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世界のニュースを日本人は何も知らない4|谷本 真由美|前代未聞の事態に揺らぐ価値観

今、すごい勢いで浸透してきたサブスクがオワコン化しつつあるとか、ウクライナの戦場で日本のアニメが浸透しているなど。世界はそんなことに!?という日本のメディアが報じない驚きのニュースが満載。元・国連専門機関職員の著者が忖度なしで世界を綴る。

アメリカ人がフレンドリーな真の理由

日本人は、アメリカ人は実にフレンドリーだと思い込んでおり、日本の英語の教科書にもやたらとフレンドリーなアメリカ人が登場します。

英会話を習いにいく日本人は、英語を喋れるようになるにはアメリカ人のように毎日明るく楽しくフレンドリーにしなければならないと思っているようです。

一生懸命にアメリカ人風のジェスチャーを身につけ、見るからに根暗でオタクの人が「は~い、あなたは先週末は何をしたのかしら」などと白々しい会話を実に熱心に学ぶのですが、元来がねっとりと暗い日本人なので思いっきり浮いています。

さて、みなさんに教えておきたいのは、アメリカ人はそんなにフレンドリーではないということです。もちろんアメリカ人は初対面の人にも気軽にあいさつをして、まるで長年の友人のように私生活の話をどんどんしまくり、「あなたの髪型は素敵よね」などと日本人だと親しい友人でもなかなか口に出せないことを言ってしまったりします。

矯正しまくった白い歯をちらりと見せて、レジでも子どもの送り迎えでも常にニコニコしています。ところがいろいろ喋っているように見えてもアメリカ人の会話はかなり表面的です。間違っても、真剣に政治問題を語ったり、食材の調理方法について検討したことを話したり、家の遺産相続の揉め事とかを話したりしては絶対にいけません。

また「週末はジョギングしていたよ」「家族とバーベキューしていたよ」と〝リア充〟生活を送ったと答えるのが前提になっているので、正直に「一日中アニメを観ていた」「離婚訴訟の話をしていた」などと答えてはいけません。

アメリカ人がベラベラと雑談している中身は、あくまで差し障りのないどうでもいい事柄で、しゃべっている内容はどうでもよいのです。そしてニコニコしているからといって相手が自分に対して好意的というわけではないのも要注意です。雑談も笑顔もあくまで社交辞令にすぎません。裏ではボロクソに言っていることがよくあります。

つまりアメリカというのは社交辞令として、常に明るく楽しく延々としゃべって、他人に対してはフレンドリーに振る舞わなければいけない、という同調圧力が強くきついところなのです。

スタバに来る外国人客とかでも開店待ちで一緒になると話しかけてきたりして世間話をすることもある。身につけているものの話題や持ち物について聞いてきたりあまり日本人ではない切り口で会話してくる。ついこの間もガジェットに関する話題で日本人はあまりしない値段の話をしてきた。値段について答えるとマウントを取ったみたいになるので嫌なのだが(笑)

日本の働く人の就労条件が悪い理由とは

日本の働く人における就労条件の悪さに驚く外国人が多いのですが、日本人の賃金が上がらず待遇が悪いのは、働く人が改善を要求しないからというだけではなく、構造的な問題もあるということが長い間、指摘されています。

これは海外の人たちは日本人よりもはっきりとわかっています。ところが日本の業界はこれを長く放置していてまったく改善しようとしないのです。また政府もなぜか目をつぶったままなのです。

これは物流業界に関する「アクセンチュア」による研究結果でも指摘されています。日本の「多重下請けによる中抜き」を認めるルールがトラック運転手の労働条件を悪化させているのです。

この多重下請け禁止に関する米国型の制度への移行により環境が良好になるとの指摘がされており、解決策は実にはっきりとしています。物流業界だけではなく他の業界も多重下請けが生産性を下げ、労働環境が悪化している原因です。

しかしこういった調査の結果は、なぜか日本では大きく報道されず興味を持つ人も多くはないのです。現場に目をつぶってしまい、解決策がわかっているのに無視している日本人は海外の人からするとたいへん不思議な存在です。

就労条件の悪さはバイトでもあって僕がゲーセンの店長時代びっくりしたのは何年も時給が上がってないアルバイトがいること。そしてそのバイトは時給を上げる交渉を一度もしたことがないこと。僕は仕事を覚えるたびに時給を上げてもらっていたのに。代わりに僕がそのアルバイトの時給を上げました。

日本という島国に住んでいると外国の文化に触れづらいところはある。世界のニュースが入りづらく国内だけ見て生きてきた人が大半。世界との架け橋となるこの書籍を読めば日本のおかしなところが明白に。同じ物事でも報道のされ方の違いでここまで変わるのかと目から鱗もののはず。

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