自ら思考し、アクションを起こし成長していく人は3つの役割をこなす。「リーダーシップ」「マネジメント」「フォロワーシップ」を磨く新しいミドルマネジメント入門。
最初の90日で緒戦を制す
異動や転職、あるいは昇進時に、誰でも新しい環境で成功できるか不安になるものです。
その人が未経験ゾーンに入ったときにやる気はアップするものですが、その反面、失敗するリスクも高いのです。実際、私もうまくいかないケースをよく見てきました。
ある調査機関の研究では、企業内のトップ5%の社員のうち、他の組織から移ってきて新たな地位に就いた3人に1人は、その新組織の「期待に応えられていない」という結果が出ています。また、社内で昇進した5人に1人は「2年以内にパフォーマンスの成功基準を満たしていない」という結果もあるくらいです。
つまり、かつての地位で成功したリーダーの 20%が、新天地では成功できなかったという結果が出たのです。
私もIT企業から医療機器企業という異業種への転職を経験しました。
転職先の医療機器企業の経営・業務のスピードの遅さに驚き、スピードを速めることこそ改革のポイントだと当時の私は意気込んでいました。自分のノウハウを発揮しようと努めたその数カ月後、結果として部下や周囲の人たちは私についていけず、私は新天地で孤立しかけました。新天地の文化を理解した上でノウハウを発揮しなければ成果には結びつかない。この体験は、そのことを知る機会となりました。
高い成果を出す人たちには、ポテンシャルも高い人材が一定程度います。ハイポテンシャルな人は、自分で数字を上げられるだけでなく、周囲を巻き込みながら組織としての成果を最大限に高める能力を持っています。
そのための修正の猶予期間が「最初の 90 日間」だとハーバード大学教授のマイケル・ワトキンスは説いています(『 90 日で成果を出すリーダー』(翔泳社))。
前職でリーダーを任されていたからといって転職先でそれを続けられるかは適応性なども考慮しなくてはならず案外難しい。新天地で成功する人は20%という数字も頷ける。特に日本では転職がまだまだ難しい。中途採用には生え抜きからの目も厳しくなかなか人間関係の構築が難しかったりする。
目的に応じて役割は異なる
リーダーシップ
リーダーシップは未来予測を目的に求められるものです。新しいものをつくり出す際に発揮すべき能力で、周囲がわかっていないものを把握し、伝えるからこそ指示が求められるのです。
マネジメント
マネジメントとは、目の前の課題を解決することを目的に、目の前のタスクを管理することです。組織やプロジェクトなど、その場を安定的・持続的に運営することが求められる場合、発揮すべき能力とも言えます。
フォロワーシップ
フォロワーシップは、まだ日本ではあまり浸透していない言葉ですが、組織人として最も重要なものです。
フォロワーシップに対し、「フォロワー」という言葉から、従順であるイメージで誤解している人も多いようですが、その目的は、仕事の決定権を持つ人に対する説得と受容──「ポリティクス(社内政治)」を行うことです。組織内の物事は決定事項に基づいて動くため、その決定権を持つ人との関わりが仕事の大前提になります。そのため、フォロワーシップは意思決定者を持つ限り、常に求められる能力と言えます。これができないと、マネジメントとリーダーシップも機能しません。
日本では、マネジメントに重きを置いて仕事をすることが「仕事をしている」「仕事ができる」と評価を受ける傾向があります。しかし、組織の効率を考えれば、場面や一緒に働く相手に応じて3つの役割を果たせることが最適解であることは明白です。
とくに、ノウハウ・マネジャーのように、多種多様な人々がともに働くことでトラブルに直面しやすい場で指示や解決を求められる立場であれば、この3つの役割を使い分けて働くことは必要不可欠です。
なぜなら、それによって格段に仕事のスピードも質も上がり、周囲からの信頼の度合いも高まるからです。
「リーダーシップ」「マネジメント」「フォロワーシップ」の違いがわかったらそれぞれの特性を自分にインストール。場面ごとに切り替えて使い分けができるようになれば大きな武器になる。逆に言えばこれができないとうまくスピードに乗った質の高いオペレーションは難しいということでもある。
日本には技術を持った有能な人材がたくさんいるのにそれを伝えることに関してはまだ三流の気がしてならない。昔かたぎな背中を見て覚えろではもはや教育は通用しないのだ。
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