統計学の入門書を読んだけれども理解できなかった人に向けて、これ以上噛めないほど噛み砕いて丁寧に解説。これでわからなかったら日本語の勉強をしてください(笑)
左右対称の山のようなグラフ
分析し、理解するためにデータを集めるとき、それらは往々にしてまちまちになるものだ。
すべてのデータがきれいにぴったり揃ったり、明らかな整合性を持っていたりはしない場合が多い。不確実であることが、一般的なのである。
これを「データの分布」と呼ぶ。
分布したデータを理解するために必要とされるのが、1章で解説した平均値や標準偏差だ。
データの分布を理解するための要素を理解したところで、次は統計学において、もっともポピュラーなデータの分布といえる「正規分布」について解説していきたい。
正規分布とは、いわば分布の王様。もっとも代表的な分布 である。
では、どのようなデータの分布を「正規分布」と呼ぶのか。
見てもらうのがわかりやすいだろう。
図17のように、正規分布はグラフにすると一つの左右対称な山のような図形を描く。
また正規分布となるデータは、平均点を境にして、その前後に同じようにデータが散らばる。その散らばり方にも特徴がある。
図からもわかるように、平均値とグラフの頂点はほぼ一致する。
グラフの頂点のことを「中央値」という。
平均値の度数、つまり中央値がもっとも高く、そこから左右の両側に、同じようになだらかな曲線を描きながら、グラフは下に降りていくのである。
そして、どのような曲線を描くかを左右するのは、標準偏差、つまり分散にルートをかけた数値なのである。
よく見かける左右対称の山のようなグラフが正規分布。平均値を知るためには極めて重要なグラフで、例外はほとんどないぐらい山型に。そうならい場合は何か特別な要因が考えられるのでそこを重点的に調べる必要がある。
視聴率は本当に正しいの?
今の世の中、テレビ番組を見ない人が増えているそうだ。
若者はスマホで、見たいものを見たいときに見る習慣が根付いている。
無料動画サイトも賑わっているし、動画配信サービスも次々登場している。
視聴習慣が変わってしまったことで、若い人の一人住まいの部屋には、テレビがないことも珍しくない。
親が子どもに番組を見せたくないという考えから、テレビそのものが家にない家庭もある。
当然、テレビ業界にはかつての賑わいがない。 視
聴率は軒並み下がり、広告収入も減ってしまい、テレビ局は苦労しているようだ。
だからこそだろう。
テレビ局も世の中も、番組の視聴率にはとても敏感だ。
テレビドラマ放送日の翌日になると、 「先週より0.8ポイント上昇」 「今週は8.9%で1ポイントの大幅ダウン」
といったウェブニュースが飛び交うのは、以前にもまして視聴率の増減に、制作側が一喜一憂しているからなのかもしれない。
視聴する側も、視聴率を人気のバロメーターの一つとして認知してきた。
最近は、番組に関連するSNSの投稿数なども、人気を示す一つの指標として定着してきた。
しかし、視聴率は数字によってハッキリと、「見ている人が多いか、少ないか」を明らかにしてくれるので、わかりやすく、飛びつきやすい。
ところで、冒頭でもいった通り、日本には約5800万世帯が存在する。
視聴率とは、5800万世帯のうち、何%がその番組を見たのかを示すものである。
ところが、視聴率調査のために集められているサンプル数は、たったの6900世帯分。
総世帯数の実に8400分の1といったところだ。
たったこれっぽっちのサンプル数で、正しい視聴率がわかるのだろうか。
そう疑問に思うのが統計学のわからない人であり、そのくらいで十分だと納得するのが統計学のわかる人である……とは、冒頭にも述べた通りだ。
本書を読みはじめる前、多くの読者は前者であっただろう。 「インチキしてるんじゃないか」 「手心が加えられているんじゃないか」 と疑惑を抱く人もいたかもしれない。
しかし、ここまで統計学を学んできたあなたなら、 「できるんじゃないか」 という感覚に変わってきたはずだ。
視聴率ほど身近な統計はないのではというぐらいメジャーな統計。総世帯数の実に8400分の1できちんとしたデータが取れるところを見ると統計を取る上で必要なサンプル数が見えてくる。
統計学を身近に感じてもらうための入門の入門書。きちんとした例を挙げながら詳しく教えてくれるので初見でも理解できるような構成になっています。
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