ものが捨てられない人に向けた物を使い切る、収納を増やさずものに振り回されない暮らし、生活のコツを披露。本当に豊かな暮らしというのは物だけで完結する訳ではありません。ものに振り回されず自分のお気に入りと暮らす秘伝書。
モノを持つのは、生きるためと人生を楽しむため
しかし、やっぱり大部分の人間は、モノから逃れることはできません。モノを否定することは、自分の欲望を否定すること、ひいては自分自身を否定することにつながってしまいます。
野生動物のように、自分の欲望に自然に歯止めをかけ、コントロールすることはできないものでしょうか。
食に関しては、それができる人たちがいます。それは、おいしい料理のことを日夜考えているはずのシェフや料理研究家たち。彼らには、均整のとれた体型で、とても健康そうな人が多いのですが、これは、「食」と正面きって向き合うことで、食べることと上手に付き合えているからではないでしょうか。
シンプルだけれどおいしくてセンスのあるレシピで人気の料理家・野口英世さんはこう言います。
「料理の仕事は、長時間立ちっぱなしのハードな仕事。でも、集中力が必要なので、仕事中〝味見〟はしますが〝食べる〟ことはないんですよ。だから、体力を消耗するわりに摂取カロリーは少ないかも。また、仕事柄〝いい素材〟を知る機会が多いので、自然と目と舌が肥えていくんです。すると、つまらないモノは食べたいという気持ちが起きなくなります。どうせ食べるなら、ほんとうにおいしい、納得できるモノを少しだけ。おなかを満たすためだけに食べる、ということは、もったいなくてできないんです」
野口さん自身も、とてもスレンダーで健康的な方。新鮮で高品質な素材を適量、食べることで、料理のプロの体は作られているんですね。健康な人が多いからでしょうか、彼らの多くはよく通る声、輝く瞳をしています。
さらに野口さんはこう続けました。 「食べることって、絶対に避けられない不可欠なこと。だからこそ、納得できるクオリティを求めたいし、それは一つの美学だと思うんです。それは自分が行く店、買うモノなど、選択のすべてに反映しているんじゃないかな」
この「食べることを愛する人が食に向き合う姿勢」は、「引き算する暮らし」と基本的に同じだな、と思いました。
最低限のもので暮らすミニマリスト。そんな暮らしを理想としてもなかなか物欲というのは消えません。丁寧な暮らしをするにはまずは物欲を捨てることより簡単な引き算から。必要以上に物を持たないという生活スタイルでちょっと良いものをチョイスすれば物欲も満たされるし他にものが欲しいという欲もある程度抑制できます。
モノは買ったが最後、ずっと面倒を見なければいけない
まず最初に、 「いかにして買わないか」 を考えてみましょう。
買うという行為は、私たちにとって魅力的です。素敵な商品が、美しくディスプレイされた店内を見て回るのはほんとうに楽しいことです。これを買ったら、私の暮らしがあんなふうに素敵になるだろう、美しくなるだろう……そう思い描きながら、手に取ったり、試着したり。販売員さんに笑顔で接客されるのも、買ったモノをきれいな包装紙でていねいに包んでもらうのも、客として大切に遇されている証ですから、気分のいいものです。
しかし、買うということは、そのモノと「縁を結ぶ」ということでもあります。
それがどんなに小さくて安価だったとしても、ひとたびモノが家の中に入ったが最後、あなたはそれを持っている間中、ずっと面倒を見なければなりませんし、しかもそれを家の外に出すのは、至難のワザなのです。
買ったモノすべてが、あなたの手に負える(つまり、片づけられる、手入れができる、修理ができる)ものであればいいのですが、なかなかそういうものばかりではありません。
また、完璧に使いこなせなくても、見るたびに気分がよくなるほど美しかったり、素敵だったりするなら、持ち続ける価値はあるかもしれません。
今、家の中を見回して、いかがですか? 気に入って買ったはずの洋服は、クロゼットからはみだしてあちこちに引っ掛けられ、通販で買った最新の調理器具は、数回使ったままで放置され、ファミリーレストランのレジ前でねだられたおもちゃは、一回遊んだだけで投げ出され──こんなことはありませんか?
これらにきちんと定位置を与え、常にそこに戻すように努めるだけでも、大変な労力です。モノが多ければ収納は窮屈になり、戻す作業はより頻繁になりますし、しわやホコリがついたり、パーツが欠けないように管理していくのはやっかいなことです。
それは本当に必要か?と自分に問うこと、買った後ヘビーに使うかと一度立ち止まって考える。生活に根ざした使用率となりそうなら買っても良いが、そうでないなら一度考える。ものとの縁を良縁にするために事前にリサーチしてどのくらい必要なのかシミュレーションしてみると良いだろう。
引き算で暮らしをシンプルに。物に囲まれた生活から抜け出し丁寧に暮らすこと少し面倒くさいぐらいがちょうど良いのかもしれません。生活の質を上げる本当に必要なものと暮らすことは心にも効きます。
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