万人に向けた医療啓発本。医療改革の方向性と豊かな未来を形成するための可能性について考えさせる、そんな書籍。私たちは医療に何を求めるか?現行の医療制度ではかなわないことかなう事。医療が病人を待っている以上病人は減らないのだ。
あなたの財布から大事な原資が持ち出されている
日本では、国民皆保険といって、すべての国民が健康保険に加入することになっている。 つまり、ここで挙げた協会けんぽに限らず、皆さんは必ず何かしらの健康保険に加入し、その保険料を支払うことになっている。 だからある意味、健康保険料は税金のようなものなのだが、消費税を2%上げるためにあれだけの年月と論争を要するのに、健康保険料となると、大きなニュースになることもなく簡単に値上げされてしまうから不思議だ。 上限の 12%にしても、今の財政状況を考えれば、健康保険法が再び改正され、引き上げられていくのは目に見えている。 こうした保険料の値上げを行っているのは、 協会けんぽだけではない。保険の仕組みを含めた医療の成り立ちそのものについては第2章で詳述するが、自治体の国民健康保険や大企業の健康保険組合などにおいても、程度の差こそあれ、保険料は確実に値上げされている。 医療をはじめとする社会保障が、社会の「保障」としてではなく、国の財政を逼迫する大きな「負担」として語られるようになって久しいが、これらの国の負担は、当然ながら「国」という第三者が支払っているわけではない。 他の誰かが背負ってくれているわけでもない。僕たち国民自身が背負い、支払っている のだ。 そして、実際に、あなたやあなたの企業が日々負担している保険料の金額は値上げされ、一方で(仮に給料が上がらなければ)、あなたの手取りはますます少なくなっていく。 自分も家族も健康そのもので、ふだん家族の誰ひとりとして医療のお世話になることはほとんどない、という人もいるだろうが、そうした人たちにとっても、医療の「これから」は他人事ではない。皆保険という制度のもとでは、医療を使う使わないに関係なく、健康保険に加入し、保険料を支払わなくてはならない。つまり社会全体の負担はあなたの肩に─いや、財布に─重くのしかかっているのだ。
消費税の増税の場合あんなに反対者や批判が起きるのに、こと健康保険料となると値上げされたとしても誰も文句を言うことなく受け入れてしまう。それだけ信頼の厚い日本の医療だが、これからはさらに高齢化が進む世界なので、医療費の補助なども考えなくてはならない。お年寄りが病気でもないのに医者に通い井戸端会議をして、帰りにようもない薬(湿布薬など)を処方されて帰っていくなんてこともこれからは抑制していかないと無駄に薬価代が増幅して国民の税金(この場合健康保険料)が悲鳴を上げることに。
「チーム・ヘルスケア」が最強になる、機能的な役割分担と連携を目指す
各プレイヤーがどのような役割を担い、どのように連係するかは、医療にその実力を発揮させるための足場となる重要なポイントだ。 サッカーで言えば、フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダー、ゴールキーパー。フィールド内には、さまざまな役割を持つプレイヤーが必要だ。もちろん、ゲームを成立させるためには、監督やレフリーの存在も欠かせない。チームの特徴、各プレイヤーの特性を踏まえた、より踏み込んだ役割分担や、そのうえでの密な連係も重要になるだろう。 マネジメントの原理原則に従った医療の仕組みの中では、すべてのプレイヤーが「いかにチームのゴールに貢献したか」という実績で評価されなくてはならないことは、前述のとおりだ。だから、各プレイヤーは、そうした評価が高まるように役割を見出し、創意工夫をする。その試行錯誤のなかで、自分の力を発揮しながらチームメイトの力も引き出すようなwin-winの連係を築いていく。 このwin-winの連係ができればできるほど、チーム全体の力は加速度的に高まっていく。ゴールの実現が大きく前進するのだ。 たとえば、今の医療制度を前提としても、ちょっと発想を変えるだけでこんな連係ができる。 次章で詳述する米ピツニーボウズ社がその最たる例の一つだが、支払者が、健診のデータを活用し分析したうえで、従業員の健康づくりのプロジェクトを組んで、従業員や医療機関と連係するのだ。 従業員の健康を守るにはどのような手立てがあるだろうか。職場の環境を整えたり、健康を維持増進する活動にちょっとしたインセンティブを持たせたり、社員食堂のメニューを健康的なものにするなど、従業員の健康維持増進のために働きかけることができる。 一方、医療機関に対しては、従業員の健康維持や重症化予防という目標を提示して、その達成に尽力してもらうように働きかけることができる。あるいは、そうした目標達成に応じた支払い方法を導入することもできるだろう。 従業員が健康になれば、企業は従業員の体調不良のために生じる損失を大きく減らすことができる。自分の健康をケアしてくれる企業に対しては、従業員のロイヤリティーも高まるだろう。一方で、従業員も、より健康的な心身を手にし、仕事にもプライベートにも充実した時間を送れるようになる。まさにwin-winの関係だ。
コロナのおかげで医療従事者が厳しい環境にさらされ、これから医療を目指していくであろう若者の気持ちが志が折れないか心配だ。国や自治体はその不安を払拭すべく施策を練っていかないと医療格差は浮き彫りになっていくであろう。
長生きするために必要となってくる医療機関。長く元気でいるために今から医療に関する知識を高めておこう。こうしたリテラシーも健康を願う上で重要な教育となってくる。人生100年時代の医療への関わり方がわかる本。
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