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稼ぐ超思考法|岡本 吏郎|考え方が変わると仕事も人生も良い方向に歯車が回りだす

誰でも手軽に始められる思考法をレクチャー。頭をどう使えば、どうものを見ればいいか、考え方が変わると仕事も人生も良い方向に歯車が回りだす。

ギャンブル好きよ目を覚ませ!!

競馬の場合、主催者の国には 25%の手数料が入ります。逆にいうと、賞金の分配は 75%。ですから、もし馬券の配当が当たりはずれに関係なく配分されれば、全員に 75%が配分されることになります。仮に、1000円の馬券を買い、その賞金が全員に平等に払われるようなことがあったら、賞金は750円。これが競馬の構造です。数学の世界には、期待値という考えがあります。例えば、5万円が当たる確率が 20%、2万円が当たる確率が 30%、残りの 50%はハズレというクジがあったとします。そうすると、このクジの期待値は次のようになります。5万円 20%+2万円 30%+0円 50%=1万6000円  このクジの期待値は1万6000円になりますから、このクジの購入代金が1万6000円よりも安かったら、このクジは買った方が得と数学的には考えます。クジを一枚しか買わなければ、ハズレの可能性がありますが、このクジを限りなくたくさん買えば、一枚平均の当たりの額が1万6000円に限りなく近づきます。期待値の考え方は、このように仮想的に大量にクジを買うことを前提としているわけです(これを「大数の法則」といいます)。すると、最初に見た競馬の場合の期待値は何かというと、750円になります。そして、その購入価格は1000円ですから、馬券を買うという行為は数学的に考えると、まったく合理的ではない行動になります。といっても、これは競馬だけを責めることはできません。パチンコでもラスベガスのギャンブルでも宝クジでも、必ず、主催者が手数料を取るわけですから、どんなギャンブルであろうと賞金の期待値は賭け金よりも小さくなります。宝クジにいたっては、手数料が 55%くらいですから、期待値が1000円当たり、450円くらい。競馬やパチンコと縁がないような人の方が、ギャンブル好きな人たちよりも不合理な行動を取っているというわけです。

僕はギャンブル好きではないがBIGを買ったりはする。毎回300円だけで月に1,200円程度。「寄付するつもりで買ってます」と言い訳しながら夢を買うわけですが、毎月1,200円でできることを考えれば意外と多い。サブスクリプションなどに課金すれば音楽や動画が見放題だったり、その他様々なサービスが世の中にはあるので、ちょこっと日常をアップデートできるわけだ。それと夢を天秤にかけて見ることも必要かと。

超越確実性言明

「自分の欲望さえ他人の欲望の模写である」自分が、自分探しなんてできるでしょうか。どう考えてもそんなことは無理です。自分のアイデンティティなんて最も怪しいものだと思います。これについては、ヴィトゲンシュタインが「超越確実性言明」ということをいっています。簡単にいうと、「あんたって人間はね、周りのみんなが〝そうだね〜〟と承認しないと成り立たないんだよ」ということです。例えば、私は家事一切ができない男です。しかし、それは、家族もみんながそれを認めているから成り立っているわけで、自分だけが声を大にして「オレは、家では何もできなーい」と叫んでも、家族がそれを認めず、何でも手伝わせていたら、そんなアイデンティティは吹っ飛んでしまいます。そういった自分というものの前提を無視して自分を一人勝手に探してみたって時間の無駄でしょう。そもそも、私たちのキャラなんて環境の変化でいかようにも変わります。家にいるときや、親しい友人といるときと、会社にいるときでは別人という人だっているでしょう。そんなバリエーションの固まりみたいな自分を一言で表現したり、一面だけを強調しようなんていうのは、相当ヤバイです。こんなことをいっている私ですが、会社の経営をする上で、自分のアイデンティティを自覚しておくことは重要なことだと思っています。しかし、そのアイデンティティって奴を探すことは無意味です。どんなに探そうとしても限界があることは今まで書いてきたとおりです。では、どうするか。実は、私はお客様に大嫌いなものを上げてもらっています。どうしても自分には我慢できない。みんなが好きだというけれど、自分は肌に合わない。そういうものを大量に列挙してもらいます。人間は、人が嫌いになったものを自分も嫌いになるということもありますが、好きなものとは違い、そこには周りに影響されない自らの嗜好が純粋に表れることが多いものです。本当に心底嫌いなものは、みんなが何といおうと嫌いなものです。そういうものをドンドン出してもらいます。やりたくないことなどもそうです。自分がやりたくないことは、人が何といおうとできません。やりたくないことも確固たる自分のオリジナルです。これは、マーケティングでも同様です。顧客を絞り込んでターゲットを決めるというセオリーも有効ですが、それよりも先に誰に嫌われたいかを決めた方が早いでしょう。そうするとポジショニングはより明確になる場合が多いものです。私自身、何か仕事をはじめる場合は、「誰に嫌われたいか」をかなり具体的に明確化しています。まずは、嫌われる人を決める。それから商品企画や本のコンセプトを決める。こういう順序です。ちなみに、こんな思考を常にしていると時々悲しいことがあります。映画や舞台などを見て、つまらないと思ったときに、素直に「つまらない」と思えないのです。どちらかというと、「ボクは、この作者から嫌われているというわけだ……」なんて思えてしまうのです。ただし、それも自分のアイデンティティ強化に役に立つことはいうまでもありません。

自分探しをするぐらいなら、他人からの承認の質を分析した方が良い。どのように思われているかがわかればどこが長所でどこが短所かが浮き彫りになります。

思考法を変えれば、なぜあなたが稼げないかがわかってきます。世の中に無数にある稼ぐために必要なスキルや習慣を考え方を変えることで身につけていきます。

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