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日本の伝統 発酵の科学|中島春紫|世界に類を見ない多彩な発酵食品、その奥深い世界へ

微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化がある日本。発酵技術は古来から職人技として受け継がれてきた。和食文化を支える世界に類を見ない多彩な発酵食品とその奥深い世界へとあなたを誘います。

発酵で旨味を引き出す

最高級の肉牛でも、精肉直後の肉は美味しくない。エイジングとよばれる熟成の工程を経て初めてブランド牛にふさわしい味わいとなる。一般的なウェットエイジング法では、牛肉のブロックまたは半身の枝肉を真空包装し、0℃近い温度で 20 ~ 25 日間保存しておく。北米やオセアニアから輸入されるチルドビーフは、輸送・流通に3~5週間かかるので、日本に到着する頃には熟成が完了して食べ頃になっている。エイジングの期間中に、肉に含まれるタンパク質分解酵素のため、肉の線維がゆっくりと分解して柔らかくなるとともに、アミノ酸が遊離するため旨味が引き出されると説明される。

一般に、タンパク質には味がない。ほぼ純粋なタンパク質成分である、卵の白身、豆腐、鶏のササミなどを思い浮かべれば納得がいくだろう。タンパク質は多数のアミノ酸が連結して構成されているが、アミノ酸には味がある。たとえば、最も量が多いアミノ酸のひとつであるグルタミン酸のナトリウム塩は旨味調味料(いわゆる「味の素」)そのものである。

タンパク質を構成する 20 種類のアミノ酸にはそれぞれ固有の味がある。大雑把には、グリシンなど水に溶けやすい親水性アミノ酸は甘味を持つものが多く、グルタミン酸のような酸性アミノ酸は旨味や酸味を有している。一方、アルギニンなどの塩基性アミノ酸やフェニルアラニンなどの水に溶けにくい疎水性アミノ酸は苦味を持つものが多い。

旨味調味料、「味の素」は自炊の味方。とりあえず料理にぶっ込んでおけば美味くなる魔法の調味料。これもアミノ酸のひとつ、グルタミン酸のナトリウム塩。運動をする人には馴染み深いアミノ酸。プロテインではなくアミノ酸そのものをだけ摂取する人もいます。味は美味しくありませんが(笑)

プロバイオティクス

乳酸菌には、グルタミン酸を分解して γ‐アミノ酪酸(GABA)を生産するものがある。GABAは生体内では抑制性の神経伝達物質であり、血圧降下作用やストレス低減作用が知られている。GABAを含む食品の摂取により実際に血圧降下が認められることから、乳酸菌の機能性の一環として盛んに研究が行われている。美味しい漬物を食べると気分が落ち着くのも、気のせいではないかもしれない。

乳酸菌などの摂取により腸内フローラを人為的に改変する効果については、現在も盛んに議論されているが、結論は得られていない。摂取した乳酸菌が pH 1・2前後の強い酸性環境の胃を通過してどの程度腸に到達できるか、腸に到達した乳酸菌が増殖・定着して腸内フローラを改善することが可能かどうかなど、見極めるべき点は多い。

一方で、発酵乳の整腸効果は古くから知られており、前述の通り、乳酸菌を含むヨーグルトなどに科学的根拠が要求される特定保健用食品(トクホ)として食品の機能の表示が認可されている。ヨーグルトの便通改善効果については、わずかな投資により誰でも簡単に試すことができる。おなかの不調に悩む人には、一度試してみることをお勧めしたい。

このように腸内フローラのバランス改善を目的とした製品のうち、乳酸菌などの細菌を生きたまま含む食品を「プロバイオティクス」という。一方、生きた細菌は含まないが、善玉菌が利用するオリゴ糖などの栄養素を含む食品は「プレバイオティクス」とよばれ、健康食品として販売されている。

ヨーグルトを毎日口にしているとお腹の調子が整うので習慣にしている人は意外と多いかと思います。特に便秘がちな人にはおすすめ。乳酸菌などの細菌を生きたまま含む食品を「プロバイオティクス」という。最近では宣伝でも生きたまま腸に届くと謳った商品も多数。お腹の調子を整えます。

日本古来から育まれてきた発酵の技術を解説。体調管理などが重要視されるこのご時世、腸や体の調子を整える様々な菌を知るための一冊。

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