張する世界はもうすぐそこまで。個人情報や膨大なネット上のデータなどと紐付けたりしてますます便利な世の中になるが一部の人からマスまで広まるにはまだ時間がかかりそうだ。
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