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勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版|千葉 雅也|勉強ができるようになるためには、変身が必要だ

かつての自分と決別し新しい自分に変身するのが勉強。気鋭の哲学者が示す独学で勉強するための方法論をとことん追求した本格的な勉強論がここに爆誕!!

自由になる、可能性の余地を開く

自由になるということ。それは、いまより多くの可能性を考え、実行に移せるような新しい自分になるということです。新たな行為の可能性を開くのです。そのために、これまでの自分を(全面的にではなくても)破壊し、そして生まれ直すのです。第二の誕生です。

会社や家族や地元といった「環境」が私たちの可能性を制約している、と考えてみる。

生きることは、環境から離れては不可能です。私たちはつねに、何かの環境に属している。特定の環境にいるからこそできることがあり、できないことがある。圧縮的に言えば、私たちは「 環境依存的」な存在であると言える。

概念を定義しながら、話を進めていきましょう。まず、「環境」と「他者」から。

本書では、「 環境」という概念を、「ある範囲において、他者との関係に入った状態」という意味で使うことにします。シンプルには、 環境=他者関係 です。小さい規模では、「恋愛関係」や「中学時代の仲間内」も、環境として捉えてください。大きなものでは、「日本社会の全体」や「インターネットの世界」、「グローバル市場」などもそうです。

「他者」とは、「自分自身ではないものすべて」です。普通は「他者」と言うと、他の人間=他人のことですが、それより意味を広げてください。親も恋人も、知らない人も、リンゴやクジラも、高速道路も、シャーロック・ホームズも、神も、すべて「他者」と捉えることにします。こういう「他者」概念は、とくにフランス現代思想において見られる使い方です。

環境的な制約=他者関係による制約から離れて生きることはできません。

環境のなかで、何をするべきかの優先順位がつく。環境の求めに従って、次に「すべき」ことが他のことを押しのけて浮上する。もし「完全に自由にしてよい」となったら、次の行動を決められない、何もできないでしょう。環境依存的に不自由だから、行為ができるのです。

「何でも自由なのではない、可能性が限られている」ということを、ここまで「不自由」と言ってきましたが、今後は、哲学的に「有限性」と言うことにしましょう。逆に、「何でも自由」というのは、可能性が「無限」だということです。

無限vs.有限、この対立が、本書においてひじょうに重要になります。

無限の可能性のなかでは、何もできない。行為には、有限性が必要である。

私たちの課題は、有限性(=不自由)とのつきあい方を変えることです。有限性を完全に否定するのではありません。有限性を引き受けながら、同時に、可能性の余地をもっと広げるという、一見矛盾するようなことを考えたいのです。

有限性とつきあいながら、自由になる。

有限性(=不自由)の中に学びの源泉がある。視点を変えて有限性を認めつつその中に可能性を見つける作業が勉強なのだと思います。制約があればそこに学ぶ機会が生まれます。

専門書と一般書

では、どの入門書を選ぶべきかなのですが、これは結局、情報の信頼性をどう判断するかという一般的な問題になります。原則としては、同語反復ですが、 信頼できる人物や機関の情報を信頼する。しかし、その判断はなかなか難しいでしょう。

信頼性の条件とは、第三章で述べたように、多くの情報を十分に集めて比較するなかで仮固定の結論を出し、さらに比較を継続していること、です。これは、言い換えれば、「たえず勉強を続けている」ということにほかなりません。

勉強するにあたって信頼すべき他者は、勉強を続けている他者である。

多くの他者の意見(つまり、他者の勉強の成果)をふまえずに、何か環境のコードを押しつけていたり──「三〇代のビジネスパーソンはこうあるべき」といった押しつけは、日本のどこかの会社=環境のコードを不当に一般化している──、あるいは、自分勝手な決めつけをしている──つまり決断主義的に決断している──ような語りは、どんなに有名でカリスマ的に人気がある人のものでも勉強の足場にすべきではありません。

勉強の足場とすべきは、「 専門書」です。もっと限定すれば、学問的な「 研究書」です。 「書物には、専門書とそれ以外がある」、または「研究書とそれ以外がある」という二分法で考えてください。「それ以外」は、「 一般書」と呼ばれます。  実は、アートでも金融でもスポーツ科学でも、プロと言われる人たちは、そういう目で本屋さんの棚を見ています。

学問的な研究書は「厳密」なものです。

慎重な観察や実験、資料の読解にもとづいている。学問の歴史をふまえ、さまざまな見解を比較している。そして、僕はとくにこの点を強調したいのですが、一字一句が吟味されたものであり、書いてあるとおり、「文字通り」に読むことが期待されている。

多くの研究書には、注があり、巻末に参考文献のリストがあります(哲学書などでその形式でない場合もあります)。

研究書に加え、もっと広い意味での専門書には、技術のマニュアルや、専門業界の情報をまとめたものなどを含めることにします。専門書は、直接・間接に学問につながっています。

細かく分けるならば、専門的な知識をわかりやすく紹介する入門書や、専門家の対談本などは「準専門書」と言えるでしょう。

入門書や手軽に手に入れることができる書籍だけでは不満に思えてきたら専門書の出番。分厚く値段も高い専門書はハードルが高く専門性が高いために絶版になったものが中古市場でも高値で取引されていたりと障壁はありますが、腰を据えて勉強するならやはり専門書。

勉強の哲学を勉強方法と共に示してくれる羅針盤。勉強ってなんだ?と疑問が湧いてその意味に悩んでいる人に向けた処方箋。それ以外の人にも勉強のクオリティーを上げる方法論が詰まった一冊になっております。

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