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桃太郎はニートだった! 日本昔話は人生の大ヒント|石井正己|現代社会にも通じる数々の教訓

日本の昔話の創作裏舞台を見ていくと現代社会に通ずる数々の教訓が隠されていることはご存知の通り。昔話というフィルターを通して新しい角度から人生の豊かさを実感するための書籍。

本当はニートの「桃太郎」

この世に生を受けた桃太郎は、周囲も驚くほどの速さで大きくなっていきます。異常誕生の小さ子は、その成長も異常なまでに速いのです。口伝えの話や、それを踏まえた近年の絵本では、桃太郎が成長していく様子を大変愉快に表現しています。

たとえば、「一杯食わせれば一杯分だけ、 一 臼 食わせれば一臼分だけ」というふうに、ご飯を食べれば食べるほど、ずんずん大きくなっていく桃太郎が描かれています。

さて、立派に成長した桃太郎は、「鬼ヶ島に行って鬼を退治してくる」といい、お爺さんとお婆さんを驚かせます。ところが、大きくなった桃太郎が鬼退治を決意するまで、何か特別なことをしていたのかといえば、そうではありません。

勤勉に生活したという話もありますが、いっぽうには、どうしようもない怠け者だったという伝承もあります。

それは中国地方や四国地方によく伝わっています。隣に住む友達から、「冬がくるので、木を切りに行こう」と誘われても、「今日は 鎌 を研ぐ日だから……」とか、「今日は 草鞋 を作らなければいけないから……」と、理由をつけては面倒くさそうに断っているのです。

成長しても親離れしない、そして大人としての自覚に欠ける……。これでは最近問題になっている「ニート」と呼ばれる若者と変わりはありません。「ニート対策」などといった言葉が聞かれるくらいですから、ニートは国家レベルの問題になりつつあります。しかし「元祖ヒーロー」の桃太郎は、中世のものくさ太郎の系譜を受け継いだ「元祖ニート」でもあったのです。

やがて、ようやく重い腰を上げた桃太郎は、友達と一緒に山へ木を切りに行きます。そこで彼は大木を引き抜く離れ業を披露し、大変な力の持ち主だったことがわかります。

こうして桃太郎は村人たちを困らせる鬼の退治に出発するわけですが、考えようによっては、家で怠けている間にエネルギーを蓄えていたともいえます。使命に目覚め、行動を起こしたときにこそ、それは大きな力となって爆発することを「桃太郎」は教えてくれるのかもしれません。

ニートの桃太郎、僕もニートだったので(今では年齢がその定義に当てはまらないので)その行動指針解ります。なんとなくのらりくらりとやらなければいけない事から逃げて暮らす(笑)休んでいた分力が有り余っていて、意欲に満ち溢れた青年になんてことは現実には難しいかな。まあ休みたい時、環境が許すならばは休めばいいと思います。

メディアが歪めた「かちかち山」

昔話の世界では、「三」という数字が重要な意味を持ちます。「三」は昔話を語る上で切っても切り離せない数字といえます。

たとえば「桃太郎」の場合、家来の動物、犬、猿、雉の数が「三」になります。「猿蟹合戦」の場合は、敵討ちに参加した者、栗、蜂、臼の数が「三」です。

助っ人の数だけとは限りません。「猿婿入り」や「なら梨取り」といった昔話には、「三人姉妹」や「三人兄弟」が登場します。

しかも、昔話の主人公になるのは、末娘や末っ子、すなわち「三番目」に生まれた子供たちで、上の子たちはたいてい脇役に甘んじます。

この三の数について、スイス生まれの昔話研究者マックス・リュティは、「三の数がメルヒェンのなかで人物や物の登場の仕方を規定し、そのうえさらに話のすじの経過を規定するということは、三に慣れた聴き手に、語り手に与えるのと同じような一種の安心感を与える。つまり語り手にとって三という数は記憶の支えであり、構成の一手段であり、従って芸術的効果をはたらかすための一手段なのである」と分析しています( 小 澤 俊 夫 訳『昔話 その美学と人間像』)。

ほかにも「三年寝太郎」(「ものぐさ太郎」)、「三枚のお札」、「三人兄弟」のように、題名に「三」がつく昔話はたくさんあります。

確かに日本では「3」という数字が珍重されてきた歴史があるようで日常の様々なシーンで「3」に出くわす。中国でも三顧の礼とかあるし「3」にまつわるあれこれは探すといっぱいありそう。人間の心理的にも抵抗感が少ない数字なのかも。

日本昔話から豆知識を学びながら現代に通ずる教訓を得るための書籍。ただの物語ではないこれらの昔話は読み継がれてきた歴史と共に我々の深層に深く根付くものかと。

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