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企業の成長戦略が10時間でわかる本|木嶋豊|起業・MBA(経営学)・IPO(株式公開)のエッセンスを同時に学べる

ベンチャーの目利きが語る起業からIPOまでの最短の道筋を余すことなく紹介。上場できるような成長企業とそうでない企業の違いを明確にして、最重要項目だけをピックアップ。欧米の有名大学で教えられるMBAの授業内容とほぼ一緒の内容がこの一冊に。

あったら便利リストの作成

新事業を始める際に一番大切なことは、どんな新製品、新サービスを提供するかです。アイデアをどのように出すか。ここで、将来の成長は大きく左右されます。

まず取り組むのは、こんなものがあったらいい、こんなサービスが受けたいといった、「 あったら便利リスト」をつくってみることです。現実性があるか、儲かるかなどといった 考察は後回し にして、日常生活や友人との会話、職場でのトラブル、顧客からのクレームなどから、思いついた製品・サービスをリストにしてみるとよいでしょう。

もちろん、何人かのグループでブレインストーミングしながら、 どんどん書き出してみる のも効果的です。

あったら便利なものだけでなく、今不便で不満があるもの、現状では自分の期待通りではなくイライラしているものを書き上げてみることも起業のアイデアにつながります。

地球温暖化、介護問題の拡大、世界的な食糧危機といった社会的な問題をピックアップして、その中から起業のアイデアを見つけることもできます。現在、ソシアル・アントレプレナーといって、経済的な利益だけではなく、社会貢献や社会問題の解決のために起業する人も増えてきています。

アイデアの絞り出し方だが最初のうちはなかなかポンポン良さげなアイデアが出て来るわけではないのがブレインストーミング。こればっかりは数をこなして多くのアイデアが出るよう訓練するしかない。あったらいいなと思うことを普段から意識し、これクレームものだなと思ったことなどもメモを取る癖をつけるのも近道だろう。常にアンテナを張っていれば日々垂れ流されている情報の中にもアイデアの種を見つけられるかもしれない。

変動費率が小さいビジネスが成功する

ビル・ゲイツのマイクロソフトが巨額の利益を計上しているのは、なぜでしょう。ウィンドウズやオフィスシリーズの開発に費用はかかりますが、いったん開発してしまえば、あとはコピーするだけで、変動費がかからないからです。たとえば、開発費、固定費に1,000万円かかっても、 変動費が0なら、売上1,000万円を上げれば、あとの売上はすべて利益 となります。売上が1億円になれば、利益は9,000万円となり、利益率90%の超優良企業となるのです。

変動費が比較的大きなビジネスは、卸売・小売業、一般飲食業、製造業などです。このため、規模の経済が働き、大企業に有利となります。反対に、 ネットビジネスや創薬ビジネス、ソフトウェアビジネス、ゲームビジネス などは、開発費はかさみますが、いったん開発してしまえば、あとはコピーするだけですので、変動費が少なく、利益率の高いビジネスとなります。

このため、ビジネスを始める際には、変動費率が低いビジネス、逆にいえば、限界利益率が高いビジネスを選べば、ベンチャー企業といえども、十分活躍し、利益も早期に確保することができます。

ただ、固定費、変動費が大きな業界でも、コンビニエンスストアのように フランチャイズシステム を使って、店舗を店長に用意させ、従業員もフランチャイズ店舗の費用の中で賄い、本部はロイヤリティーを売上に応じてもらうシステムにすれば、固定費、変動費ともに低減させることができ、利益率の高いビジネスが成立します。

音楽配信などのサブスクリプションなども一回サービスを作って仕舞えば楽曲は無限にネット上に複製されるので生産費用はかからず、魅力的なラインナップを揃えることに注力できる。規模の経済も働き大きくなればなるほど一人勝ちの様相が濃くなる一方、ニッチな内容のサービスでも世界中を相手になら市場規模は案外でかい。

ビジネスの創出から軌道に乗せるまでを詳しく解説。MBA相当の内容を最重要なものからピックアップしてくれているので素人でもわかりやすい。しかし、実務として会社を起業する人が実戦で使えるかは疑問。ビジネス入門書と思っていた方がいいだろう。

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