高校数学の中でも特に難しいとされる微分・積分について、化粧、ウェブ検索、裁判、選挙、桜の開花予測、競馬のオッズ、恋愛、仕事での昇進など日常をベースにした合計43の観点から説明した一冊。微分・積分の考え方は、実際の数式や数字を扱うものでなくとも日常生活の様々な場面で活かされています。
数式の前に「微分・積分」の世界を知ろう!
私は、国立大学の数学科で数学を研究しています。
子どもの頃から数学が好きだったこともあり、微分・積分には小学生の頃から触れていました。
初めて微分・積分の式の記号の意味を知ったとき、自分の数学力のステージがひとつ次のものに進んだかのような気持ちになりました。数のとらえ方が斬新だったからです。
それまでの私は、方程式や幾何学などを勉強していました。 ただ、それらは「公式に従って計算をする」というものでした。 もちろん微分・積分にも公式はあります。しかし、ただ計算するだけではありません。
それまで勉強していた数学は、動かないもの、変化しないものについて計算する静止画のようなものでした。止まっていたのでその姿をとらえやすく、計算もしやすかったのです。
しかし微分・積分は、物の動きや変化について計算するものなので、 静止画ではなく動画だった のです。 動いていて、刻々とその姿を変えるものに対して計算していくので、たくさんの計算が必要になっていきます。
さらに微分と積分では、数字の変化のとらえかたが違います。
たとえばプールに水を入れるために水道の蛇口を勢いよくひねったら、水も勢いよく出てきます。そして蛇口を締めていくと、水の勢いは弱まっていきます。この様子をグラフで見てみましょう。
微分のグラフでは、物が変化する勢いの度合いを調べるために「蛇口をひねってからの水の量」を表しています。
すると、勢いよく出てきたときのグラフは急な上り坂のように見えます。 そして蛇口を少し締めたときは、坂の角度が緩やかになります。そうなると、水が 溜まる量は少なくなるので、プールの水が満ちるまでに時間がかかるようになるのです。
一方の積分のグラフでは「水の勢い」を表しています。1秒間にどのくらいの量の水が出ているかを見ているのです。
蛇口をひねったときは、最初の1秒目からすごい勢いで出ているので、グラフも高い位置から始まっています。 そして蛇口を少し締めると水の勢いは激減するので、グラフもガクリと落ちています。
積分のすごい点は、このグラフから「合計でどのくらいの水の量が出たのか」がわかることです。グラフの線の内側部分の面積を計算すれば、簡単に求められるのです。
微分では、溜まった水の量により水の出る勢いを調べていましたが、積分では水の出る勢いを記録することで溜まった水の量を調べていたのです。
このように、微分や積分は、その計算目的が具体的で、問題意識を持って取り組むものが多いのが特徴です。 とても計算のしがいがある分野なのです。
微分積分、学校で習ったにもかかわらず、内容や公式などほぼ記憶にない。日常の事象を微積分で捉えるなどしてきた著者のような好奇心がない人にとっては大人になるにつれ使わなくなるものかと思います。日常ではそんなふうに微積分を捉えるんだと目から鱗が!
微分で計算すれば「恋愛」もうまくいく!?
アイちゃんが、バレンタインデーに塾の先生にチョコレートを渡すため、張り切って手作りしています。
塾の先生はかっこよくて優しくて、みんなの人気者なのだそうです。 グラルくんには試作品をおすそわけしてくれました。
最初はアイちゃんのように憧れで始まり、お互いのやりとりを通じて、特別な感情に発展することもあるでしょう。 しかし、憧れのまま終わり、恋愛には発展しないケースのほうがおそらく多いのではないでしょうか。
恋愛感情は、常に一定ではありません。
たとえば交際を始めたばかりの頃は、とても楽しく、相手のよいところばかりが見えるものです。 しかし交際が進むにつれて、たとえば相手の浮気が発覚したり、暴力を振るわれたりということもあるかもしれないのです。
そのような大きな事件ではなくても、たとえばデートの時間に遅刻されることが続いたり、メッセージの返信がなかなか戻ってこなかったりなど、小さなガッカリが続くと徐々に相手に対する好感度は下がってしまいます。 しかし、相手の誕生日にサプライズでお祝いをすると、好感度を上げることもできるのです。 ただし「こんなことで私の機嫌が直ると思ってるの?」などとチクリと言われる可能性もあるでしょう。
恋愛における相手の好感度は、微分によってある程度は計算したり、推測したりすることができます。 グラフは、縦軸が好感度、横軸が時間で表します。つまり時間が経つにつれて相手の好感度がどう変化しているかを把握することができるのです。 時間が経つにつれ好感度が上がる人もいれば、下がってしまう人もいます。
しばしば 「こんなにお金をかけたのにどうして好きになってくれないんだ!」と嘆く人がいますが、恋愛はかけたお金の額で決まるわけではありません。 いくらお金をかけても相手の自分に対する好感度が上がらなければ、意味はないのです。 どうしたら自分の好感度が上がるかを考えることが必要なのです。
恋愛でなくても推し活でもこのようなミスマッチが生まれがち。無償の愛で推しを推すのが正解なのだろうが、如何せん趣味なのでお金がかかる。恋愛と同じで相手にも見返りを求めるようになりそれが足りないと推し変や、推し活自体を馬鹿馬鹿しく思うようになることだってあるのだ。恋愛における蛙化現象なんていうのもそのうちに一つ。付き合う前には見ることのなかった素に戻った彼氏、彼女に幻滅するなんてよくあること。片思い中は相手が何割ましかで見えているものなので起こる現象だろう。インフルエンサーとしてそこそこ有名になった人でも裏では案件の商品をくれくれと要求するただの乞食みたいな人もたくさん見かける。付き合う相手はきちんと見極めたいですよね。
私たちの身近な事象を微分積分で考える異色の書籍。数学の世界と現実社会の架け橋とも言える数字のマジックを体感してみては?
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