A3用紙に全てまとめるトヨタ式ナレッジマネジメント。その効果を最大限活かすために作り上げた教育プログラムとは?トレーニングをしていくことで、「できるだけ短い時間で、深い思考をする能力」が鍛えられます。
アイデアを借りて組み合わせる
高学歴のいわゆる「頭のいい人」の多くは、既存の知識から適切なものを思い出すことは得意です。そのため、答えがわかっている問題の解決は得意なのですが、従来とは異なる状況で現実的な答えを出せないことが多々あります。こうした人材は、役所や大企業での、既定路線に沿った業務の計画や管理といった仕事は非常にうまいものの、起業など、新規事業の立ち上げなどはうまくできない場合が多いのです。
しかし、現在、成長の岐路に立たされている日本で「衰退」以外の道を選ぶとしたら、起業やビジネスモデルの革新に力を入れざるを得ません。そうなると「画期的であると同時に実行可能な案」をいかに考え出すかが問題になります。
イノベーションや発想法に関しては、「画期的アイデアは、何もないところから出てくるものだ」という誤解があります。しかし実際には、天才でも、ほかの誰か・何かからアイデアを借りて発想しています。
アインシュタインは「創造性の秘訣は、アイデアの源を隠すことだ」と言ったそうです。つまり、アインシュタインほどの天才でも、物理学以外の分野や他の学問から発想を借りてきて、それを組み合わせることで、物理学に革命を起こすようなアイデアを考え出せたわけです。「アイデアの源を隠す」とは、つまり、なるべく対象となる分野とは遠く離れた分野からアイデアを借りてくることで、アイデアを借りたこと自体を隠すことなのです。
学歴が創造性に役立つということがあるのだとすれば、それは知識が比較的豊富という一点に尽きる。答えがわかっている問題に対しては圧倒的有利。引き出しを多く持っていることの優位性はでかい。
因果関係マップで儲かる仕組みを「解剖」する
あなたが仮に飲食店チェーンを運営する会社の社員だとしましょう。ある日、会社から「新たな飲食店チェーンの企画案をつくる」という仕事を与えられました。
浅い思考しかできないと、「すき家や吉野家をまねして牛丼チェーンをつくろう」といった、ありきたりの企画案しか出ません。斬新なアイデアを生み出そうと張り切って考えても、「ラーメンとステーキを出す店」などという、斬新ながら需要があるとは到底思えない案ばかり出てしまいます。
飲食店チェーンの競争は激しく、よほど他の店にないような顧客価値を届け、かつ確実に儲かるような企画案を考えなければ、事業として成功できないでしょう。そこで、とくに業績がいい飲食店チェーンや他のサービス業チェーンを研究し、それぞれの成功要因の構造を明らかにするところから出発します。
具体的には、書籍、雑誌記事、テレビ番組や業界通への取材を通して、さまざまなチェーンの詳しい業務のやり方を研究し、その「儲かるしくみ」を因果関係マップにするのです。
私がよく使う手は、テレビの経済番組を観ることです。この中でも、とくに1回の放送で主に1社だけを紹介する番組は、現場の詳しい様子まで映像で観ることができ、工夫のポイントが番組の中で説明され、おまけに社長が出演して経営戦略を解説してくれるので、詳しい事例を学ぶにはうってつけの素材。もちろん本や雑誌、ウェブなどの記事から事例を出すこともできます。要は 現場レベルの詳しい施策の情報まであるかどうかがポイントです。
事業のアイデアを出すとき斬新なアイデアであればいいというわけでもない。実現可能でさらにそれがどうやって利益を生むビジネスにするかをきちんと考えないと閑古鳥ということも多いだろう。丸亀製麺のようにうどん一本でやろうという他にはない差別化で成功した飲食チェーンがある一方、既存のチェーンでも需要が分散化して利益を上げにくくなり、スクラップとなる店舗も多い。儲かる仕組みを考えればスシローのような成功をおさめる企業も出てくるわけだ。
本質を瞬時に見抜きそれを実践に落とし込む作業は簡単ではないが、ちょっとした視点の転換でアイデアがわくことも。そんな柔軟な思考回路を鍛えるための書籍。
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