「日経平均株価」「円高」「ビットコイン」、一方では「総選挙」「政治資金」「憲法改正」など、日々のテレビや新聞、ネットに踊る「経済」と「政治」のニュースは、そこに登場する「コトバとその意味」、そして何よりそれらの「仕組み」を知らないと、得た情報をそもそも理解することはできません。本書は、世にあふれ続ける経済や政治の情報を正しく読み解くために最低限必要なポイントを、ご存じ池上彰氏がやさしく解説。イラスト図版を使いながら、誰にでもわかりやすくまとめられた一冊です。
どうなると会社は倒産するのか
「倒産」とは、要するに会社がつぶれることです。 債務 の支払いが不能になった状態のことを指します。「債務」とは、借りたお金を返す義務のこと。つまり借金です。企業が取引先に支払わなければならない代金を支払えなかったり、銀行からの借金が返せなくなったりする状態のことです。たとえば、企業が取引先から商品を買った際、通常は「 手形」で支払います。手形とは、「必ず支払います」という約束。ここには支払日が指定されています。言ってみれば、その支払日までお金を借りていることになります。これが、債務ということになります。手形を受け取った企業は、その手形を銀行に持ち込んで、「現金に換えてください」と要求します。銀行は、手形を発行した会社が銀行に持っている当座預金の口座から、その金額を引き落とします。これを「手形を落とす」と言います。ところが、手形を発行した会社の銀行口座に十分な預金がないと、手形を現金に換えることができません。これを「手形が落ちない」と言うこともありますし、「手形が不渡りになる」という表現をすることもあります。この不渡りが一回発生しただけでは倒産になりませんが、一回目に不渡りを出してから六カ月以内に二回目の不渡りを出すと、銀行取引が停止されてしまいます。そうすると、取引先は、「現金で支払ってくれなければ商品を納入しない」という態度になります。この状態では、まだ会社がつぶれたとは言い切れませんが、仕事ができなくなるので、「事実上の倒産」となるのです。
「倒産」とはどういうものか?詳しく説明してくださいと聞かれたら債務不履行というのは想像がつくが、不渡りを1回出して6ヵ月以内に2回目の不渡りを出すと銀行取引が停止になるなどというところまで説明できる人は少ないのではないだろうか。自営業や会社経営に携わっている人には身近な事かもしれないが、普通にサラリーマンをやっているとなじみが薄い倒産の危機。
そもそもお金とは何だろう
貴金属は小さくて腐りません。持ち運びが簡単ですし、保存しておいても品質が変わりません。つまり価値が安定していますから、誰が売買の支払いとして使っても、安心して受け取れます。こうして、物々交換の社会は、「 貨幣経済」の社会へと発展することになるのです。この貴金属には、主に 金 や銀が使われました。 金 はそもそも光り輝いてきれいなので価値があるものとして人気がありましたし、大量には採れないので、貴重で価値が安定していました。そのうえ、青銅などに比べて軽く、持ち運びも便利でした。また、熱を加えればすぐに溶けて、加工しやすかったのです。でも、 金や銀も長いあいだ使っていると、不便なことが起きてきます。物々交換と違って腐ることがないので価値が貯蔵できるのですが、大量になると、重くて持ち運びが大変になります。そこで、「これを持っていれば 金 と引き換える」という約束を書いた紙(約束手形)を取引に代用するようになりました。これが紙幣の始まりであり、約束手形を発行していた業者は後に銀行となりました。
最近ではキャッシュレス化が徐々に浸透してきていて、国によってはほぼ現金の出番がないくらい普及している国もある。日本ではまだそこまでいかないがそのうち現金の出番は減ってくるだろう。スマホ1台あれば様々な支払いが財布なしで行えるのは出かける際の荷物が減るので良い傾向だ。
僕たちは紙幣や硬貨をお金だと信じているからこそそこに価値が生まれる。これはビットコインなどの仮想通貨も同じ、そこに価値を見出す人がいる限りれっきとした通貨となる。日本ではまだ怪しげなものとして見る向きもあるが、政情不安な国などでは国が発行する通貨よりビットコインなど仮想通貨の方が信用されている場合もある。自然発生的な信用から生まれた仮想通貨は今後とも無くなることはないだろう。
消費税はまだ上がる?
日本では二〇一四年四月、一七年ぶりに消費税がアップし、五%から八%になりました。さらに二〇一九年一〇月には一〇%への増税が予定されています。しかし、そもそもいまの社会保障を維持するためには一〇%でも足りません。政府は「消費税の増税分を社会保障費にあてる」と言っています。そう聞くと、社会保障が充実するように思うかもしれませんが、そうではありません。増税分はいまの社会保障の 維持 に使われるだけであって、充実させるまでには至らないのです。いまの社会保障を維持しつつ、国の借金を増やさないためには、消費税一七%を実現しなければとの試算も出ています。これから少子高齢化が進めば、一七%でもすぐに足りなくなるのは目に見えています。世界的に見ると、たとえばイギリスの消費税は二〇%、イタリアは二二%、フランスは二〇%、ドイツは一九%。高負担高福祉で知られるスウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの北欧諸国は軒並み二五%となっています。とはいえ、消費税は生活必需品にもかかりますから、所得が低い人ほど増税は死活問題。そこで、一〇%に増税するときには「軽減税率」の導入も予定されています。これは、食料品など特定の品目の税率を低く定めるしくみです。
僕は国の財政が赤字なのだから消費税の引き上げもやむなしと考えています。財源が足りていないから消費税をアップするのだから、バラマキとも取れるそれに付随する政策はやめた方が良い。高負担高福祉の国を見習い痛みは国民全体で分け合うべき。
経済と政治の知っておきたいトピックスがぎゅっと詰まった1冊。新社会人の方などで普段ニュースをあまり見ない方などに手軽に手に取ってもらいざっと学んで欲しい内容です。
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