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未来IT図解 これからのデータサイエンスビジネス|松本健太郎

気鋭のデータサイエンティスト・タッグが、すべてのビジネスパーソンに贈る渾身の一冊。
これからの時代を生き抜く未来の羅針盤。

この本を手に取られた方の中には、「今さらデータサイエンスの本ですか?」と思われた方もおられるかもしれません。でも「今だからこそデータサイエンスの本です」と私は主張します。

ものづくりと昭和の呪縛

過去の成功体験である「ものづくり」と呼ばれる昭和の時代の神話は、企業統治から仕事の進め方に至るまで浸透しています。だからこそ、過去の固定観念から脱却しなければいけません。良くも悪くも同調圧力を利用して、全員が足並みを揃えてAI社会に順応していくべきです。ものづくりに限らず精神性や職人気質など、曖昧な概念や過去の栄光を引きずって盲目的に礼賛したままでは、緩慢な死を迎えるだけでしょう。過去の経験や長年の勘という根拠のなき方法論に依存するのではなく、数字とデータという客観的な情報に基づいた思考を持つべきです。脈々と続くものづくりと昭和という呪縛から、脱却しなければならないのです。

日本のものづくりを礼賛したい気持ちはよくわかるがこのままでは世界から遅れをとったまま少子高齢化を因子に日本は他の国々にどんどん追い抜かれていくだろう。そうした人口に関するハンディキャップを改善するためにも新しいIT教育が必要。ただプログラミングを教えるだけではなく、子供達に興味を持って、取り組めるよう、熱狂させるような状態を作り出すのが今後の課題か。

近道なんてない

この本を手に取った人の中には、「データサイエンスビジネスについて2時間くらいでサクッと身につかない?」と考えた人もいるかもしれませんが、まず無理です。2時間でわかる内容は、2時間ぐらいで役に立たなくなります。「かけた時間の分だけ、自分自身の中に経験と知識として残り、役立つだろう」と筆者は考えます。学ぶのに近道なんてありません。強いて言えば、すべての道が遠回りであり、それがいちばんの近道であるということです。学ぶのが嫌なのであれば、最初からデータサイエンスビジネスには興味を持たないことです。

あはは(笑)僕も2時間ぐらいで「データサイエンスビジネスとはなんぞや?」を知りたくてこの本を手に取りました。この本で紹介されているツールや分析方法は手軽に2時間で学べるものではありません。その上に情報を常にアップデートして勉強し続けないと、すぐにその手法は陳腐化してしまいます。データに関してもより鮮度の高い情報を収集し続けなければならず、企業の場合保守にそれなりの労働力と資金の投資が必要です。

そして成果が出なくても焦らないこと。学んで得た知識や分析手法で分析を続けてもなかなか仕事の現場では結果が得にくいのも事実。データサイエンスを導入したが売り上げアップに繋がらないような事例は多々あります。逆に、かけた時間に対して同じくらいの費用対効果が認められる方がレアかもしれません。それでもこれからの時代はデータが重要な資源とされる時代です。社内にデータサイエンスチームを作り日々データの収集と分析に力を入れている企業が生き残るといった時代となるでしょう。

データサイエンスを取り入れるには社内事情も考慮して、コミュニケーションを取っていかなければならず、まずはトップダウンで号令をかけ、ボトムアップで改善に取り組み、最適化された業務で現場を変える流れが大切となります。転職が少なく長年自社に腰を据えてくれる社員が多い日本においては、年功序列や終身雇用にぶら下がるお荷物社員や、悪い意味での現場主義をなくすきっかけとしても機能してくれます。立場の上下にかかわらず社内全体で取り組み全員のデータサイエンスなどのリテラシーをあげていくことが重要です。

2020年以降に求められるサバイバルリテラシー

義務教育では教えられないリテラシーが求められるAI・データ社会を生き抜くためには、「ぼーっと生きていてはいけない!」がキーワードになります。与えられた情報をそのまま受け取り、敷かれたレールを進むだけでは生き残れません。ネットに起因するトラブルが絶えない社会において、「正しい」という確証はどこにあるのでしょうか。真偽を見極める能力が求められています。たとえば、ワクチン予防接種を拒否したり、フェイクニュースを捏造して拡散させたりするなど、自分に都合が良ければ根拠のないデマでさえも真実として受け止める人達です。IT技術はそんな人々を生み出すために発展したのではありません。

様々な情報が溢れる昨今。リテラシーとファクトチェックの重要性が増しているような気がします。ユーチューブのサムネイルや週刊誌の見出しなど、視聴者や読者の気が引ければなんでもあり状態なのが気がかりです。裏に見え隠れする真実を見抜く力を養わないでぼーっと生きていると、たちまち情弱として搾取されるカモとなってしまいます。

データサイエンスという言葉が浸透してきた昨今、社内でもビッグデータの活用などが叫ばれるようになって久しいですが、まずは入門編として何から学べばいいかどんな分析手法があるのかが学べる書籍となっています。初心者はExcelによる分析からでも十分データを活用する基盤はできるのです。

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