性別を超え、自然な官能性を通じて人間的、人格的魅力が現れる、それがセンシェアリティ。この「官能性」を意味する言葉をキーワードに、20年にわたりフランスと日本を行き来して得た知識で、ややフランス偏愛気味の著者が送る「心地よくしなやかに生きる術」をとことん追求した書籍。
まずこの聞きなれない言葉だが、センシュアルを「都会的な環境で研ぎ澄まされたエレガントな野生」あるいは「官能ある知性」と定義して始まる。
「モテ」への志向
「モテ」への志向は、まず目の前にいる相手に対して発揮されるべきです。レンジを限定し、目標を絞るのです。
八方美人的な発砲は無駄が多い。ライフルで近距離的中です。身近な相手を気遣い魅了し、その相手が自分にとってとても価値のある人間であると思わせること。自分の存在価値を認めてもらえる人間を目の前にするのは、誰にとってもたいへんに心地よいもので、その相手をセンシュアルであると認識してしまうのです。
僕の数少ない恋愛経験からも、これは有効だと思う。あるイベントでなかなか溶け込めない女の子に対し、こういった気遣う行動をとって明るく接した結果、数日後、告白され付き合うキッカケとなった。今の僕からは考えられないほど積極的だった。若かったし、その頃はバイトだが働いていたし病気も発症してなかった。
セクハラか否かって難しい
美女に対して「時として天のも人に二物を与えるものですね」といえば「仕事だけをキチンと評価してほしい。不快です、セクハラです」と言われたり、たとえ本人は喜んだとしても、容姿を褒められなかった別の女性が不快と思えばそれもセクハラ。
「髪切ったんですね」、これはかろうじてセーフ。でも、「僕、その髪型、タイプです」。これは主観が入って、気があるのかもしれない、と想像させるので人によってアウト。あるいは、異性の同僚を食事やデートに誘うというのも、相手が不快に思えばアウト(特に既婚者の場合)です。
これは男にとって神経を使わねばならぬ問題だ。しかしこの本のテーマである「センシュアル」な男性であれば、基本、女性から好かれているので、際どいジョーク如きで女性から嫌われることはない。そうではない僕らは、男女の距離感を保ち、きちんと相互了解する形で接するという知恵も必要不可欠だ。
スキンケアの王道「洗顔、保湿、紫外線予防」の3ステップ
外見で「中身」までのも査定されてしまうアメリカからの価値観導入で、エグゼクティブの間では、ネイル、脱毛まで気をつけなくてはならない時代になっているという。僕もWebでも一時期話題を呼んだBULK HOMMEのスキンケアセットを買ってから色々と自分に合う洗顔料や化粧水、乳液、美容液などに気を使うようになったが、どうもUVカットクリームだけは出かける時につける習慣がないので持て余している。顔に不要なシミ等があるのは、センシュアリティ度を確実に下げるので習慣化せねばと思ったが、ネイルや脱毛まではちょっとやりすぎかなと思ったりもする。審美歯科のことも書かれており、日本人は綺麗に磨いていても、黄ばみが目立ちがち(僕もそうだが、10年ぐらい歯医者から遠ざかっていたら久々に行った歯医者で歯周病の恐れを指摘され怖くなり、それから半年おきの検診とデンタルフロスを習慣化できた)
身だしなみの基本は、やっぱり「清潔」!
一見素敵な男性でもツメが甘い人がいる。それらに共通しているのが、「清潔感」の欠如で、若いうちは許されるが中高年になるとこれらのツメの甘さは見逃してもらえない。30、40代のミドル脂臭などもその一つで、シャンプーの際は二度洗い、頭皮や首の後ろ、デリケートゾーンも丁寧に洗うなど自分では気づきにくいが匂い対策も必要だ。香水などについても触れており、「王道ブランド」(ゲラン、シャネル、ブルガリ等)の物で「シトラス、マリンからの卒業」「自分だけの香り習慣」の三つのポイントが挙げられており、肌ではなく洋服などの物にスプレーするなど香水未経験者の僕には参考になった。
センシュアリティなきグループ交際
今の若者は仲間で群れることにより快感を覚え、ゆるい絆感が一対一の関係性を深めることより優先する。異性に対してだけでなく、同性との関係においても、趣味嗜好が似たタイプでらくに楽しめる相手と大勢でワイワイやるのを好む傾向が強い。個と個のぶつかり合いが起きないので、傷つくリスクもない。一方、「お一人様」でも恥ずかしくない土壌も出来上がっているのは、独身中年の僕にはありがたいことだ。
最後には「あなたのセンシュアル・オヤジ度は?」という20項目のチェックリスト(20点満点:フランス人です!、15~19点:かけている項目をすぐに補えばOK、10~14点:日本人としては普通以上かもしてませんが…、9点以下:日本男児!)があり、僕は9点以下でした。
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