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本質思考|平井 孝志|MIT式課題設定&問題解決 本質が見えていないとスジが良い答えは出てこない

現象の裏側で何が起こっているのかという本質に目を向ければ、情報が溢れる世の中において流されずスジの悪い答えをつかまされることもない。MITでシステムダイナミクスを学んだ戦略コンサルタントが、その教えを下地に解を導き出す思考法「本質思考」を解説。

カナヅチを持てばすべて釘に見える

ここまで、誰しも陥りやすい9つの思考のクセを紹介してきた。

① 裏返しの結論のクセと、 ② 一般解で満足してしまうクセは、最も初歩的な課題である。また、最後の3つ、 ⑦ 考えている目的を失ってしまうクセ、 ⑧ プロセス偏重のクセ、 ⑨ 主体性を喪失するクセは、先ほど述べたように、考える入り口にも立てていない症状であった。

やっかいなのは、 ③ フレームワークに依存してしまうクセ、 ④ カテゴリー適応のクセ、 ⑤ キーワードで思考停止に陥るクセ、⑥ 初期仮説に固執してしまうクセ、の4つである。

先ほど述べたことだが、この4つは、思考法を学び始めた人、経営学のフレームワークを学び始めた人が陥りがちなクセだからだ。これらのクセは、頑張って学ぼうとすればするほど、そのクセにはまってしまうというジレンマを抱えている。

たとえば、ロジカルシンキングを学べば、何でもかんでも分解したくなる。SWOTフレームワークを学べば、まずはSWOTに整理してみたくなる。あるいは、2×2のマトリックスを覚えるとすべて2×2のマトリックスで整理してしまう。確かにこれらはパワフルなツールだが、そこで思考が止まってしまっては本末転倒だ。ちょうどカナヅチを持てばすべて釘に見えてしまうようなものである。決して釘を打ったら終わりではない。

コンサルティング志望の若手候補者との面接で、私も時々ケース・ディスカッションを行うことがある。その際、「売上拡大に向けては、数量を上げるか、単価を上げるかの2つに分けて考えるべきです。そして数量に関しては……」と続けられると、きっとこの人はロジカルシンキングのカナヅチを使い始めたばかりの人なんだ、と思ってしまう。正直ちょっとがっかりする。それ以上の思考の拡がりが期待できないのと、なんとなく「How to」で済ませようとしている姿勢を感じてしまうからだ。

思考法やフレームワークは、あくまでツールだと思ったほうがいい。ツールは「使う」ものであり、「使われる」ものではない。そして、これらのツールに情報を当てはめれば、本質から考えたことになるわけではないのである。

確かに学んだばかりのフレームワークは使いたくなるもの。しかしそれを前面に押し出してしまうと、わかる人にはわかってしまい「ああ、こいつやってんな」となってしまう。微笑ましいで済めばいいのだが(笑)ツールに使われた末路みたいなことにならないようにあくまで使う側、自分主体で用いること。

答えのない問題こそ最良の教師

最後の訓練法は、答えのない問題に取り組むことである。答えのない難問こそ、最良の教師である。つまり、「本質的に難しい」問題を考えてみるのである。

容易に答えが出ないような問題。

人によって考え方が大きく異なるであろう課題。

ロジックだけでは一筋縄では解けないようなテーマ。

そうした「難題」にチャレンジしてみることは、本質から考える力の完成度を高める上では大いに役立つ。こうした難問は、いわゆるロジックツリーやフレームワークだけで、簡単に解を見出すことが不可能だからだ。

「2050年の日本の姿」を想像してみる。あるいは「正義」「文明」「民主主義」「資本主義経済」について考えてみる。たとえば、そういったことである。

最近のホットトピックにも難問が目白押しだ。「国家の財務危機」「原発問題」「税と社会保障の改革」。こうした問題について、自分なりの解決方法を考えてみたり、賛成なのか反対なのかの立場を決めて、その論理を組み立ててみるのである。

国家の問題や社会問題の解決策を考えてみるとためになる。なかなか難しい問題だからそれに自分なりの解決法を考えることは本質から考える力を高める作用がある。

本質が見えていないとスジが良い答えは出てこない。MIT式課題設定&問題解決で真にインパクトのある解決方法を導き出す。

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