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スピリチュアルズ 「わたし」の謎|橘玲|恐るべき「スピリチュアル理論」

スピリチュアルと脳科学や心理学、相反すると思われるこの二つを結びつける最新知見を使って解き明かす「スピリチュアル理論」。「自分」や「他人」に対する理解を180度変えてしまう理論とは?

激辛ラーメンか図書館か

なぜ「外向的/内向的」にばらつきがあるのか。これは、「身体のエネルギーは有限である」という制約から説明できる。

外向的な個体は覚醒度を上げようとして刺激に向かって進んでいくから、食べ物や生殖の相手を獲得するなど目的を実現する可能性が高まるが、エネルギーの消耗も激しい。それに対して内向的な個体は、強い刺激を避けようとするからエネルギーを保存できるが、目的を実現する機会は少なくなるだろう。

身体のエネルギーが無限にあるのなら外向的な戦略が最強だし、動かなくても食べ物がいくらでも手に入るなら内向的な戦略でこと足りる。しかし自然界にそんなウマい話があるわけがなく、生き物は「あちらを立てればこちらが立たず」のトレードオフの状況に置かれている。「外向的/内向的」は、このトレードオフ(ジレンマ) に対する適応なのだ。

環境が多様で不安定だと、生き延びて多くの子孫をつくる(遺伝子のコピーを最大化する) ための最適な戦略はひとつに決まらない。そこで、どのような環境でも一定数の個体が生存・生殖できるように多様なパーソナリティが生じる。

「強い刺激を求める」というのは、外向的なひとのイメージと合致する。大音響で派手なレーザーライトが交錯するクラブで遊んだり、大人数のパーティで知らないひとと知り合い、ときに逢瀬を楽しんだり、バンジージャンプやスカイダイビングに挑戦したりするのがこのタイプだ(激辛ラーメンを食べたりするかもしれない)。

内向的の極みとも言える人の多くは何かを得ることから遠い存在になる。何かを取得することを苦手とし害はないのだが、本人は何も得られない残念な人になりがち。まさに僕がその典型例で目が覚める。

「日本人は集団主義」はほんとうか

アメリカ人は個性的で同調性が低く、日本人は集団主義的で同調性が高いといわれる。コロナ禍で「自粛警察」が流行語になったことで、「日本人=集団主義」の常識はより確固としたものになったようだ。

経済学者の大竹文雄さんらは、同調性パーソナリティと会社での成功(年収) の関係を調べ、アメリカでは同調性が低いことが出世と有意に相関するが、日本では逆に同調性が高いことが出世の条件になっていることを見出した。──より正確には、従業員1000人以上の大企業ではアメリカでも高い同調性が出世に結びつく弱い効果が見られたが、中小企業では同調性が低い方が年収が高かった。

これは「日本人は没個性的で、アメリカ人は個性的」というステレオタイプの証明にも思えるが、逆の因果関係も考えられる。アメリカは同調性が低いことで成功する社会で、だからこそアメリカ人は非同調的に振る舞う。それに対して日本は同調性が高いことで成功する社会なので、日本人は同調的に振る舞っているだけかもしれないのだ。

日本を代表する社会心理学者の故山岸俊男さんは、巧妙な実験によってどちらが正しいかを確かめようとした。

この実験では、参加者はアンケートに答えて、お礼にボールペンをもらう。ボールペンは5本で、そのうち1本だけ色がちがう。参加者は、好きなペンを1本選んでいいと告げられる。

日本とアメリカでこの実験を行なうと、アメリカ人は少ない方の色のペンを取ることが多いが、日本人は同じ色のペンを取る傾向が強い。すなわち日本人は多数派に同調し、アメリカ人はユニークさを好む──。まさにこれまでの「常識」が証明されたかのようだ。

同調性が重視される世の中では僕のような人間は評価されにくいと社会に出て感じた。日本型組織では疎まれる存在。組織内でいくら愚痴って現状を嘆いても聞き入れてもらえることはない。たとえそれが正解でもだ。方向性を間違えた組織は一時的に損をする。しかし、ゆっくりと舵を切りやがて方向修正する。大型の小回りの効かない乗り物が日本式の組織なのかも。問題の初期段階ではそれが問題視されないのが日本型組織。

脳科学や心理学の最新知見が「わたしの謎」を解き明かす。スピリチュアルと合わせて「わたし」「人間」に対する理解が加速する不思議な書籍。

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