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リバモア流投機術|ジェシー・ローリストン・ リバモア|己の分析のみで相場に挑む孤高の投機家

トレーディングにおいてルールを徹底、他からの情報には一切流されずに、ひたすら己の分析を信じて相場に挑むスタイル。そんな孤高の天才投機家の投機ルールを覗き見。数々の挫折から復活した相場の法則とは?アメリカ屈指の投資家ウィリアム・オニールの教本としても有名な書籍。

投機というゲーム

投機というゲームは世界中で最も人々を魅了するゲームである。

しかしそれは愚か者や怠け者、感情のバランスを欠く者のためのゲームでも、一攫千金を狙う相場師のためのゲームでもない。そういった連中は、貧困の果てに最期を迎えることになる。

昔からディナーパーティーで初対面の人と臨席するたび、挨拶もそこそこにいつもこう尋ねられる。

「どうすればマーケットで稼ぐことができますか?」

若いころは、マーケットから手っ取り早く、楽に金を手にしたいと願う人たちが直面するすべての問題について、懇切丁寧に説明していた。あるいは丁寧に断って、その煩わしさから逃れていた。だが後には、無愛想に「分かりません」と答えるだけになった。

彼らの無遠慮な質問には耐え難いものがある。そもそも、投資と投機を科学的に研究してきた人間に対して、そんな質問が適切と言えるだろうか。「弁護士業や外科手術で手っ取り早く金を稼ぐにはどうすればいいですか?」と素人が、弁護士や外科医に尋ねるのと同じことである。

しかし私は、投資や投機に興味を抱く多くの人が、適切な手引書や指針さえ存在すれば、目に見える成果を上げるために、進んでトレードの研究を行うであろうと確信するようになった。本書は彼らのために著したものである。

投機で経験した事例のいくつか――数度の失敗と成功の記録、それぞれの経験から得た教訓――を盛り込むことが私の意図するところである。そのすべての教訓から、投機で成功するために最も重要な要因であると私が考える「トレーディングにおける時間的要因」という理論を明らかにする。

だが話を先に進める前に忠告しておく。成功によって手にできる成果は、自ら記録をつけ、自ら考え、自ら結論を出すという点において、どれだけ偽りなく誠実に努力したかに比例する。 「健康法」に関する本を読んだとしても、運動を他人任せにはできない。それと同様に、あとの章で述べる「時間的要因と株価変動を組み合わせる」私の手法に忠実に従ったとしても、自分で行うべき作業を他人に委ねては成功を手に入れることはできないのである。

私にできるのは、皆さんの進む道を照らすだけだ。私の道案内で読者の皆さんが株式市場に投じた以上の利益を得ることができれば嬉しく思う。

投機というとギャンブル的な印象を受けがちだが、彼は相場の動きに根拠を見出しそれを自身でルール化。常人では成し遂げるのが難しいその分析力により相場で勝ってきた。よく投資を行なっているとテクニカル分析の得意な人たちが暴落や暴騰を言い当てて誇らしげにその功績を語ったりするが、彼らはファンダメンタルの動きを予想したわけではないのでたまたま感は否めない。もしアメリカ政府の金融政策や富裕層に対する税制を予想できていたならもはや魔法使いだ。テクニカル分析は売買のタイミングを図るには良いが長期の予測は誰にもできない。

株が正しく動くのはいつか?

株には人間と同じように特徴や個性がある。神経質で激しく動く株があると思えば、素直で論理的な動きをする株もある。観察を続ければ、個々の銘柄について理解を深め、特性がつかめるようになる。そうなれば、さまざまな状況下における値動きは予想可能である。

マーケットは絶えず動いている。単調な相場もあるが、同じ価格で静止することはなく、常に小刻みに上下している。そして、ひとたび明確なトレンドに突入すると、自動的かつ一貫してその方向に沿って進むのである。

株価が動き始めた最初の数日間は、出来高の急増と共に徐々に価格がせり上がっていくはずだ。その後、私が「ノーマルリアクション」と呼ぶ下落が起こる。その際、株価上昇中に膨らんでいた売買高は一気にしぼむ。そうであればこの小さな下落は正常な動きだ。正常な値動きを恐れてはいけない。しかし、異常な値動きには十分な警戒が必要だ。

一両日中に上昇が再開し、出来高が増えるであろう。これが本物の上昇トレンドであるならば、正常な値動きであるノーマルリアクションによる下落を短期間のうちに回復し、新たな高値圏で取引されるようになる。この上昇は、日々の浅い押しを伴いながら、数日間は力強く続くはずである。

遅かれ早かれ、次のノーマルリアクションが起こるべきポイントに到達する。そのポイントに達すると、最初のときと同様のパターンをたどるだろう。なぜならそれは銘柄を問わず、真のトレンドが生じているときのパターンだからである。

トレンドの初期、前の高値から次の高値への上昇幅はそれほど大きくない。だが時間がたつにつれて、株価は加速度的に上昇していくはずである。

例を挙げて説明しよう。

五〇ドルから株価が上昇し始めたとする。最初の上昇では五四ドル近辺まで徐々に値を上げる。その後、一日ないし二日のノーマルリアクションによって五二・五ドルあたりまで押すかもしれない。三日後にはまた上昇し始める。

続いて五九~六〇ドルまで値上がりし、次のノーマルリアクションが起きる。しかし、今回のリアクションは、一~一・五ポイント程度にとどまらず、優に三ポイントぐらいは押す可能性が高い。

数日後に株価が再度上昇を始めるときの出来高は、上昇開始期と比べるとはるかに少なくなっているだろう。株はさらに買いづらくなっていく。

こうして、上昇ポイントの到来がどんどん早くなっていき、株はいとも容易に先の高値の六〇ドルから六八ドルあるいは七〇ドルまで、リアクションを経ることなく上昇していく。

株価は因子となるニュースによって急激な上下動を伴うことがあるが、数日で調整は終わり価格が落ち着く。その落とし所を見極められるかが投資において重要。暴落に対して投げ売りしたり、上げ相場の天井と思われるところで買わないで済むには経験が必要。相場の上げ下げに一喜一憂したくなければインディックスを買ってがっちりホールドし、定期的な積み立てをするのが近道だ。

伝説の相場師の投機のテクニックを紐解く書籍でロマンはあるが、現実に彼と同じような投機家になるにはちょっとやそっとの努力と精神力では無理だろう。この本は読んでみて今の自分の立ち位置を理解し投機に手を染めないための教訓本でもある、読む人によっては。

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