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人生を後悔することになる人・ならない人|加藤 諦三|パラダイムシフトの心理学

人間が持つあらゆる不安や悩み、そして苦しみに対して前提として持っていなければならない心のあり方を、心理学の先人たちの言葉を紐解きながら自分に落とし込んでいく書籍。

苦しみから逃げるほど、幸せから遠ざかる

「苦しみに向き合って生きる」ことがなぜ大切なのか

私たちの常識からいえば、苦しみがない状態が、救済されているということである。

だが心理学の巨人、アドラーは、「苦しみは解放と救済に通じる」という有名な言葉を残している。それはなぜなのか。

また、アドラーばかりでなく、本書で紹介するように、多くの先哲たちが、同じ趣旨の説明をしている。彼らは後世に、どのような「人生の真実の発見」を伝えようとしたのか。

本書では、そのような「先哲の言葉」が持つ意味をひもときながら、現代人にとって最も必要な心の持ち方と私が考える、「目の前の現実に向き合うこと」「目の前の現実から逃げないこと」の大切さを訴えていきたい。

おそらくそれが、あなたの不安、悩み、苦しみを軽くし、ひいては「不幸感」を薄めてゆくきっかけになり得ると思うからである。

そのために、まずわかっていただきたいことがいくつかある。

最初の一つは、「人間存在は矛盾している」ということである。

理性と感情、良心と本能衝動、理想と現実、建前と本音、オモテとウラ、神性と獣性。

マズローは自らの著作で、それらについて、「『善と悪』を統合しようとする試み」と述べている。

人間性には神性と獣性が含まれている。それは人間性の二重構造である。

人間の獣性を否定してみても単なる現実否認で意味がない。現実に人間には獣性がある。

私たちは自らの獣性の存在を否定するのではなく、それを善へと統合することを目指さなければならない。

私たちは低次元の欲求も持っているが、同時に高次元の欲求も持っている。したがって低次元と高次元を分極化して、低次元の欲求を否定するのではなく、高次元の欲求に統合しようとすることが人生の諸問題の解決につながる。

苦しみは解放と救済に通じるとはよく表現したものでどんな社会においても真理となる原則かと。苦しみを乗り越えた先にあるものを手にするにはやはり乗り越えなければならない壁がいくつかある。努力や我慢の先にあるものを手にするため覚えておいた方が良い言葉。自分は今闇雲に壁に向かっているわけではないと心に言い聞かせながら戦いましょう。

だから、目の前の現実にきちんと向き合うことから始めよう

「心の病んだ人」の周りには「心の病んだ人」が集まる

神経症的傾向の強い人は心理的健康な人とつきあうのは辛い。

心理的健康な人は、問題を解決するために現実的な努力をする。

神経症的傾向の強い人は現実的な努力をしない。そうした努力は辛いから逃げる。

そこで神経症的傾向の強い人は現実的な努力をしないで、ただ歎いている。そうしていても接することが出来る人と接する。

だから自然と、心の病んだ人は、心の病んだ人とつきあっている。それがお互いに楽だからである。

問題解決に向けて現実的な努力をしないで、後悔したり一緒になって人を批判していることの方が心理的に楽である。

神経症的傾向の強い人といってもいいし、心の病んだ人といってもいいが、そういう人たちは問題を解決する姿勢がない。問題を解決しようとしない。

解決しなければならない問題を前にして、ただ歎いていたり、文句をいっていたり、人を批判したりしているだけである。

夜、一人でパソコンに向かい、そうした書き込みサイトに延々と恋人、配偶者、上司、同僚等々への不満を書き続ける。ネットに相手への不満をいくら書いても、解決はしない。

心理的健康な人は、解決しようとしないでただ歎いていたりする人とは一緒にならない。どうしても解決しようとする人と接する。

SNSが普及した今、自身のフォロワーを見てみれば自分がどういう人間だか客観的にみることができる。類は友を呼ぶとはよく言ったもので、同じような人間があなたのもとに集まっているはず。心を病んだ人の周りには同じく心を病んだ人が、心理的健康な人の周りにはリア充が(笑)心を病んでいる場合、リア充のツイートは鬱陶しく感じられるはず。フォローを外して同じく心を病んだ人同士傷を舐め合うように生きていくように。

人生を後悔で埋めたくなければ今すぐ変えた方がいい日常がわかる書籍。あなたの毎日のルーティーンはあなたを良い方向に導いているかどうかを測定するのにも向いた書籍です。

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