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上司に「仕事させる」技術|大久保 幸夫|キャリアデザインに必須の能力「ボス・マネジメント」

上司とそりが合わない、そんなビジネスマンも多いだろう。この本で解説される「上司に『仕事させる』技術」とは上下関係に悩む僕らの救世主となる問題解決メソッド。感情をコントロールし、上司が持つ7つの機能をフル活用しよう。

さりげなく自分の実績を上司に伝える

さりげなく自分の実績を上司に伝える

部下にとって、自分の直属の上司は昇進・昇格の推薦者です。

この上司の評価をもとに、昇進・昇格会議で調整が行われて、昇進・昇格が決定されるのが一般的。つまり、昇進・昇格会議では、上司が部下の代わりに業績のプレゼンテーションをすることになります。

そのため、上司に対して、自分がどんな業績を上げたかをきちんと説明しなければなりません。

しかし、大半の人は、これができていません。

それは、「上司は自分のことを見てくれているものだ」という思い込みがあるからでしょう。

本書で解説してきたように、上司は、基本的にはあなたのことをじっくりとは見ていません。

ですから、自分の業績については、自ら報告する必要があります。

これは、部下であるあなた自身から見れば、自分が達成した仕事を理解することにもつながります。

自分が達成した仕事の優れていた点と足りなかった点を振り返ることは、来期の好業績を生むうえでも欠かせません。

そこで明らかになった自分の業績を、上司に報告するわけです。

このときの報告の仕方ですが、「新規のクライアントを○件開拓しました」と、単純に自分が上げた業績の数字を伝えるだけでは不十分です。

できれば、「実はこのお客さんは、こんな意向をもっていて、将来このようなビジネスに結びつく可能性があります」ということまで、伝えるべきです。

つまり、「業績に付加価値を加えて」報告を行うのです。

さらに言えば、評価の直前になって、上司に「自分はこれをやりました」「あれもやりました」と伝えるのは、いかにもわざとらしい行為ととられかねません。

だからこそ、日常の「相・連・報」の中で、何度も何度も、上司の頭に刷り込むように、伝えておくことが大事なのです。

報連相の副産物的効果、日々の積み重ねが評価につながるというもの。今時、お仕事系アプリが数多あるのでこの必要はあまりなくなってきた。プロジェクトの進行状況などはこうしたツールで一元管理できるし、誰がアサインしているのかも一目瞭然。しかし、こうしたツールをうまく使えない古いタイプの上司を持った場合、やはり大事になってくるのが報連相。

上司を巻き込んで仕事する

上司を巻き込めば、大きな仕事ができる

大きな仕事を、自分一人の力だけで達成するのは、なかなか困難です。必ず誰かの力が必要になります。

つまり、ここでも上司の力が必要になるのです。

ポイントは、「上司と共同で仕事をする」ということです。

上司とともに仕事をする中で、大きなビジネスに結びつける機会としては、「顧客課題から新サービスを創造する」場合があげられます。

これは、本来は個別課題であったものを一般課題に転化させるということです。

たとえば、一人の顧客から要望があったら、それは個別の問題として対処するのではなく、潜在的なニーズを含んでいる問題と考え、新しい商品やサービスにつなげていかなければなりません。

現場の部下が「あるお客さんからこうした要望が出ていますが、これは非常にニーズの高いものだと思われます」と上司に伝えます。

すると、上司は「なるほど。では、上に提案してみるか」ということで、新たなプロジェクトが動き始めるかもしれません。

こうした仕事を行う場合は、部下と上司がタッグを組むことが多いといえるでしょう。

このとき、顧客の課題を大きな仕事にしていくには、まず顧客の話によく耳を傾ける必要があります。

そのうえで、状況分析を行い、その課題がいかに高いニーズをもっているものなのか、上司にプレゼンテーションを行い、納得させなければなりません。

つまり、上司を巻き込んでいくボス・マネジメント力が必要になるのです。

上司を巻き込むボスマネジメントを覚えなければ大きな仕事はできません。いくら大きなプロジェクト案があったとしても上司の「No」で頓挫した経験を持つ人も多いかと思います。この場合、上司との折衝がうまく行っていないのです。うまく上司を巻き込んで仕事ができるように普段から関係を良好に保ちたいものです。

上司を疎ましく思うビジネスマンも多いだろうが、組織で働く以上上司との関係は切っても切れない。それならばボスマネジメントを行い、味方につけてしまいましょう。

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