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気候崩壊 次世代とともに考える|宇佐美 誠|若者とともに気候変動のいまを学ぶ

気候変動による地球の崩壊、人類に与える影響を阻止することはできるのか?気候変動の今を学ぶため、子供から大人まで読んで欲しい一冊。

過去から予想する将来の海面上昇

将来の気候の影響を知りたいと思ったら、過去を見るのが役に立ちます。これは、いわゆる「温故知新」ではありません。過去にどんな気温で何が起こっていたかを理解すると、将来に何が起こりそうかを推測できるということです。

現在から見て最後の氷期のなかで、一番寒かったのは、2万1千年ほど前でした。そのとき、地球の平均気温は、いまより4~5℃低かったそうです。その程度の気温差で、世界の姿はいまとはまったく違っていました。海面がいまよりもずっと低かったので、日本列島は、シベリアから北海道、本州、そして九州まで地続きでした。シベリアとアラスカも地続きだったのです。

現代に戻ってきましょう。温室効果ガスの排出量がいまのように今後も増えつづけるならば、2100年には、産業革命前よりも5~6℃高くなると推計されています。ということは、現在よりも4~5℃高いわけですね。2万1千年前に4~5℃低くて、海面がいまよりもずっと下がっていたことを考えれば、4~5℃高くなれば、海面はいずれ大きく上がると予想できます。

では、気温が高くなると、なぜ海面が上昇するのでしょうか。2つの経路があります。まず、すでに教わったと思いますが、水は温められると膨張しますね。水は空気の熱をよく吸収しますから、温かくなって膨張するわけです。もう1つは、先ほど一緒に学んだ氷床の融解です。南極とグリーンランドには巨大な氷床がありますが、これが溶けると、海面は大きく上がります。

この2つの経路があわさって、大規模な海面上昇がもし起これば、どうなるか。皆さんも知っての通り、太平洋の 島嶼 諸国はいずれ海に沈むことになります。しかし、島嶼諸国だけではありません。大都市の水没が現実味を帯びてくるわけです。

海面上昇による太平洋の島々の水没はかなり前から言われていたが、対策はいまいち進んでいない。自分の国が大丈夫だと問題意識が薄れる傾向にあるのだろう。しかし太平洋の島々の次は大陸ということを未来の子供達のために考えなくてはならない。

地球全体の排出量を分ける

気候正義論のおもな論点の1つは、緩和策に関わっています。温室効果ガスの排出権をどうやってグローバルに分けるかが、さかんに論じられてきました。この論点は、どのようにして出てくるのでしょうか。

前回、地球の平均気温の上昇を産業革命前から2℃、できれば1・5℃に抑えるという国際社会の目標について、お話ししました。この目標を達成するためには、二酸化炭素の濃度を一定以下に保たなければなりません。他の温室効果ガスについても、同様ですね。ということは、人類全体が排出する温室効果ガスの量について、上限を設けなければならないわけです。全排出量の上限が決まったら、次には、地球上の一人ひとりが排出してもよい量を決める必要があります。これが、排出権の分配という論点です。

この論点は、具体的な気候変動対策と密接に関わっています。先ほど、緩和策の1つとして、排出権取引市場に触れました。排出権取引市場は、自分がもっている排出権のうち、使わない分があれば、それを売りに出し、反対に排出権よりも多く使いたいときには、他から買うという市場です。これは、経済学で言う意味での「効率性」、つまり取引の両当事者がより満足のゆく状態になることを実現するよい仕組みです。ただ、最初に誰がどれだけの排出権をもつかを、決めておく必要があります。そこで、取引市場での初期分配についての基本的な考え方を示すのが、気候正義論における排出権の分配の研究ということになります。

もっとも、気候正義論の研究者のなかには、温室効果ガスの排出という倫理的に問題ある行為をする資格を売買するべきではないと主張して、排出権取引市場に反対する人たちもいます。

先進国の温室効果ガスの削減のため排出権を設定するのは必須。これにより高い排出権を払うよりクリーンエネルギーへというマインドに変わるはず。どうせ払うならこれからの未来を考えて太陽光や風力、地熱発電のような技術開発、設備投資にお金をかけるべきだ。

気候崩壊の危険性を世界で共有して地球環境について考える。まだ自分の国は大丈夫という考え方だと自身の子供たちに皺寄せが。

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