ノンデュアリティ(非二元)とは、「観察者」と「観察されるもの」の分離(二分)がないこと。学びはじめた人は、『泳げない人』と同じです。それが、 いきなり、水泳の上級者がクロールでスイスイ泳ぐのをイメージ しようっていったって、そりゃ無理な話ですよね。泳げない人はまずはバタ足から。
ノンデュアリティって何なのかっていったら
今さらですが、ノンデュアリティって何なのかっていったら、二元じゃないっていうことですよね。じゃあ、二元って何なの? っていったら、主体と客体、つまり「見る者」と「見られる対象」があって、二つ以上のもので成り立っている世界。すべてが比較と相対で成り立っていて。常に「違い」が重要な世界。ノンデュアリティは、そうではない世界……。「ああ、めんどうくさーい。そんなむずかしいこと、どうだっていいじゃない!」っていうふうに『バタ足ノンデュアリティ』では考えます。
ノンデュアリティっていうのは、要するに「真理」に触れるっていうことなんですよ。それをもっと簡単に言っちゃうと、お茶を飲んだら、お茶の味がちゃんとわかるっていうこと。たったこれだけのことなんですよ。
そして、この真理を実感するのに、「他人の体でできますか?」って言ったら、できるわけがありませんね。友人に、「おい、おまえ、俺の代わりに水飲んどいてくれ」なんて何の意味もないでしょ。 「真理」に触れるには、〝個〟がはげ落ちないと出会えないとか、思考がなくならないと現れないなどと言いますけれど、そんな大そうなもんじゃありませんよ。ただこの瞬間を味わえばいいんです。
今、お茶を飲んでいるっていうただ一つの「事実」に触れることなんです。 「事実」を「理解」しようとすることじゃありませんからね。「理解」には必ず「言葉」がくっついてきます。言葉でどうにかしようとするんですね。 聞こえた音を、言葉で理解しようとしたら、どうなりますか?
風の音、雨の音、チェロの音色、人の声音。ほぼ困難。
見えた色を言葉で表現したら、どうなりますか? 空の色、朝焼け、肌の色。人間がつくったものじゃないほど表現はむずかしい。
においはどう?味はどう?
「外はサクサク、中はしっとり」、これは味じゃありません。「肉汁がじわーって」、これも味じゃありません。
ワインソムリエが表現するような土の香りとか、枯れ葉の香り、カシスのような……。土の香りってどんな? カシスってどんな? どうやったって無理なんです。〝そのもの〟を表現することなんてできないんです。 〝そのもの〟をそのまんまに言葉なしで捉えているのが、私たちの五感なんです。
目が捉えたそのまんまの映像、耳が捉えたそのまんまの音。それだけが「事実」なんです。その「事実」のみとおつき合いしていくことで見えてくる世界がノンデュアリティなんです。
食レポを伴うテレビ番組やなんかで「外はサクサク、中はしっとり」「肉汁がじわーって」っていうのがデフォルトになってみんなそう言うから、長いこと何だかなあと思っていた。他に感想もないからとりあえずこれ言っとけみたいな感じで本当にそれが上手いのかが伝わってこない。食事なんて味の好みは千差万別。上手いのかどうかをレポーターの舌だけで判断するなんて…番組上美味いと言わざるを得ない状況下で本当の食レポはできないと思う。
思考の中で生きてたっていいじゃん!
決まりをつくらずに、もののよしあしをあれこれ持ち出さずに、そのまんまに活動していくことが、私たちの本来の生きている姿です。よく「何もするな」ということが言われますけれど、「何もしない」って決めるのも、また決まりごとなんです。
私たちは大きく三つのステージにわかれて生きています。
一、思考の中で生きている
二、思考の中で「事実」を見ようとして生きている
三、「事実」だけに触れて生きている
「三」をよしとして目指すようなことを私たちはついやってしまいます。
これら三つがすべて「今この瞬間」の中にあることを忘れないでください。どれがよかろうとわるかろうと、それがもうすでに起きているんです。選びようもなく、ただそのように現れているんです。それでいい、ぜんぶそれでいいんです。今は。
「ああ、自分はいつになったら、事実だけに触れて生きていけるのだろう。ありのままに近づけるのだろう」なんて、さらに思考の中に迷い込んでしまうぐらいなら、今、思考の中で生きていることを認めちゃって、堂々としているほうがよっぽどいい。迷いがないわけです。ある意味、これだって悟りですよ。
事実だけに触れて生きていくのが完成系?そうではないと思います。頭のなかであれこれ思考を繰り返している状態もまた楽しいものです。人間なんて不完全なものなのですからそれで良いかと。逆に事実だけに触れていくる世界ってつまらなくありませんか?思考や想像のもつ楽しさに触れて生きている方が幸せかと思います。
ノンデュアリティは「自由への切符」。物事の是非を二元で見るだけではつまらない。もっと曖昧なところに人間らしさや温かみがあるのだと思います。そんなノンデュアリティの基礎講座。
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