絶対に不可能といわれてきたリンゴの無農薬栽培を成し遂げ、ニュートンよりライト兄弟より偉大な発見をした男の感動ノンフィクション。長年の極貧生活と孤立を乗り越えて辿り着いた答えとは? 全てのビジネスマンに読んでほしい名作。
現代のリンゴは、昔のリンゴとはまったくの別物なのだ。
アダムとイブがエデンの園で食べたのはリンゴということになっているけれど、旧約聖書には善悪を知る木の実と書かれているだけだ。善悪を知る木がいかなるものかはよくわかっていない。正体不明の木の実がリンゴになったのは、英語でもドイツ語でもリンゴという言葉が、元々は木の実を意味する言葉だったからだ。
木の実がすなわちリンゴを意味したということは、他の果物を知る以前から、つまりきわめて古い時代から彼らがリンゴとつきあってきたことを意味している。実際にスイスでは四〇〇〇年前のヨーロッパ先住民の遺跡から炭化したリンゴが発掘されている。これは当時からリンゴが栽培されていた証拠だと考える考古学者も少なくない。
ローマ帝国でもギリシャの都市国家でも、古代エジプトでも、リンゴはよく知られた果物だった。人間は数千年にわたってリンゴを栽培してきたというわけだ。
バラ科リンゴ属に分類されるこの植物の野生種は、西ヨーロッパからアジアにいたる広い範囲に分布している。その中でも、現在我々が食べているリンゴに直接つながる原産地は、コーカサス山脈の山麓一帯という説が有力だ。
この野生のリンゴは一般的に小さくて酸味や渋みが強く、少なくとも現代人にはとても食べられたものではない。欧米では今も料理やシードルという酒の材料としてクラブアップルというリンゴが栽培されている。野生種に近い甘みの少ない小さなリンゴだ。エジプトやギリシャの人々が食べていたのも、おそらくそういうタイプのリンゴだった。
とはいえ、当時から接ぎ木の方法は知られていた。
品種改良を重ね大きく甘くなったリンゴ。そんなに昔から栽培されていたなんて驚き。現在の果物といえば甘くて食べやすくなったものばかりが店頭に並ぶ。果物のみならず野菜もフルーツさながらの糖度を誇るものまで。最近の栽培技術といったら半端ない。
リンゴ農家といえば、弘前の飲み屋街では上客である。
同じリンゴ農家の木村がなぜそこまで貧乏しているのか。
そう問われて、隠すことは木村には何もなかった。おそらくは彼のことだから、面白 可笑しく、虫が葉を喰い荒らし放題のリンゴ畑の惨憺たる有様と、それから無農薬のリンゴを作るという夢の話をしたのだろう。
木村が人から好かれる理由は、彼と話をすればすぐにわかる。
まず、話が面白い。自分を飾る人ではないので、たいていは数限りない木村の失敗談を聞くことになるのだが、イントネーションと話の 間 が絶妙で引き込まれてしまう。しかも彼の話にはいつもオチがつく。津軽弁の落語を聞いているような感じなのだ。
リンゴの話ばかりかというとそうでもない。そして酒を飲むと、本当か嘘かわからないような荒唐無稽な話が混じるようになる。荒唐無稽なのだけれど妙なリアリティがあるから、聞いているときはつい信じてしまうのだ。
木村が酔って気分が良くなると、決まってする不思議な話がある。
宇宙人に会った話だ。
僕の住んでいる地域でも昔、梨の栽培をしていた農家はかなり儲かっていたらしい、今ではその土地もマンションなどに変わってしまったが、金持ちの部類だ。
奇跡のリンゴにまつわる人々のお話。絶対不可能を覆した男のリンゴとの格闘記。
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