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新キャッシュレス時代 日本経済が再び世界をリードする 世界はグロースからクオリティへ|エミン・ユルマズ

スマホによる決済の普及でキャッシュレス化の波は隅々まで。SuicaをApple Watchに設定すればスマホすら出さないで改札を抜けられます。コロナ後の復興に向けて究極のバリュー株と著者が言う日本株が必ず復活すると断言。気鋭のエコノミストにより未来予測。

世界は20世紀に逆戻りする

今回の新型コロナ・ウイルスの発生によって世界は第二次世界大戦以来の〝戦時体制〟に入ったと言える。

アメリカのトランプ前大統領は度々、「我々は見えない敵と戦っている」とツィートし、自身のことを「ウォー・タイム・プレジデントだ」と言っていた。また、中国は中国で、習近平総書記がウイルスとの戦いを「ピープルズ・ウォー(人民戦争)だ」と言い、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、「フランスは今、戦争中だ」と言っているし、穏健なドイツのメルケル首相でさえ、「第二次世界大戦以来の国家的な危機だ」と言っている。

こうした表現が何を意味しているかと言うと、例えば、金融政策についても「バズーカ」という言葉が使われてきたように、言葉遣いにしても政治的なレトリックにしても、今後、これまでの 30 年間よりもかなりハードになっていくと思われる。

その端的な例が、アメリカが冷戦時代の1950年に制定した国防生産法(防衛生産法案)という連邦法を甦らせたことだ。この法律は、緊急時に政府が重要なセクターを直接的に統制できる権限を付与するというもので、これは、まさに冷戦時代に逆戻りする動きと言えよう。

さらに私は第一次世界大戦後、1929年に発生した世界恐慌を克服するために、アメリカで実施された、いわゆるニューディール政策に近いことが起こるのではないかと考えている。

未だに全世界でロックダウンが続いている。その結果、失業率が上昇し、大恐慌後にアメリカがフーバー・ダム(1931年着工、1935年竣工)を造ったように、国家規模の大型公共事業が増えるのではないだろうか。

そして、世界は技術的に発展していく産業がある一方で、 20 世紀に逆戻りするように思える。となれば必然的に、経済はグローバル化ではなく、アンチ・グローバル化、ブロック経済に傾倒していくはずだ。

では、こうした〝時代の逆行〟が日本にどう影響するのか。

日本がさまざまなモノの生産を中国に奪われていったのは事実である。例えば現在、任天堂がゲーム機の「ニンテンドースイッチ」を中国で作っているように、従来、日本企業自体も中国で大量に製品を生産してきたので、今まで日中間でそれは問題にならなかった。

しかし、今後さらに「メイド・イン・チャイナ」の製品がアメリカで売れなくなることも視野に入れておく必要がある。ただし、では中国がアメリカや日本など、世界各国と貿易せずに完全に鎖国するかといえば、それはあり得ない話で、実は、冷戦時代も東側と西側のあいだでは一応、貿易は行われていた。

また現在、問題になっているウクライナの天然ガスパイプラインは、旧ソ連崩壊(1989~1991年)を間近にした1980年代に造られもので、まだ冷戦時代ではあったが日本も技術を提供していたし、当時もヨーロッパ諸国はエネルギー資源を旧ソ連から買っていた。つまり、東西間で完全に貿易が止まっていたわけではなかったので、このことから推測しても中国と世界各国との貿易が完全に止まるわけではない。

とはいえ私は、世界貿易の関係は徐々に撤退、つまりデカップリング(切り離し)の方向に行くのではないかと考えており、特にアメリカ経済は中国への依存度がかなり高いので、米中間でデカップリングが加速すると思っている。

今や物の生産において各国、中国が欠かせないパートナーに。MacBook Proだって上海から届くし今や世界の工場と化した中国。この依存をどうにかしない限りチャイナリスクは付き纏う。一足先にキャッシュレス化の進む中国のようにこれから日本も同じ道筋を辿るはず。中国の切り離しをどう進めるかが課題。

日本が世界をリードしていく

パンデミックのサイクルについては第5章でも触れたが、2018年 11 月に、政府広報オンラインに「新型インフルエンザの発生に備えて ~1人ひとりができる対策を知っておこう~」というサイトが、次いで同年 12 月には内閣官房ホームページに「2018~2019新型インフルエンザ特設ページ」というサイトが開設された。この両サイトを見ると、インフルエンザには一定の周期(=サイクル)があることがわかる。

戦前は1889(明治 22)年に旧アジア・インフルエンザ、1918(大正8)年にスペイン・インフルエンザが発生している。戦後は1957年のアジア・インフルエンザ、1968年の香港インフルエンザ、2009年の新型インフルエンザの都合3回発生している。インフルエンザではないが、これに今回の新型コロナ・ウイルスを加えると、戦後、パンデミックは4回発生したことになる。

パンデミックが起きた際の株価の動きを見てみると、翌月大きく下がることはあっても、そこから 12 カ月後には、すべてパンデミック発生時に比べて株価は上昇している。

例えば旧アジア・インフルエンザの時は、翌月末の基準月では5・7%下がっているが、半年後には 30・9%上がり、 12 カ月後には 17・7%上がっている。

スペイン・インフルエンザの時は、日本株は下がっておらず、3・7%が半年後には7・2%上がり、 12 カ月後には 42・1%上がっている。

1957年と1968年の香港インフルエンザの時も翌月は下がっているが、その後上がっている。

2009年のメキシコの新型インフルエンザの時は、まだリーマン・ショック直後だったこともあり、日本株はボックス相場になったが、それほど大きく動いていない。

そして、今回の新型コロナ・ウイルスによって株価がどうなるかだが、発生当時に比べて大きく上がることを踏まえると、発生時に約2万4000だった株価は、 12 カ月後には大きく上がっている可能性がある。

コロナとロシアのウクライナ侵攻で不安定な世界情勢の中多くのグロースファンドが評価額を減らしている。ソフトバンクのビジョン・ファンドもその煽りを受けて大きな赤字を出している。まあ冬の時代にスター企業が生まれるとも言うし投資先の選定に慎重になるだけでやめることはないのだろうけど…これからはスタートアップの資金調達は困難になるだろう。

日本が世界をリードするという未来予測は当たるのだろうか?話半分で読み進めるが、ちょっと希望的観測すぎるかなと言う印象。

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