長きに渡り編集者として取材を繰り返すこと1000人以上。そんな著者が伝わるとはどういうことかを熟考し積み重ねてきたことをまとめた書籍。
「言いかえ」でマイナスをプラスに変える
「年をとることは老化ではなく進化」
これはあるインタビューで聞いた有名女優さんの言葉です。(一字一句そのままではないですが、こういう趣旨のことをおっしゃっていました)
この言葉に出合ったとき、年をとることへの不安が期待に変わりました。
それ以降、僕も自分の老化を感じたときは「進化だ!」と思うようにしています。以前はできるだけ若く見られたいという思いが強かったんですが、最近は自分の年齢を堂々と言えるようになりました。
ほかにも数多くの言葉にこれまで助けられ、支えられてきました。
言葉の力ってすごいですね。一見同じようなことでも、 どういう言葉をのせるかで伝わる価値はまったく変わってきます。
どうせなら、自分にとっても、相手にとっても、ポジティブに伝わったほうがいい。背中を押してくれたり、嫌な感情を薄めてくれたり。そんなときに力を発揮するのが「言いかえ」です。
言いかえは「伝える価値を変換する」「伝える価値をずらす」ときに使う方法です。
さらに、 自分を楽しくさせてくれる方法 でもあります。
たとえば、雨が降っていて嫌だなと思ったときは「雨の日は天然加湿器で肌ケアの日」と言いかえてみると、雨で得をした気分になります。 僕は「つまらない」を「工夫不足」 と言いかえています。そうすると、たとえば気乗りしない会議があったとしても工夫が足りないんだと思えて、その会議を自分なりに有意義なものにするための工夫をするようになります。
言葉の力は絶大です。だから、マイナスやネガティブなことはできるだけプラスに、ポジティブに言いかえて使うことで、心の調整もでき、行動を変えるきっかけにもなるのです。
言いかえは、 なかなか相手が納得しないとき や、そのままストレートに伝えるときつく聞こえてしまうときにも力を発揮します。 「きつく言いすぎてしまった」と後悔したことがある人は多いんじゃないでしょうか。僕もあります。熱が入ってしまうと、つい強い表現になってしまうことがあり、何度も反省しています。
言いかえをしたほうがいい言葉は、たとえば「極端語」です。
これは「いつも」「全部」「ちっとも」など、否定をするときに使うことで、否定を強烈に後押しする言葉になります。 「どうして、いつも遅刻するの?」 「いったい何度言ったらわかるんだ!」 これが極端語です。
この場合は、「いつも」「いったい」という言葉を使わず、別の言葉に言いかえます。 「どうして、遅刻するの?」 「何度も言っているのでわかってほしい」 極端語の詳細は『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』という本に掲載されています。「極端語」以外にも「悪意の比喩」「断定語を使う」「質問形式で責める」など、言いかえしたほうがいいシーンでの方法が解説されています。
言葉がマイナス要素を含む場合それをプラスな感じに置き換える。表裏一体という言葉があるように言葉は表現する人によりポジティブにもネガティブにでも変容する。ならばポジティブな方を選択した方がハッピーですよね。できるだけネガティブな言葉を使わずポジティブな言葉に置き換える習慣をつけましょう。
伝え上手な人はムダな努力をしない
「大人はわかってくれない!」
僕も若いときによくこの言葉を口にしました。
いまの若者も、変わらず「大人はわかってくれない」と思っているんじゃないでしょうか。 「大人はわかってくれない問題」は若者にとって永遠のテーマです。
なぜ、「大人は若者をわかってくれない」のか?
大人だって昔は若者だったわけだし、時代は変わっているかもしれないけど、もっと若者の気持ちがわかっていいはず。
でも、たくさんの経験、加齢による変化、環境の変化、しがらみ……さまざまな要因で考え方は変化していきます。昔の自分をいまの自分が見て、当時なぜそうだったのかを理解できなくなっているなんてことも起きます。
実はこの問題の本質は、大人と若者だけの分断ではありません。
この問題が起きる根本的な理由は、 「そもそも人は、人のことがわからない」 からです。
自分の伝えたいことが、そのまま相手に届くことは基本的にありません。
職場でも、仕事相手にも、夫婦でも、友人でも、お客さんにも。 「おいおい、ここまでさんざん『伝わる』について話してきて、ここで『わからない』なんて、矛盾してるじゃないか」
そう思うかもしれないですが、そういうことではないんです。
脳科学者の西剛志さんはこう言っています。 「コミュニケーションスキルが高い人は『自分の脳と相手の脳が見ている世界が違うということをしっかりと認識している人』」(『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』という本に詳しく書かれています)
たとえば、「夕陽」という言葉からどんなシーンを想像しますか? 同じ夕陽でもアフリカの大地の夕陽と、東京のど真ん中の夕陽は、印象が異なります。同じ言葉を聞いても一人ひとり想像するものは違います。だから、「伝わる」というのは簡単ではない。
その原因は「脳のバイアス」にあります。脳のバイアスは、遺伝や性別だけでなく、生まれ育った地域、環境、経験、知識によっても変わります。
100人いれば100通りある。それが脳のバイアスです。
僕は自分の考え方を他人に押し付けがちなところがあるので敵対的バイアスを持ちやすい。自分の主張を一方的に語ることができるブログは僕にとって自己表現の場。しかし、そこにアンチコメントとかくると「あぁ!!」ってなる。世の中には持論を展開するだけでは物足りず、攻撃的に意見の違う人を論破しようとする厄介な輩がいたりするのでSNSとかは要注意。そういう輩は触らぬ神に祟りなしということで、「そうですね」と同調するか持ち上げておくのが吉。
誰にでも実践可能な36の伝わる法則。文字で表現することが当たり前な世の中でこうしたスキルを持っていると何かと便利。伝えたい相手に伝えたい温度感で物事をつたえる極意とは?
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