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捨てられる男たち 劣化した「男社会」の裏で起きていること|奥田 祥子

無自覚ハラスメント問題。僕ら世代はそのようなハラスメントをやりがちな世代との狭間かと思います。僕も知らず知らずのうちにやってしまっていたかもというハラスメントの種類は豊富で会社組織にどっぷり浸かっていると気付きにくいものも。内在化された「男社会」の価値観を斬る。

鍵は異文化理解と意思疎通

これまで事例を通して見てきたように、中年の管理職男性たちは、画一的な男性優位社会の価値観に囚われるがゆえに、職場では無自覚のうちに部下に対してパワハラやセクハラを行い、また家庭にも「男社会」の固定観念を持ち込み、無意識のうちに妻やわが子の心を傷つけ、モラハラを行っていた。本書で紹介した事例に共通しているのが、〝無自覚ハラスメント〟である。自身の価値観に基づく、相手のためになるという思い込みからの言動が、過失によるパワハラやセクハラの行為と見なされたケースも少なくない。

パワハラやセクハラなどは、身体的、精神的苦痛を与えて職務遂行能力を阻害するだけでなく、被害者が辞職に追い込まれ、最悪のケースでは命を絶ち兼ねない事態に至る深刻な問題である。発生時には適切な調査のうえ、ハラスメント行為があったと認められた場合は加害者への懲戒処分など厳正な対処が必要で、予防のための社員研修や職場環境の改善など防止対策が欠かせない。

一方で、ハラスメントが無自覚のうちに行われているケースでは、行為者の意識や価値観が変わらない限り改善は見込めず、その意味ではむしろ、悪意のあるハラスメントよりも再発を防ぐのは難しいといえるかもしれない。

このまま放置しておけば、そうした男たちは職場、社会から取り残され、さらには社会的排除、つまり捨てられる憂き目に遭ってしまうだろう。男たちが自分よりも若い世代、そして女性の部下、妻たちに己の考え方を押しつけるのではなく、彼ら彼女たちの異なる価値観、文化を受け入れたうえで、いかに意思疎通を図れるかが大きなカギとなる。

では、どのようにすれば、職場での世代間、男女間、また家庭での夫婦のコミュニケーションの不全や行き違いを克服し、職場でも家庭でも通用しない、システムとして劣化した「男社会」の価値観から脱却することができるのだろうか。

まず、世代間ギャップや性差がもたらすコミュニケーションの不全、行き違いの背景・要因について、労働をテーマに継続的にインタビューを行っている取材対象者や、本書で取り上げたさまざまな問題で中年男性のカウンターパートとなる部下の男女や妻たちの声も交えて整理する。そして、相互の信頼関係の築き方や人材育成・組織開発のあり方、夫婦関係のゆくえなどについて、多角的な視座から問題を乗り越えるためのヒントを提供したい。最後に、男たちの価値観の背後にある「男らしさ」規範と、社会的排除の関係性などについて触れたうえで、ポスト・コロナ時代の多様性と包摂性のある社会のあり方についても考えてみたい。

人は自分の所属するクラスターの中での論理に左右されがち。いかに自分以外の人の集合体に理解を示すかが大事。人を大事にできない人は自分にもそれがブーメランになって返ってきます(僕自身経験済みwww)。

部下には「ローコンテクスト」で

仕事やライフスタイルに対する考え方や価値観が大きく異なる上司世代と部下世代だが、世代間の文化の違い、さらに人間関係の築き方に焦点を当て、コミュニケーションのあり方を考えてみたい。

米国の文化人類学者、エドワード・T・ホールは、異文化を比較するなかで「コンテクスト(文脈、状況)」に着目している(Hall 1976)。ホールによると、ハイコンテクストな文化とは交わされる言葉以上に、その場の状況や背景、互いの職場での地位などに重きを置く文化で、ローコンテクストな文化とはコミュニケーションがほぼ言語を通して行われる文化を指すという。

言語に依存しないで関係性が成り立つということは言い換えれば、考え方や価値観など文化の共有度が高いということである。他方、言葉を重視したコミュニケーションでは文化の共有度が低いため、きめ細かに丁寧に情報を伝えていかなければならない。

すなわち、相手との間に共有できる文化がほとんどない異文化の部下をマネジメントしていくには、ローコンテクストのコミュニケーションが不可欠になる。上司の言うことには常に従い、その意図をくみ取って忖度 する、など上司世代の多くが当たり前のこととして実践してきた行動規範は、もはや部下世代には通用しない。そのことを認識したうえで、伝えたい内容を詳しく、わかりやすく、その背景も含めてしっかりと言葉で説明していかなければならないのだ。

いわゆる「忖度」は今の時代もう害悪でしかないのでやめた方が良い。そんなふうに上に胡麻を擦りながらの仕事しかできない無能な人には退場してもろて。世代間で違う忖度問題。若い人の世の中にしていくために僕ら世代は変わらなくてはならない。

ハラスメントを息をするようにしてきた世代にNoを突きつける書籍。ハラスメントをやめられない人間は下からの突き上げで社会から見放される時代。自分がそうならないための予防薬。

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