人生100年時代、何が正解か未来になってみないとわからない。80歳になるまで働けるスキルだったり、キャリアアップだけではない、自分のストーリーを生きることをしていかないとどこかで疑問や障壁にぶつかる。自分の居場所を見つけるための書籍。
現代は「正解のない世界」である
リーダーシップは組織の長だけのものではない。誰にでも当たり前に必要なスキルだ。僕たちは皆、自分で自分をリードする「セルフリーダーシップ」を持たなければならない。 では、どうすればセルフリーダーシップを身につけることができるか。正解なき世界で、どうすれば「自分はこうすべきだと思う」という決断ができるようになるだろうか。「正解を探すのではなく、選んだ道を自分で正解にしていく」という考え方がある。第一線で活躍し続けている起業家は皆、そうした行動を突き詰めているように思える(きれいごとではなく、そうせざるを得ないのだが)。 選んだ道を自分で正解にしていく―それはまさにセルフリーダーシップだ。 起業家に限った話ではない。企業に勤めていても、セルフリーダーシップを持って生きることは可能だ。年齢も性別も業種も役職も関係ない。 ただし、選んだ道を自分で正解にしていく生き方は、それなりにパワーがいる。好きでなければ、つまりそこに思いがなければ、続かないだろう。人は好きなことにしか本気になれないのだ。
リーダーシップというと組織の中の長という意味で使われることが多いが、この場合自分自身の指針を明確にして人生を闊歩するためのものという意味合いが大きい。セルフリーダーシップが取れる人間はどのような人生の岐路に立ったとしても自分で決断し行動することで自分に責任を持つことができる。これは責任が自分の身にかかってくる点においてなかなかシビアなリーダーシップだ。正解のない世界で自分の行動指針を明確にして突き進み、時には大きく舵を切るそう船長はあなた自身なのだ。
ティール組織とリーダーシップ
たとえば、組織におけるリーダーシップも、すでに変化を始めている。これを明確にまとめて提示したのが『ティール組織』(フレデリック・ラルー著、邦訳:英治出版) だ。原題は“Reinventing Organizations” だから、テーマは「組織の再発明」。 日本でもベストセラーになったから既読だという人も多いだろうし、未読の方はぜひ手に取っていただきたいが、ここでは僕なりの解釈でざっくり説明しておく。 かつて組織は反社会的勢力のように、恐怖や脅しで統制されていた( Red:恐怖や衝動を象徴する血の赤)。それが軍隊や学校のように、上下関係や規律で統制されるようになる( Amber:制服のような茶色)。 そして今のほとんどの企業は、成果でマネジメントされている( Orange:成果=果実のオレンジ) が、スターバックスやパタゴニアみたいに理念によって運営され、多様性を重んじる組織も生まれてきている( Green:多元的かつ人間的なグリーン)。 ラルーが考えるこれからの組織は、沖縄やハワイの海みたいなエメラルドグリーン( Teal:生命の源である海の色) だ。そこでは、リーダーが統制するのではなく、メンバー一人ひとりが自発的に、それぞれの目標に向かって進む。 日本の企業のほとんどは、グリーン組織に憧れながらもオレンジ組織どまりだし、パワハラが横行するブラック企業はさしずめレッド組織のまま進化していないのだろう。 年功序列制度の伝統があるから、いまだにアンバー組織が好きな人も多いが、旧来型の組織が機能していないことは、みんなすでに悟っている。だから、新しいマネジメントを描いた『ティール組織』は支持されたのだ。 僕の周りにもこの本を読んだ人は多くて、特に経営者には、前半に書かれている自主経営に興味を持つ人が多いようだ。確かにリーダーがいなくても回っていく組織というのは、マネジメント側の人にとっては魅力的だし、インパクトがある。
これからの組織は身軽に動ける少人数のチームを幾つにも分けて運用することが求められる。大企業にありがちな弊害を回避するために『ティール組織』は読んでおいて損はない書籍だ。メンバー一人ひとりの能力を最大化するためにも一役買う。
「二つめの芸風」は必要なのか?
「死ぬ必要はない、会社なんていつでも辞めればいい」 幸い、もともと思いつめるタイプでもない僕は、涙を流しながらもすぐにこう思えて気持ちを切り替えられたため、それ以上「落ちていく」ことはなかった。ただ、鬱になるメカニズムをリアルに体感したのは、後から思えば貴重な経験となった。 父が言ったとおり、 自分のことは自分で決めていい。だから辞めたければ、誰が何を言おうと自分で「辞める」と決めていい。仮に辞められなくても「辞める」という選択肢は自分のこの手にあるのだと忘れずにいるだけで、気分はずいぶん違うと思う。 だが、僕はこの仕事で辞めたわけではない。ディールはなんとか成功にこぎつけたし、むしろ極限まできつい仕事をしたおかげで、自分の得意なことと苦手なことが、よりくっきりと見えてきてよかったと思っていた。 すなわち僕は「これがいい!」と迷わずにクイックに意思決定するのがとても得意だ。逆に、ロジカルに掘り下げて分析し、粘り強くオプションを広げるのは苦手だ。 幸い、チームメンバーに超ロジカルな分析型がいて、僕と彼のスキルの掛け合わせでとてもうまくいったのだが、人事評価のフィードバックは「南さんはさっくり決めすぎる」というもの。 そして本当に退職するきっかけとなったのは、上司の言葉だった。 プロジェクトの総括の際、成功してよかった、交渉相手であっても懐に飛び込んで、うまく味方にして成果を出すという自分の芸風を確立させたのはすばらしいと、上司は僕をほめてくれた。肝心の言葉はその後だ。 「この業界で生きていくなら、ひとつの芸風じゃ無理だ。いろんな案件があるから、時には厳しくロジックで攻めるとか、二つめ、三つめの芸風を身につけてほしい。
スキルは多岐にわたって習得した方が良い。一つのスキルを活かしきるためにももう一つの芸風は役立つだろう。
好きなことしか本気になれないという題名に惹かれて読んでみたが、人生100年時代にはストレスのなるべくかからない方法を見つけて活躍する場を求めていった方が結局成功するのではないかと思わせてくれる書籍だった。
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