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売りたかったら、売り込むな!小さな会社 社長の営業|古川 隆|値下げなどしたら逆効果!

値下げなどしたら逆効果!お客は良い商品が欲しいわけで、値下げなど望んでいない。それを裏付けるのが、今勢いのある企業たち。小さな会社が取るべき戦略とは?

お客様が本当に求めていることが見えてくる

「お客様は何を求めているのだろうか?」 「この人はどうしてほしいのだろうか?」お客様の利益について関心を持つのです。そして、お客様が何を考えているのか、どうしてほしいのかを知りたいので、それをそのまま質問という形で行動に表します。「きっとこうだろう」「こうしてほしいに違いない」などと根拠もないのに決めつけることはしません。お客様が考えていることはどういうことか、お客様が求めているものは何か聞き出すのです。マンション販売の営業マンであれば、家族構成やライフスタイルについてお客様に尋ねます。お客様が重視していることを少しずつ明らかにして、知ろうとするのです。たとえ、お客様が「1000万円のマンションを980万円にしてほしい」と言われても、その要求をうのみにはしません。「子どもが大きくなったので、子ども部屋が欲しいって言ってたな」 「親の介護のためにバリアフリーの物件を探しているって話していたな」このように本来の希望を確認できているから、うのみにする必要がないのです。

営業や販売員で大事なのはお客のニーズを汲み取ること。そこがきちんとヒアリングできていれば、ただ単に値引きをすればいいよいう発想にはならないはず。値引きをした4000万のマンションより、高いがニーズを満たした5000万のマンションなのだ。そこがわかっていないとみすみすより高い売り上げを上げるチャンスを捨てるようなものだ。

本題の前のワンクッションが重要

たとえば、玄関に何らかの置物や飾り物があります。目に入ったものが会話の題材です。 「これは何ていうものなんですか?」 「こちらはどこのものなんですか?」というように、何かを見つけて質問します。一般的に人は自慢したいもの、気に入っているものを飾りますから、「これは何ですか?」と質問されると、とても喜びます。「これはですね……」と照れながらも、うれしそうに説明してくれます。棚に置いてあるもの、床に置いているもの、壁にかかっているものにかぎりません。お客様が着ているものだって質問の対象になるのです。 「今お召しになっているものは、何というものですか?」と、相手が身につけている洋服やアクセサリーについて尋ねても喜んでくれます。営業の現場では、本題の前に、このワンクッションが大切なのです。 相手との関係をより親密にするために、まず相手が喜ぶ話題を投げかける ということです。するとお客様は話し出します。自分が気に入って飾っているものについて聞かれたから、うれしいに決まっています。自分が似合うと思っている服やアクセサリーだから、喜んで話してくれます。自分を喜ばせてくれる人が嫌いなわけはありません。話しているうちに、営業マンとの距離が縮まり、気がついたら最初と比べて近い関係になっている。そこから本題の営業トークを切り出せば、お客様は好意的に話を聞いてくれるというわけです。

僕の場合は他人を家に招くことはないので玄関を飾ることなどはないが、いつも使う机の上はお気に入りの本で埋めている。読み終わった本の中でもお気に入りの背表紙を見ているとちょっと気分が良くなるものだ。たまに人が入ることがあってその書籍に興味を示すとちょっと得意げにその本について語りたくなる。そういった承認欲求的なものを満たすよう相手に接すれば円滑な関係を生むのに役立つだろう。

お客様に認められるための地域戦略

【商品戦略】 他者と比べて優れた商品や差別化されているサービスは何か。

【地域戦略】「このエリアで1位を目指す」と想定した営業エリアを設定しているか。

【客層戦略】 自社が最も得意とする客層を絞り込んでいるか。

4つの営業活動を行っていくにあたり、この3つの戦略が明確に練られていれば、お客様づくりが順調に進み、一度利用してくださったお客様に繰り返し利用していただけたり、紹介をしていただけるようになるのです。なお、福一不動産は4つの営業活動のうち、2つ目の「受注」を重点課題にしています。 「見込客の開拓」と「顧客維持」、そして「紹介依頼営業」については、西日本最大の歓楽街、中洲(=地域戦略)で、中洲の飲食店店舗(=客層戦略)の不動産仲介(=商品戦略)をメインに経営をするというように戦略を立て、取り組むようにしています。

商品やサービスがいいのは当たり前。その地域に根差しているかも重要だ。そしてターゲットをうまく設定できているかも大事。この三つが揃ってはじめてその地域でトップの売り上げが叩き出せるというものだ。

商品やサービスが良質のものでないのに値引きやゴリ押しの営業で売り上げをあげようとするのは本末転倒。小さな会社だからこそ信用、信頼を得るために地域に根差した営業を行うべき。売りたかったら売り込む前のステップを確実にクリアしていきましょう。

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