うまくいっていると思っていた人間関係が突如崩壊するなんてことは日常茶飯事。そう思うと人間関係って面倒臭いと思いがち。「自分がいないところで悪口を言っているのかな」などと疑心暗鬼になったりします。学校や職場での誹謗中傷などの攻撃手段に怯えないためにも心を病まない対策が必要な世の中になったということか。
ウワサの真相
なぜ、ミカはいじめのターゲットにされたのか?
一つめのは、なぜ、ミカがいじめのターゲットにされたのか、である。
じつは、理由など何もない。現代のいじめに理由はないのだ。だれもがターゲットになりうるし、だれもが加害者になりうる。だから、ミカがターゲットにされたのにも理由はない。
ミカは、クラスの中心的存在であるアユカのグループの一員だった。そのため、まさか自分がいじめられることはないだろうと思っていた。子ども社会では、自分が権力者であるか、権力者と親しい人間であるかどうかは、いじめにあわないための重要な要素である。 「うちのグループだけは、いじめなんてやめようね」というアユカの言葉は、逆にいえば、「いじめを行うか行わないかは、私しだいよ」という権力の誇示であり、実効性のない約束、いわば、まやかしである。 「私たちは絶対にいじめなどしない。それだけ信頼し合っている友人だ」とあえて言葉にするのは、ほんとうはお互いに信じられないからだ。
結局、いじめは起きた。アユカとミカとのあいだに、いじめのきっかけになることがあったのかもしれない。たとえば、アユカがどうしてもほしいのに買えない財布をミカがもっていたとか、あるいは、アユカの好きな男の子がじつはミカを好きだったとか……。
本来、こうしたことは、アユカがミカを嫌う理由にはなっても、いじめる理由にはならない。しかし、子ども社会のいじめは、首謀者のちょっとした気まぐれで起きる。いじめは、きっかけさえあれば、簡単に起こってしまうのだ。
ミカに対するいじめは、ウワサというかたちで展開されたが、この事例だけでなく、いまやウワサがいじめの手段として利用されることはめずらしくない。しかも、そのウワサによって、いじめはさらに悪質なものに発展している。
いじめやなんかを行う幼稚な人たちは相手にしないのが一番だが、ターゲットとなった人たちからすれば死活問題。学校や職場で孤立したり場合によっては転校、退職に追いやられることも。いじめる側は理由があると言いたいのだろうがそれは理不尽なものであることが多い。悪質ないじめにどう対処するか?答えのない問いが続く。
なぜ、人はウワサを流すのか
なぜ、私たちは、ネット上ではウワサを攻撃の手段として利用し、悪質な誹謗中傷へと発展させるのだろうか。自分がだれなのか簡単にはわからないという安心感があるとはいえ、過激な言葉を書き込み、ときには見ず知らずの、あるいはネット上だけでしか知らない人間を攻撃することができるのはなぜなのか。
一つには、文字を打ち込むだけという、攻撃している自覚の乏しさがある。ましてや相手は目の前におらず、しかも自分の知らない人間なのだから、傷つけてもかまわない。攻撃しているのは自分だけではなく、もっとひどいことをしている人間がたくさんいる、という意識なのだ。
人は、悪いことをしているときにかぎって、自分よりもっと悪いことをしている人間を見つけ、自分はたいしたことはしていないと思おうとする。ときには法律までもちだし、「法にふれることをしているわけではない」と言い逃れようとする。
じつは、こんなときこそ、自分が悪いことをしているという自覚がある。自覚があるからこそ、自分の行動を正当化しようとするのだ。
こうした状況が続くうちに、ネット世界には“集団ヒステリー状態”がつくられていく。ウワサが誹謗中傷へと発展するにつれ、攻撃するのが当然のことになり、ターゲットが攻撃されるのは「当然」で、「しかたがない」ことだという空気ができあがる。人を攻撃することは、心拍数を高め、興奮状態にさせる。
また、ネット世界には、加害者として便乗はしないものの、人が攻撃されているのを画面を通して見ている人がいる。ウワサという名の誹謗中傷を読んで笑っている人がいる。発信者はウワサがみんなに受け入れられ、広まり、盛り上がるかどうかを気にするものだ。自分の流したウワサを喜んで盛り上がってくれる人たちは、発信者にとっては大事な観客なのである。
ネットの掲示板に悪口を書き込む人たちが一定数いるのは嘆かわしい事実。それがターゲットの目に触れるように「〇〇ちゃんの悪口がこのURLの掲示板に書いてあったよ」などと良い人ぶって報告してくる輩もいる。ネットの掲示板は見ないに限る。
友達不信になるケースを一つずつ解説。どんないじめが世の中にあるのかを可視化する。それに伴い、人間不信にならないための処方箋も出す。嫌な世の中だ。
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