必ず正解があるクイズや数学の問題と比べ、正解がないのが人生。歳を取るにつれ自分の歩みを振り返り、「これでよかったのか」と思うことがある。著者はまっとうな人生の条件とは「誠実」「力を尽くす」「負けない」の三つだという。読めば力が湧いてくる人生論。
無数の意味の中で生きるしかない
ある人にとっては重要なことが、他人にはまったく愚劣ということが生じるのはしかたがないことである。くだらなくてもおもしろいものがあるが、ただくだらないだけというものもある。漫才コンビ・ジャルジャルの演題「もうええわ」(「漆の帯解き」「膝の峠越え」「子どもの小便百祟り」などの 偽 の 諺 のネタ。わからなければいいです)などはくだらない大傑作である。だが、「ギネスに挑戦」はただくだらなくて情けないのである。
と思うのだが、これはもうしかたがない。わたしたちが生きている世界がそのような種々雑多な無数の「意味」で成立しているからである。わたしだって、人から見れば、随分とどうでもいいことに興味をもっていることになるだろう。わたしたちは無数の意味のなかで生きるしかない。すべての意味を認める必要はないが(さすがにそれは無理だが)、基本的には寛容であるべきだろう。
サッカーのロシアW杯のとき、 古 市 憲 寿 は興味がないからテレビは見ない、といっていた。それに対して司会の小倉智昭は、嫌みな男だねえ、といったのである。ばかなのは小倉である。W杯に興味をもつかどうかは、人それぞれの自由である。古市はW杯はくだらん、といったわけではない。小倉は自分が興味をもっていることに、他人から興味はないといわれて、腹が立ったのである。ばかですねえ。
人生でたびたび起こるこのような事例。自分の興味あるものを貶されたり意見が合わなかったりすると気分を害するという場面があるがそういう人とはそっと距離を取るのが正解。それはわかっているのだが僕の場合、一気にバッサリ切り捨ててしまう悪い癖がある。なので些細なことで人間関係が悪化するとそこで関係が断たれることが多い。いまだに友達と呼べる人がほぼほぼいないのはそのせいとわかっていてもやめられないのである。
お金の満足分岐点
お金は人生に必須である。「しあわせ」とやらになるにも必要である。しかし人は闇雲にお金が欲しいというわけではなかろう。いや、欲しいことは欲しいだろうが、欲しても叶うとはかぎらないからである。何億円、何十億円の収入、何百億円(それ以上)の資産をもっている人がいる。でたらめである。でたらめだが、世界はそのようにして成立している。けれども、より多くの人にとっては、自分の生き方や暮らしに合わせた、だいたいのお金の満足分岐点というものがあると思われる。
まあないかもしれないが、わたしにはある。こういうものだ。まず住むところがあり、ふつうの食事ができて、タバコ代と少々の本代と喫茶店のコーヒー代、昼食代とたまの映画代と交通費、あとは年に二回ほど国内旅行ができるくらいの額があれば満足である。年に何百万とははっきりいえないが、そのあたりがわたしの満足分岐点である。高級な食事も車も酒もゴルフ代もクルーズ旅行もいらない。次の項に見る 蛭子 能 収 のような、ギャンブル代など一円もいらない。
お金はその程度あればいい(贅沢な言い草かもしれない)。それが無理になれば、食費とタバコ代と本代を削る。次に旅行を一回にする。満足分岐点はそれ以上いらない、という金額のラインではない。それくらいあれば十分である、ということだ。つまりお金というものをそれ以上のもの(あればあるほどいい)と見做さないということだ。
それはあんたが年取ってじじいになって、欲もなにもなくなったからだよといわれるかもしれないが、わたしは昔からそうだった。もっとも、金なんかいらないと、多少舐めていたことはある。後年、その罰が当たったが、いまでもたかが金、という意識はどこかに残っている。お金は人生における必須度としては一番だが、人生における価値としてはもっと下のものである。
僕はお金によって救われている人間の1人。必要最低限の収入+αがあることで人間関係から距離を取っても生きていられる。毎日やることといえば読書とブログ執筆、スマホゲームと仕事らしいことはほとんどしていないのに貯蓄を資産運用することで+αの収入で生きていられる。それと引き換えに毎日上下動する株価にヒリヒリする思いをしなければならないが、トータルで含み益が出ていれば大丈夫と言い聞かせ生きている。
人生の正解なんてわからないしそんなものない。今生きているここが正解と思うしかないわけで「イフ」の世界は存在しない。生まれ変わったらまたこうなりたいと思うかどうかは別として満足できていればそれがまっとうな道なのだろう。
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