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棄民世代 政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす|藤田 孝典|自己責任という言葉のもとに、あらゆる社会政策から放置され…

高齢者の貧困問題にスポットを当てた書籍。下流老人は「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義されるがそれよりも深刻なのが中高年の氷河期時代の人が老後を迎える時。社会政策から放置されて政府に犠牲にされた『棄民世代』を取り上げる。

ニート、引きこもりは増えている

正社員の仕事を探そうと就職活動を続けたところでその努力が一向に報われなければ、途中で諦めてしまうこともあるだろう。またたとえ正社員になれても、労働基準法を守らないブラック企業のような勤め口で周辺的正社員として酷使され続ければ、心身の健康を崩してしまい働くことができなくなってしまう人も当然出てくるはずである。こうした人たちはいわゆるニート(非求職無業者)になるしかなく、「 35 ~ 44 歳」世代の就業状態別人口を記した表でいえば、非労働力人口のうちの「家事、通学以外の者」という項目に該当する。

この人数は2018年時点で男性は 25 万人、女性は 14 万人、合計 39 万人(いずれも 35 ~ 44 歳)となっている。

先ほどから紹介している労働政策研究・研修機構の「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状」では、総務省統計局のデータを基に、非求職無業者(ニート)の数を1992年から5年ごとに年齢階層別に集計してまとめている。

これを見ると、1997年の時点でおおよそ氷河期世代のボリュームゾーンに該当する年齢階層( 97 年時点で 15 ~ 24 歳。以後は5年ごとに5歳ずつ加齢)でニートに該当する層は約 30 万5000人おり、2002年には 38 万3000人と増えている。

それが2005年に就職氷河期がようやく一段落し、有効求人倍率が上向いたこともあって、2007年には 34 万4000人まで減少しているのだが、その後リーマンショックを経た2012年には 35 万5000人には再び増加に転じ、2017年には 38 万9000人と、2007年以降は景気状況とは無関係に増え続けている。

なお、2019年3月に内閣府から発表された「生活状況に関する調査」では、 40 歳から 64 歳までの中高年層のひきこもりは全国で推定 61・3万人いるとされているが、専門家やひきこもり家族会の中には、この数字が少なすぎ、実際は100万人を超すと見る人も少なくない。

僕も就職氷河期時代に大学生だった。正社員として王手企業に勤めるのは難しかったため、バイトしていたゲーム会社に契約社員として雇用されていた。しかしそれが続いたのは若い頃だけ、そこそこ年齢が入った時点で肩たたきに会い退社。その後ストレスから統合失調症を患い闘病生活へ。今考えると契約社員とはいえ王手企業だったのでしがみついているべきだったかもしれないが、その時のストレス足らんや。

棄民世代は老後の収入(年金)が期待できない

いま氷河期世代はベビーブーム世代を含む高齢者の年金を賄うために毎月大変な額を負担している。だがもはや1対1に近いこの構図、社会構造のままではさすがに現役世代の生活が破綻してしまうので、高齢者への支給額を減らさざるを得ない。

こうしたことから厚生労働省では、年金財政の長期的な健全性を定期的に検証するため、厚生年金保険法および国民年金法の規定に基づき、少なくとも5年ごとに、「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」の作成、いわゆる財政検証を実施している。

この財政検証結果は通常6月に発表される。それが2019年だけ、なぜか8月に発表されたのは、これが政府にとって金融庁の報告書以上に都合が悪いものだったからだろう。

この財政検証結果が公表されると、年金の将来的な給付水準を示す「所得代替率」が、識者たちの予想を超えて悪化していることがセンセーショナルに報じられた。 「所得代替率」とは、厚生年金に 40 年間フルに加入した人が、年金を受け取り始める時点(2020年現在は 65 歳から受給開始)における年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどの程度の割合かを示す指標である。2020年現在の所得代替率は 61・7%となっているが、これは現在の高齢者が、現役世代の手取り収入の 61・7%を年金として受け取っているという意味である。

だが厚生労働省は財政検証結果において、この所得代替率が将来的に例外なく下がると予測した。最良の場合から最悪の場合まで6通り想定したシナリオの中でも中間の、比較的穏健なシナリオでさえも所得代替率は2024年に 60・2%となり、さらに2040年には 50・8%へと下がるとの見通しを明かしたのである。これを受けて多くのメディアが、「年金は2割下がる」と報道した。

これは専門家の間では以前から指摘されてきたことだが、改めて数字を見てみると深刻なものである。そもそもこのような実態すら正確に知らされていないし、自分たちで知ろうとしなければ、情報化社会であっても、実態を知る機会には恵まれない。

この報道以降に、若年層を中心として、株式投資や少額金融投資が盛んに議論され、金融商品の購入が活況を帯びている。若年層の間では、年金制度への不信を背景に諦めも見られ、自分自身の老後は自分でなんとかしなければ、という覚悟に似た悲壮感も見られる。

サラリーマンなどが定年退職後に受給する厚生年金は、今ならば平均して一人あたり大体14万円から15万円が支給されている。これが年金2割減ということは、20~30年後には11万円から10万円前後までは落ち込むだろうということだ。

年金の受給額が目減する中、不安を感じるばかりではなく自分で防衛策を考えなくてはと思い、僕は株式投資を始めました。主に米国のS&P500のETFに投資して放置しています。毎日の乱高下には目もくれずずっとステイ。瞬間的に下がったとしても焦って投げ売りなどせずにどんと構えるスタイル。

自分の世代がこの棄民世代なる人には読んでほしい書籍。自分に当てはまることも多く、新たに自身を見直すきっかけになると思います。現状辛いことが多いですが、同じ悩みを抱えた人には有用な書籍かと。

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