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日本人だけが信じる間違いだらけの健康常識|生田 哲|薬学博士が世界の研究結果をもとに警鐘を鳴らす

日本人が信じている健康常識「糖質制限で健康的に痩せられる」「牛乳は健康に良い」など、間違ってはいないものの効果が薄い、もしくは根拠の乏しいもの。それらを世界の研究結果を踏まえ正していきます。

なぜ「中年太り」になってしまうのか?

腹をつき出した中年男性や、ウエストが判別できない中年女性をしばしば見かけます。いわゆる「中年太り」です。なぜ、中年太りが起こるのでしょうか。それよりまず、なぜ、ヒトは太るのかという、より基本的な疑問に答えておきましょう。

理由は単純です。食べた分のエネルギー(摂取エネルギー)が、身体が消費するエネルギーよりも多いからで、この差額が身体に脂肪として蓄積することで太るのです。これは生化学における真理で、決して崩れることはありません。だから、日常的な運動不足と食べすぎが長く続けば、人は必ず太ります。

このことを踏まえたうえで、糖質制限食で短期間に一時的にやせる理由を見ていきましょう。

食事から摂取した糖質が分解してできたブドウ糖は、血液によって身体のあらゆる臓器に運ばれ、組織の細胞でエネルギー源として利用されたり、肝臓や筋肉に蓄えられます。余ったブドウ糖は、活性酢酸(専門的にはアセチル CoAという)となってから、脂肪酸が合成され、最終的に(中性)脂肪としてお腹の周りにつきます。

この脂肪合成を進めるのが、 膵臓 から放出されるインスリンというホルモンです。エネルギー源としてのブドウ糖が余った場合、インスリンの放出量が多いほど、多くのブドウ糖が肝臓で脂肪に変換される、つまり、太るのです。ポイントは、インスリンは太らせるホルモンであることです。そこで糖質制限食は、インスリンの放出量を極力抑えようとします。

インスリンの放出を抑えるには、血糖値の急上昇を抑えればよい、それには、糖質の摂取を極端に制限するという戦略です。そして血糖というエネルギーがなくなると、脂肪細胞に蓄えられた脂肪が分解されてケトン体となって身体のエネルギー源として利用されます。

つまり、糖質の摂取を制限するだけで、血糖値もインスリン値も上がらず、ケトン体の原料である脂肪が分解されてエネルギーとして利用されるから、やせられる。これが、糖質制限食の原理であり、セールスポイントです。

糖質制限ダイエットの中身がわかればダイエットもより効果的に行えます。今までとりあえず糖質の摂取を制限していたというフェーズからメカニズムを理解するフェーズへ。痩せるために必要な知識を蓄え蓄えた脂肪を取り除きましょう。

医者に誰もが「高血圧」にされる!

高齢者が2、3人集まったときの話題の中心は、年金と血圧といわれます。高齢者がこれほどまでに高血圧に興味を抱くのは、ガイドラインにしたがうと、彼らのほぼ全員が高血圧の患者になってしまうからです。  高齢者ばかりではありません。

30 歳以上の 40 ~ 50 パーセントが、高血圧に区分けされているのです。日本の高血圧ガイドラインにしたがえば、約5000万人が「高血圧症」とされるのです。

人口の半分が病気に分類される基準など、正常であるはずがありません。正常ではない高血圧ガイドラインを、誰が何の目的で作成しているのでしょうか。

高血圧ガイドラインとは、医師が高血圧と診断するときの目安となっている「基準値」のことです。患者がこの値を超えていれば、医師は安心して降圧薬を処方することになります。2000年(2013年現在も続いている)に日本高血圧学会から発表されたガイドラインでは、高血圧は、上(収縮期血圧)が140、下(拡張期血圧)が 90 以上となっております。

血圧の目標値は上が130、下が 85 未満だといいます。このガイドラインを認めるなら、多くの人が降圧薬を飲まされることになります。血圧の専門家は、血圧を下げるのにやけに一生懸命です。

厚労省のホームページでは、高血圧を放置しておくと、血管が硬くなる動脈硬化になったり、心筋梗塞 や脳卒中になりやすいため、日本では781万人が治療を受けていると述べております。

厚労省のメッセージはこうです。

「多くの人が治療を必要とする病気にかかっています。もし高血圧症を薬で治療しないなら、将来、心筋梗塞や脳卒中で倒れるリスクが高まります。もし倒れでもしたら、半身不随になって動けなくなります。それでもいいのですか。そうならないために、病院にいって薬を飲みましょう」

それで、日本での降圧薬の年間売り上げは、2012年度で6320億円に達しているのです。高血圧の基準値は定期的に変更されております。しかも、この変更は基準値を下げる方向にのみ動いているのです。

たとえば、高血圧の定義は、1997年ころまでは「上が160、下が95以上」でしたが、2000年の改訂では、「上が140、下が90以上」に引き下げられました。こうして日本人の半数に当たる5000万人が「高血圧症」とされたのです。要するに、基準値を下げる目的は、「患者づくり」です。患者(顧客)が増えて、薬が売れて、儲かるのは製薬業界と医者たちです。

高血圧の基準値を下げることで、他のすべての点では健康な莫大な数の人に、「高血圧症」というラベルが貼られ、心筋梗塞や脳卒中のハイリスク者とされ、「病人」にされ、薬を飲む方向に誘導されているのです。

こうして世界のベビーブーマーたちを標的に製薬会社は、高血圧の薬で毎年4兆円の売り上げをもくろんでいるのです。

最近は個人でも理解が進み降圧剤を無駄に飲んで血圧を下げると言った治療をする人は減ってきたような気がしますが、昔の考えから抜け出せない高齢の医者は相変わらず降圧剤を処方してくる場合があり要注意。

間違った健康常識を植え付けられた日本人。医療業界の闇の部分によって脈々と受け継がれてきたこの間違った健康常識を正していきます。

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